長年受験生を指導しているとわかってきますが、入試の合格・不合格は計算問題を確実に解けるかどうかで決まります。
ほとんどの算数の入試問題は、1番が計算問題で、2番が基本問題、3番から後が大問(図形やグラフや文章題)です。
どうしても配点の大きい大問に目がいきますが、本当は1番、2番を落とさない人が最も得点率が高い。
大問は、運と、そのときの体調や心理状態に大きく左右されて、解けることもあれば解けないこともあって、まったくあてにはなりません。

今日は、中学入試によく出る問題にまとをしぼって、絶対に間違えない計算問題の解き方を追及してみましょう。

整数の計算問題

例題1:
108−8×13+(216−129)÷3


(解き方)
(1)出題のねらいを見つける


問題にはすべて「出題者の意図」といわれるものがあります。すべての問題は、算数の「ある重要事項」を受験生がわかっているどうか知るために出題されるのです。
最初にそれを見つけておきます。
この問題で聞かれているのは、「計算の順序」です。

(2)先に計算する部分に下線を引く


わかっているかどうかを試されているのは計算の順序ですから、どこから先に計算するかを見つけます。
ところで、「わかった」を、「絶対間違えない」に変えるには、可視化(目に見える形に)することが必須です。
計算問題の場合、先に計算する場所に下線を引くのがよいでしょう。

108−8×13(216−129)÷3

(3)線を引いた部分ごとに計算をする

このとき大事なのは、1、筆算よりはできるだけ暗算で、2、筆算はきれいに書いてきれいに並べておく、この2つです。

暗算でできれば暗算でするべきです。すぐに筆算をすると、いつまでたっても計算のカンが鈍いままで上達しません。

8×13程度だと、8×10+8×3=104でもよいし、筆算を頭の中でやって8×3=24、繰り上げた2と8×1=8で10、だから104でもよいと思います。

次に、私なら、216−129は筆算でします。
実は、一番計算ミスが多いのはひき算なんです。ひき算は慎重にするべきです。

筆算ですが、計算ミスの多い人は筆算の書き方の雑な人が多い。

実際の入試問題だと問題の余白を使って計算をしないといけませんが、普段の勉強では罫線のひいてあるノートを用意し、罫線にそって縦、横をきちんとそろえて筆算する癖をつけてください。

筆算を書き込む場所も、問題の出題順にきれいに整頓して書き込み、後で見直すときに、どこに何が書いてあるかが一目でわかるようにしておいてください。

後で見直すかどうかが重要ではないのです。
見直すとしたら瞬時に見つかるほど筆算が整理整頓されて残されていることが大事なのです。身のまわりの整理整頓ができない人は頭の整理整頓もできない人です。頭を整理整頓するために、筆算のメモも整理整頓しておくのです。

こうして筆算をして、216−129の答え87を見つけ、次にその答えを3でわり(この程度だと暗算で)、答えの29を求めます。

(4)部分ごとの答えを問題の下線の下に記入

108−8×13(216−129)÷3
・・・・・・・104・・・・・・・・・29

(5)問題の答えを求める

108−104+29ですから、4+29=33です。

結局、解いた後、この問題の場所には以下のような痕跡が残っているはずです。

108−8×13(216−129)÷3・・・・・・・・・・216  
・・・・・・・104・・・・・・・・・29・・・・・・・・・・・・・・−129
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87


小数の計算問題

例題2:
(4−0.02)×0.5−(0.7×0.7+0.27)


(解き方)

(1)出題のねらいを見つける

この問題で試されているのは、計算の順序+小数計算(特に位取り)が正確にできるかどうかです。

(2)先に計算する部分に下線を引く
(4−0.02)×0.5(0.7×0.7+0.27)

(3)線を引いた部分ごとに計算をする
4−0.02は暗算で3.98、3.98×0.5=1.99は筆算のほうが確実でしょうか(暗算でするか筆算でするか、瞬間的に判断する癖をつけておきましょう)。

小数の計算ですから、小数点の位置に特に注意します。
計算をした後、必ず見直して確認をするくらい慎重に。

後半の0.7×0.7は暗算で0.49(暗算のほうが小数点の位置を間違えにくい)、0.49+0.27も暗算で0.76。

(4)部分ごとの答えを問題の下線の下に記入
(4−0.02)×0.5(0.7×0.7+0.27)・・・・・・・・・・3.98
・・・・・・1.99・・・・・・・・・・・・・0.76・・・・・・・・・・・・・・×0.5
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.990

(5)問題の答えを求める
1.99−0.76を計算して1.23です。


分数の計算問題

例題3:

1




(解き方)

(1)出題のねらいを見つける

この問題で試されているのは、計算の順序+分数計算が正確にできるかどうかです。

(2)先に計算する部分に下線を引く
あまり下線を引きすぎると汚くなってかえって混乱します。

分数計算では、ほとんど暗算は無理で、きちんと、計算する部分を書き出しては解いていかないといけません。
その式が残りますので、それを見れば確認できますから、下線を多く引く必要はありません。

2




(3)線を引いた部分ごとに計算をする
分数の計算は、別の場所にきちんと計算をしてその証拠を残しておきます。

(計算間違いの多い人に限って、例えば3/8に斜線をひいて9/24などと書き込んだりします。このような、問題を汚して自分自身を混乱させるようなこと は絶対にしてはいけません。もとの問題自体はできるだけきれいなままで残しておきます。)

3



4






5




(4)部分ごとの答えを問題の下線の下に記入

6






(5)問題の答えを求める
ここでも、分数どうしを計算したあとを、整理整頓してきれいに残しておきます。

7



8


答えは44/15です。


混合計算

例題4:
9



(解き方)

(1)出題のねらいを見つける

この問題で試されているのは、計算の順序+分数計算+小数から分数への転換ができるかどうかです。

(2)先に計算する部分に下線を引く
10



(3) 線を引いた部分ごとに計算をする
小数と分数の混合計算では、小数は分数になおして、分数で計算するのが普通です(分数を小数になおそうとすると、割りきれないことがあるから)。

ところが、このとき、例えば0.25が出てくると、25/100にして、それをゆっくりと約分しようとする人がいます。
間違いではありませんが、今まで何回か0.25を分数にする機会はあったはずで、0.25=1/4くらいは覚えておいてほしい。

0.25=1/4
0.75=3/4

さらに、まだ知らない子に本人が見つける前に教えることはよくないことではありますが、分母が8の分数になおせる小数も知っておくべきです。

0.125=1/8
0.375=3/8
0.625=5/8
0.875=7/8

このことを知っていたら、この問題は簡単です。
11












(4)部分ごとの答えを問題の下線の下に記入

12






(5) 問題の答えを求める
13










答 えは5/12です。


このようにして、整数、小数、分数、混合、すべての計算問題を、同じ方法で、速く、正確に解くことができます。


*****算数の全目次はこちら、ワンクリックで探している記事を開くことができます*****