年号・元号・西暦

歴史上の年の数え方に2種類あります。

1つは、ある基準の年を紀元とし、それから何年かを表す方法です。西暦イスラム暦(ヒジュラ暦)がこの仲間に入ります。


他の1つは、中国や日本の数え方で、皇帝や天皇の治世で区切り、その何年目という表し方です。日本の元号がこのグループに入ります。

年号という語の使われ方は人によって違いがあります。(1)「年の数え方」という意味で使い、年号の中に西暦元号をふくめて年号という場合と、(2)西暦に対して、わが国独自の元号のことを年号という場合とがあります。

ここでは、西暦に対する元号年号と呼ぶことにします。


西暦


キリストが生まれたとされる年を紀元(元年)とする年代の数え方です。

(聖書の記述の検討から、キリストの生誕年は紀元前4年だったという説が今は有力です。)

ラテン語のAnno Domini(「主イエスの出現より」の意味だそうです)の頭文字をとってADとも表記します。

(紀元後をAD、紀元前をBCと表記しますが、BCは英語のBefore Christ(キリスト以前)の略です。)

キリスト教圏から広まり、ヨーロッパ諸国の世界進出によって現在では世界で最も使われている年代表記法です。


元号(年号)

紀元前115年にの武帝が「建元」という元号を用いたのが元号の始まりです。
その後、中国の影響下にある国々も元号を用いるようになりました。

日本最初の元号は、645年の大化の改新のときに使われた「大化」です。

明治に改元されたとき、一世一元の制(1人の天皇の在位中は1つの元号しか使わない)が採用されました(それまでは、天皇の交代がなくても自由に改元が可能でした)。

明治5年、明治政府は太陽暦を採用し(それまでの暦は月の動きを基準にした大陰暦でした)、それにともなって年の数え方として西暦も取り入れました。
この頃からしばらくは、わが国では、元号と西暦以外に、干支(かんし・えと・・・十干と十二支を組み合わせた60年周期の年の数え方)や皇紀(こうき・・・最初の天皇とされる神武天皇の即位を紀元とする数え方)も併行して使われていました。

壬申の乱の壬申(じんしん)や戊辰戦争の戊辰(ぼしん)は干支による数え方です。
また、1940年(昭和15年)は皇紀2600年にあたり、国中で記念行事が行われました。

現在では西暦と元号以外をもちいる機会はほとんどありません。

太平洋戦争後、皇室典範の改正で元号の使用を根拠づける法律は存在しなくなったのですが、慣習として昭和という元号が用い続けられました。
1979年の元号法の成立で、元号の使用に法的根拠が生まれ、皇位の継承があった場合に限り元号を改めることが法制化されました。

現在、私たちは、西暦を使うのも元号で表すのも自由です。どちらを使ってもよいし、両方を使ってもかまいません。
元号法も、元号の使用を強制する法律ではありません。

慣例として、国や地方自治体の公的文書は元号をもちいるのが普通です。

少しずつ西暦を使用する場合も増えていますが、国民の感覚としては「どちらでもよい」、「横書きの文書は西暦で、縦書きの文書は元号で」などが一般的ではないでしょうか。
また、歴史を学ぶときは西暦のほうが便利ですし、逆に日常生活では昭和や平成などの元号を使うことのほうが多いように思います。

世界で元号を用いている国は現在では日本だけだそうです。


西暦と元号の対応

本を読んだり、文書を書いたりするときに、しばしば西暦と元号を変換、換算する必要が生じます(特に明治以降)。

明治(明治元年=1868年〜明治45年=1912年)

大正(大正元年=1912年〜大正15年=1926年)

昭和(昭和元年=1926年〜昭和64年=1989年)

平成(平成元年=1989年〜)

それぞれの元年−1にあたる西暦を覚えると、一番簡単に換算できます。

明治元年−1=1867年、
大正元年−1=1911年、
昭和元年−1=1925年、
平成元年−1=1988年です。

上の数字に、元号の年数をたしたら西暦です。
西暦から、上の数字をひいたら元号です。

今年、平成22年は1988+22=西暦2010年、2010年は2010−1988=平成22年です。

大日本帝国憲法ができた1889年は、1889−1867=明治22年。
米騒動の1918年は、1918−1911=大正7年。
満州事変1931年は、1931−1925=昭和6年。

お父さんが昭和48年生まれだとすると、西暦になおすと1925+48=1973年生まれ。


最後に、西暦との変換には直接関係しませんが、明治、大正、昭和が何年までかは覚えておいたほうがよいでしょう。
明治は45年まで、大正は15年まで、昭和は64年までです。


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