「の」の識別は、「が」や「こと・もの」と言い換えられるかどうかで、「ない」の識別は、「ぬ」で言い換えられるかどうかで、ある程度答えがしぼられてきます。

ところが、「だ」の識別は、言い換える適当な語がありません。それで、人によっては難しく感じてしまいます。

「だ」の識別をするときは、
(1)「だ」には5種類あるので、それをあらかじめ知って覚えておく。
(2)「だ」が単独の一品詞なのか、別の語の一部なのかを考える。
(3)手がかりとして、どんな語、どういう活用形に「だ」がついているかを見分ける。
の順で解くのがベストです。

「だ」の分類

「だ」には、次の5種類があります。

(1)断定助動詞「だ」・・・おもに体言のあとにつく(例:私は中学生だ。)

(2)過去・完了の助動詞」が濁音化したもの・・・動詞音便形「」「」に続く(例:読む+「た」→読ん「だ」、急ぐ+「た」→急い「だ」)

(3)推定・たとえ・例示の助動詞ようだ」の一部

(4)様態・伝聞の助動詞そうだ」の一部

(5)形容動詞(例:「静かだ」や「穏やかだ」)の一部

(1)・(2)は、「だ」が、単独の一語の助動詞であるときです。
(3)・(4)・(5)は、「だ」が、助動詞や形容動詞の一部であるときです。

「だ」の識別をするときには、一語なのか、それとも別の語の一部なのか検討することが重要です。


例題1:
「それは見かけ上のこと。」の「だ」と同じ意味、用法のものを、次のア〜オから選びなさい。

ア 教室の中はとても静か
イ 向こうにいるのが僕の弟
ウ 明日は晴れるそう
エ 春はすぐそこまで来ているよう
オ 手に持って花のにおいをかい


(解答)

例文の「見かけ上のことだ」の「だ」は、「こと」という名詞についた単独の付属語です。体言に接続する、断定の助動詞、「だ」です。

アの、「静かだ」は、「静かな」と活用させることができますから、形容動詞です(「だ」と「な」の2つを活用語尾にとる語は、ほぼ形容動詞です)。だから、「静かだ」の「だ」は、形容動詞の一部です。

イの、「弟だ」の「だ」が、「弟」という名詞に接続している、断定の助動詞の「だ」です。これが正解になります。

ウの、「晴れるそうだ」の「だ」は、「そう」「だ」と切り離すことはできません。「そうだ」で一語であり、「だ」は伝聞の助動詞「そうだ」の一部です。

エの、「来ているようだ」の「だ」も、「よう」「だ」と切り離すことは無理です。「だ」は、推定の助動詞「ようだ」の一部です。

オの、「においをかいだ」の「だ」は、においを「かぐ」という動詞についた、単独の助動詞ですが、動詞に接続している点、断定の意味を持たない点の2つから、断定の助動詞の「だ」ではありません。
「かぐ」という動詞に過去を表す助動詞の「た」がついて「かぎた」になり、「かぎた」が言いにくいので、音便化されて「かいだ」になったものです。
つまり、もとは過去の助動詞「た」であった、「だ」です。


例題2:
次のア〜エの「だ」には、一つだけ他と性質の異なる「だ」が含まれている。それを選びなさい。

ア 新しい道具はとても便利
イ 彼は詩人
ウ 私の好きな言葉は努力
エ 子どもに必要なのは愛情


(解答)

どれも、漢字2字の名詞についた、断定の助動詞「だ」であるように見えます。

しかし、「便利だ」だけは「便利な」と活用しますが、「詩人な」、「努力な」、「愛情な」という表現はありえません。

だから、「便利だ」だけが「便利な」と活用する形容動詞であり、イ、ウ、エの「詩人だ」、「努力だ」、「愛情だ」は、名詞に、断定の助動詞「だ」を接続したものです。


例題3:
次の文の傍線を引いた「だ」の、文法的な性質を説明しなさい。

(1)あれが公園
(2)昨日、学校を休ん
(3)明日は雨が降るそう
(4)まるで夢のよう
(5)気候がおだやか


(解答)

(1)「公園だ」・・・名詞「公園」+断定の助動詞「だ」
(2)「休んだ」・・・動詞「休む」+過去の助動詞「た」→(音便化して)「休んだ」
(3)「降るそうだ」・・・動詞「降る」+伝聞の助動詞「そうだ」、「だ」は助動詞「そうだ」の一部
(4)「夢のようだ」・・・名詞「夢」+助詞「の」+比喩の助動詞「ようだ」、「だ」は助動詞「ようだ」の一部
(5)「おだやかだ」・・・「おだやかな」と活用するから、形容動詞「おだやかだ」の一語。「だ」は形容動詞「おだやかだ」の一部。


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