助動詞「れる」「られる」
(1)助動詞の「れる」、「られる」には、4つの意味があります。
受け身…他のものに何かをされる。(例:私は先生に怒られる。)
可能…することができる。(例:ここから外を眺められる。)
尊敬…話し手が誰かを敬う。(例:先生が挨拶をされる。)
自発…自然にそうなってしまう。(例:故郷のことが思い出される。)
(2)助動詞の「れる」、「られる」は、おもに動詞に(いくつかの助動詞にも)接続しますが、「れる」と「られる」で、接続する語が違います。
五段活用の動詞、サ行変格活用の動詞…未然形に、「れる」が接続する。
上一段活用、下一段活用、カ行変格活用の動詞…未然形に、「られる」が接続する。
(3)助動詞の「れる」、「られる」は、下一段活用の動詞と同じように変化する、いわゆる『動詞型の活用』をする助動詞の一つです。
可能動詞と「れる」「られる」
例えば、五段活用の動詞「歩く」の未然形に、可能の助動詞の「れる」が接続して「歩かれる」となり、さらに「かれ」の発言が縮まって「け」になって、「歩ける」となったものを、可能動詞といいます。
「読める」、「書ける」、「話せる」などが可能動詞です。
可能動詞は、もとの五段活用の動詞とは別の、下一段活用の動詞です。
可能動詞になることができるのは五段活用の動詞だけで、上一段活用、下一段活用、サ行変格活用、カ行変格活用の動詞は可能動詞にはなりません。
可能の意味を表したいときは、サ行変格活用の動詞には可能の助動詞「れる」を、上一段活用、下一段活用、カ行変格活用の動詞には可能の助動詞「られる」を接続します。
ら抜き言葉の増加
上述のように、可能動詞になることができるのは、五段活用の動詞だけです。
「見る」、「起きる」のような上一段活用の動詞、「寝る」、「食べる」のような下一段活用の動詞、カ行変格活用の動詞の「来る」などに、可能の意味を持たせるためには、助動詞の「られる」をつけます。
「見られる」、「起きられる」、「寝られる」、「食べられる」、「来られる」が、従来、正しいとされてきた用法です。
ところが、近年、「見れる」、「起きれる」、「寝れる」、「食べれる」、「来れる」という言い方をする人が増えつつあります。
従来正しいとされてきた用法の「ら」が抜けた用法なので、『ら抜き言葉』と言われます。
ら抜き言葉は、五段活用から転成したものではないので可能動詞ではありませんが、意味的には可能動詞と同じようなはたらきをする、下一段活用の動詞です。
ら抜き言葉は正しい日本語か?
話し言葉の世界では、「ら抜き言葉」を日本語として間違っているとは言えない状況になっています。
特に若い人たちの間では、ら抜き言葉を使うことのほうが多い例さえ見られます。
例えば、友達同士の会話だと、「明日、来れる?」のほうが普通で、「明日、来られる?」の方がかえって違和感を感じるのではないでしょうか。
近い未来には、ら抜き言葉を使う人のほうが多くなって、ら抜き言葉が正しい日本語として認められるかもしれません。
しかし、まだ今のところ、ら抜き言葉は正式な市民権を得てはいません。
言葉の使い方の一応の公的な指針である、1995年第22期国語審議会の報告は、「改まった場では使うべきではない」という見解を表明しています。
高校や大学の入試担当の先生方も、口をそろえて「作文や小論文で、ら抜き言葉を使っていたら減点する。」とおっしゃいます。
テストの答案を書くときや面接で話すときには、ら抜き言葉を使わないように気をつけないといけません。
五段活用の動詞は可能動詞をつくることができる、上一段活用・下一段活用・カ行変格活用の動詞に可能の意味を持たせるには、「れる」ではなくて「られる」をつけると、正確に覚えておきましょう。
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(1)助動詞の「れる」、「られる」には、4つの意味があります。
受け身…他のものに何かをされる。(例:私は先生に怒られる。)
可能…することができる。(例:ここから外を眺められる。)
尊敬…話し手が誰かを敬う。(例:先生が挨拶をされる。)
自発…自然にそうなってしまう。(例:故郷のことが思い出される。)
(2)助動詞の「れる」、「られる」は、おもに動詞に(いくつかの助動詞にも)接続しますが、「れる」と「られる」で、接続する語が違います。
五段活用の動詞、サ行変格活用の動詞…未然形に、「れる」が接続する。
上一段活用、下一段活用、カ行変格活用の動詞…未然形に、「られる」が接続する。
(3)助動詞の「れる」、「られる」は、下一段活用の動詞と同じように変化する、いわゆる『動詞型の活用』をする助動詞の一つです。
可能動詞と「れる」「られる」
例えば、五段活用の動詞「歩く」の未然形に、可能の助動詞の「れる」が接続して「歩かれる」となり、さらに「かれ」の発言が縮まって「け」になって、「歩ける」となったものを、可能動詞といいます。
「読める」、「書ける」、「話せる」などが可能動詞です。
可能動詞は、もとの五段活用の動詞とは別の、下一段活用の動詞です。
可能動詞になることができるのは五段活用の動詞だけで、上一段活用、下一段活用、サ行変格活用、カ行変格活用の動詞は可能動詞にはなりません。
可能の意味を表したいときは、サ行変格活用の動詞には可能の助動詞「れる」を、上一段活用、下一段活用、カ行変格活用の動詞には可能の助動詞「られる」を接続します。
ら抜き言葉の増加
上述のように、可能動詞になることができるのは、五段活用の動詞だけです。
「見る」、「起きる」のような上一段活用の動詞、「寝る」、「食べる」のような下一段活用の動詞、カ行変格活用の動詞の「来る」などに、可能の意味を持たせるためには、助動詞の「られる」をつけます。
「見られる」、「起きられる」、「寝られる」、「食べられる」、「来られる」が、従来、正しいとされてきた用法です。
ところが、近年、「見れる」、「起きれる」、「寝れる」、「食べれる」、「来れる」という言い方をする人が増えつつあります。
従来正しいとされてきた用法の「ら」が抜けた用法なので、『ら抜き言葉』と言われます。
ら抜き言葉は、五段活用から転成したものではないので可能動詞ではありませんが、意味的には可能動詞と同じようなはたらきをする、下一段活用の動詞です。
ら抜き言葉は正しい日本語か?
話し言葉の世界では、「ら抜き言葉」を日本語として間違っているとは言えない状況になっています。
特に若い人たちの間では、ら抜き言葉を使うことのほうが多い例さえ見られます。
例えば、友達同士の会話だと、「明日、来れる?」のほうが普通で、「明日、来られる?」の方がかえって違和感を感じるのではないでしょうか。
近い未来には、ら抜き言葉を使う人のほうが多くなって、ら抜き言葉が正しい日本語として認められるかもしれません。
しかし、まだ今のところ、ら抜き言葉は正式な市民権を得てはいません。
言葉の使い方の一応の公的な指針である、1995年第22期国語審議会の報告は、「改まった場では使うべきではない」という見解を表明しています。
高校や大学の入試担当の先生方も、口をそろえて「作文や小論文で、ら抜き言葉を使っていたら減点する。」とおっしゃいます。
テストの答案を書くときや面接で話すときには、ら抜き言葉を使わないように気をつけないといけません。
五段活用の動詞は可能動詞をつくることができる、上一段活用・下一段活用・カ行変格活用の動詞に可能の意味を持たせるには、「れる」ではなくて「られる」をつけると、正確に覚えておきましょう。
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