中学入試でも高校入試でも、法律名を問う問題がよく出題されます。
今日は入試によく出る法律を、公民の分野別にまとめてみました。


1、社会生活に関する法律

民法(明治29年)…個人の財産、契約、家族に関する基本法です。社会科公民分野で学習する、親族の範囲、相続について定めています。財産や契約に関しては、私有財産の尊重、契約自由の原則、過失責任の原則に則っています。
親族・相続に関しては、太平洋戦争後の1947年、新しい憲法のもとで、個人の尊重と男女平等の基本方針に基づき、全面的に改正されました。

男女共同参画社会基本法(平成11年)…男女平等社会の建設を目標につくられた法律です。男女共同参画社会(男女が互いに人権を尊重しつつ、能力を十分に発揮できる社会)の実現をめざし、家庭生活だけでなく、議会の構成、その他の活動でも男女が平等であるように、政府や地方自治体が活動することを求める法律です。


2、憲法と人権に関する法律

大日本帝国憲法(明治22年)…明治天皇によって制定された欽定(きんてい)憲法です。天皇主権と統帥(とうすい)権の独立などが特色です。1947年の日本国憲法の施行によって効力を失いました。
臣民の権利を法律で制限することができました。

日本国憲法(昭和21年)…日本の現行憲法です。国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を基本原則とし、象徴天皇制・議院内閣制・違憲立法審査権・地方自治の保障などを規定しています。
国民の基本的人権は、「公共の福祉」に反しない限り、法律によっても制限されません。

周辺事態法(平成11年)…正式には「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」。わが国の周辺に紛争が発生するおそれがあるときの、自衛隊の活動やアメリカ軍との協力を定めた法律。

国民保護法(平成16年)…正式名称は「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」。外国から武力攻撃を受けた際の、国民の生命・財産を保護することを目的とする法律。

国民投票法(平成19年)…日本国憲法第96条に規定された憲法の改正に必要な国民投票の手続きを定める法律。

教育基本法(昭和22年)…日本国憲法の精神に基づいた、新しい教育の目的と基本方針を示した法律。教育の機会均等、義務教育、男女共学などについて規定しています。

職業安定法(昭和22年)…働きたい人に職業につく機会を与えて、産業に必要な労働力を供給し、職業の安定と経済の興隆を図ることを目的とする法律です。

労働組合法(昭和20年)…労働者が使用者と対等の立場に立つことを促進し、労働者の地位の向上をはかることを目的とした法律です。労働組合の資格や、使用者がしてはいけない不当労働行為、お互いの取り決めである労働協約などについて規定しています。

労働基準法(昭和22年)…日本国憲法27条2項の「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」にもとづいて定められた法律です。
1985年に批准された女子差別撤廃条約に伴って改正され、女子の保護規定が削除され、さらに1987年の改正で、週40時間労働制、フレックスタイム制などが導入されました。

労働関係調整法(昭和21年)…使用者と労働者の関係の公正な調整と、労働争議を予防し、解決することを目的として制定された法律です。労働争議の自主的な解決や労働委員会による調整、また争議行為の禁止・制限される場合を規定しています。

環境基本法(平成5年)…公害対策基本法にかわる法律として、環境を守るための基本理念や国・地方自治体の施策、事業者と国民の責務について定めています。この法律の施行によって公害対策基本法は廃止されました。

環境アセスメント法(平成9年)…大規模公共事業などをする事業者が、環境への影響を予測評価し、それにもとづいて事業を行わなければならないことを定めた法律です。環境影響評価法ともいいます。

情報公開法(平成11年)…国の行政文書の開示義務を定めた法律です。国の行政機関が保有する情報は、一部の例外を除き、開示請求者にすべて公開することが定められました。


3、政治のしくみに関する法律

公職選挙法(昭和25年)…選挙の基本原則や手続き、選挙運動のルールなどを規定しています。選挙権、被選挙権、選挙区、選挙運動、選挙管理などが細かく規定され、国内の選挙はこの法律にそって行われます。

地方自治法(昭和22年)…地方自治の基本法です。地方公共団体の区分・組織・運営などを定め、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的としています。
平成11年、地方分権をめざした改正が行われました。機関委任事務が廃止され、国と地方の関係は対等・協力関係へと変わりました。

地方分権一括法(平成11年)…地方分権を基本理念に、地方の自主裁量を高めることを目的に制定されました。機関委任事務を廃止し、法定受託事務と自治事務という制度をあたらしく設けました。


4、経済生活に関する法律

消費者基本法(昭和43年)…消費者と事業者では情報の格差が大きいことを考慮して、消費者の権利を保護する目的でつくられた法律です。消費者の権利や事業者、行政機関の責任について規定しています。

製造物責任法(PL法)(平成6年)…製品の欠陥によって消費者が生命、身体、または財産に損害を被ったとき、製品の欠陥を消費者が証明すれば、製造者が損害を賠償する責任があることを定めた法律です。

消費者契約法(平成12年)…消費者が不利な契約を結ばされた場合に、消費者を保護することを目的としてつくられた法律です。消費者と事業者の契約を消費者契約といい、消費者に誤認があった場合、消費者は契約を取消すことができます。

独占禁止法(昭和22年)…公正で自由な競争による国民経済の建設をめざして制定されました。企業の私的独占(トラスト・コンツェルン)や不当な取引制限(カルテル)、不公正な取引方法(不当ボイコット・ダンピング)の3つを禁止しています。監督機関として公正取引委員会があります。

男女雇用機会均等法(昭和60年)…雇用における男女の均等な機会および待遇の確保を目的とする法律です。募集・採用・配置・昇進や定年・退職・解雇についての男女の差別的取り扱いを禁止しています。

育児介護休業法(平成3年)…正式名称は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」です。育児や介護を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるように支援することを目的とします。

生活保護法(昭和25年)…憲法25条生存権の理念に基づき、国が生活に困窮する国民に対し必要な保護を行い、最低限度の生活を保障することを目的とする法律です。

少子化社会対策基本法(平成15年)…少子化に対処するための政策を総合的に推進することを目的とした法律です。子育てを支援する社会環境づくりのための保育サービス充実などを定めています。


5.国際社会に関する法律

PKO協力法(平成4年)…国際連合の国連平和維持活動(Peace Keeping Operation、PKO)に協力するために作られました。国連によるPKO活動や人道的な国際救援活動に参加するために自衛隊を海外に派遣する際の根拠となる法律です。


***** 社会の全目次はこちら、ワンクリックで探している記事を開くことができます *****