入試の計算問題には、たいてい1問、くふうをしてから解く計算問題がふくまれています。
その「くふう」の仕方を類型化すると、(1)分数にすると簡単になるもの、(2)交換法則と結合法則を活用するもの、(3)分配法則を活用するもの、(4)知っておかないといけない問題、この4種類になります。
1、分数にすると簡単になるもの
小数ばかりの問題には、すべてを分数になおすと簡単に解けるものがあります。
例題1:
0.05÷0.008×0.4÷0.02×0.03
(問題の特徴)
0.05を0.008でわって、その答えに0.4をかけて・・・・、そんな複雑な計算問題は、入試では絶対に出ません。
何か、くふうをするべきです。
すべての小数を分数になおすと、100や1000がいくつも出てきて、約分でほとんど消えてしまうのではないかと見当をつけます。
つまり、0.01や0.001のような小数がいくつか並んでいる問題は、小数のままではなくて分数にしてから計算すると一気に簡単になります。
(解き方)
すべての小数を分数にかえてみます。
そのとき、先に約分しないで、10分のや100分のをそのまま残しておいたほうが後が楽です。

予想通り、約分でほとんどの数が消えてくれました。
2、交換法則と結合法則を活用するもの
数字の順番を入れかえて、ある数字どうしを先にかけておくと簡単になる問題があります。
例題2:
12.5×536×4×0.8×0.25
(問題の特徴)
何もくふうしないでただ前から計算したら、とてつもない労力がかかりそうです。そんな入試問題は出題されません。
何かくふうができないか、問題をしっかりと眺めます。
この問題では、25と4、125と8などの、かけると100(=25×4)や1000(=125×8)になる数字の組があることに気がつかないといけません。
(解き方)
12.5×536×4×0.8×0.25
=(12.5×0.8)×(4×025)×536
=10×1×536
=5360
順番を入れかえて、2つの数をかけて10や1をつくることで簡単に解くことができました。
数字の順番を入れかえても答えがかわらないことを、(順番を交換してもよいことから)交換法則といいます。
また、特定の数字同士だけを先に計算してもよいことを、(あるものだけを先に結合してもよいことから)結合法則といいます。
この問題は、4×25=100、8×125=1000になることに着目して、交換法則と結合法則を活用する問題です。
分配法則を活用するもの
同じ数字が複数回現れるときは、必ず分配法則を使います。
例題3:
3.14×6.28+3.14×3.72
(問題の特徴)
同じ数である3.14が前にも後ろにもあることに気づかないといけません。
それに気づいたら、分配法則ab+ac=a×(b+c)を活用します。
(解き方)
3.14×6.28+3.14×3.72
=(6.28+3.72)×3.14
=10×3.14
=31.4
例題4:
4.38×3.14+6.28×0.81+31.4×0.4
(問題の特徴)
同じ数がないと判断してはいけません。
314の数字の組が顔を出していることに着目して(6.28も3.14×2です)、どうにかして分配法則が使えないかを考えてみます。
さらに、かけ算の特徴として、31.4×0.4の、前の31.4を0.1倍の3.14にしても後ろの0.4を10倍したら、0.1×10で相殺されて、答えはかわりません。
このことも利用します。
(解き方)
4.38×3.14+6.28×0.81+31.4×0.4
=4.38×3.14+3.14×2×0.81+3.14×4
=4.38×3.14+3.14×1.62+3.14×4
=(4.38+1.62+4)×3.14
=10×3.14
=31.4
知っておかないといけない問題
1/2=1/1−1/2、1/6=1/2−1/3、・・・・を利用する問題は、中学入試独特の頻出問題です。
知っていないと解けないという意味では良問とはいえませんが、出る以上は知っておかないといけません。
例題5:

(問題の特徴)
分子が1で、分母が2つの連続する数の積のとき、それぞれの連続する数を分母とする分数の、差の形に変形することができます。

なぜそうなるのかは、逆の計算をどうやってするかを考えたら納得できます。

一般化すると、

これを知っておいたらよい利点は、この形の分数がいくつか並んでいるとき、ほとんどの部分を消してしまえることです。

一番左端の分数と、一番右端の分数以外はすべて消えます。
(解き方)

結局、1−1/10だけが残るので、答えは9/10です。
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その「くふう」の仕方を類型化すると、(1)分数にすると簡単になるもの、(2)交換法則と結合法則を活用するもの、(3)分配法則を活用するもの、(4)知っておかないといけない問題、この4種類になります。
1、分数にすると簡単になるもの
小数ばかりの問題には、すべてを分数になおすと簡単に解けるものがあります。
例題1:
0.05÷0.008×0.4÷0.02×0.03
(問題の特徴)
0.05を0.008でわって、その答えに0.4をかけて・・・・、そんな複雑な計算問題は、入試では絶対に出ません。
何か、くふうをするべきです。
すべての小数を分数になおすと、100や1000がいくつも出てきて、約分でほとんど消えてしまうのではないかと見当をつけます。
つまり、0.01や0.001のような小数がいくつか並んでいる問題は、小数のままではなくて分数にしてから計算すると一気に簡単になります。
(解き方)
すべての小数を分数にかえてみます。
そのとき、先に約分しないで、10分のや100分のをそのまま残しておいたほうが後が楽です。

予想通り、約分でほとんどの数が消えてくれました。
2、交換法則と結合法則を活用するもの
数字の順番を入れかえて、ある数字どうしを先にかけておくと簡単になる問題があります。
例題2:
12.5×536×4×0.8×0.25
(問題の特徴)
何もくふうしないでただ前から計算したら、とてつもない労力がかかりそうです。そんな入試問題は出題されません。
何かくふうができないか、問題をしっかりと眺めます。
この問題では、25と4、125と8などの、かけると100(=25×4)や1000(=125×8)になる数字の組があることに気がつかないといけません。
(解き方)
12.5×536×4×0.8×0.25
=(12.5×0.8)×(4×025)×536
=10×1×536
=5360
順番を入れかえて、2つの数をかけて10や1をつくることで簡単に解くことができました。
数字の順番を入れかえても答えがかわらないことを、(順番を交換してもよいことから)交換法則といいます。
また、特定の数字同士だけを先に計算してもよいことを、(あるものだけを先に結合してもよいことから)結合法則といいます。
この問題は、4×25=100、8×125=1000になることに着目して、交換法則と結合法則を活用する問題です。
分配法則を活用するもの
同じ数字が複数回現れるときは、必ず分配法則を使います。
例題3:
3.14×6.28+3.14×3.72
(問題の特徴)
同じ数である3.14が前にも後ろにもあることに気づかないといけません。
それに気づいたら、分配法則ab+ac=a×(b+c)を活用します。
(解き方)
3.14×6.28+3.14×3.72
=(6.28+3.72)×3.14
=10×3.14
=31.4
例題4:
4.38×3.14+6.28×0.81+31.4×0.4
(問題の特徴)
同じ数がないと判断してはいけません。
314の数字の組が顔を出していることに着目して(6.28も3.14×2です)、どうにかして分配法則が使えないかを考えてみます。
さらに、かけ算の特徴として、31.4×0.4の、前の31.4を0.1倍の3.14にしても後ろの0.4を10倍したら、0.1×10で相殺されて、答えはかわりません。
このことも利用します。
(解き方)
4.38×3.14+6.28×0.81+31.4×0.4
=4.38×3.14+3.14×2×0.81+3.14×4
=4.38×3.14+3.14×1.62+3.14×4
=(4.38+1.62+4)×3.14
=10×3.14
=31.4
知っておかないといけない問題
1/2=1/1−1/2、1/6=1/2−1/3、・・・・を利用する問題は、中学入試独特の頻出問題です。
知っていないと解けないという意味では良問とはいえませんが、出る以上は知っておかないといけません。
例題5:
(問題の特徴)
分子が1で、分母が2つの連続する数の積のとき、それぞれの連続する数を分母とする分数の、差の形に変形することができます。
なぜそうなるのかは、逆の計算をどうやってするかを考えたら納得できます。

一般化すると、

これを知っておいたらよい利点は、この形の分数がいくつか並んでいるとき、ほとんどの部分を消してしまえることです。

一番左端の分数と、一番右端の分数以外はすべて消えます。
(解き方)

結局、1−1/10だけが残るので、答えは9/10です。
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