窓から外を見ているとき

外にある物体を窓越しに見ているときは、図のように、物体に当たって反射した光が目に届き、私たちは物体を見ることができています。
窓

このとき、光は、通過するのに最も時間の短い経路を通ります。

普通、最も時間がかからないのは最も短い道筋をたどるときですから、光は最短距離を通って目に届きます。

そして、2点間の最短距離は、通常は2点間をまっすぐ結ぶ直線になります。

光は、最短時間になる道筋をたどる→最短距離をたどる→直線上を進む(直進する)、ということになります。

また、私たちは、それまでの「見る」という経験や学習を通して、窓というものは光を素通しするものであり実際の物体は窓の向こうにあることや、窓の向こうにある実物までの距離がどれくらいであるかを脳内でわかっています。


鏡でものを見ているとき

窓から外を眺めた経験はあるが、鏡というものの存在を知らない人が鏡を見たらどういうことが起こるでしょうか。

鏡
窓は知っているが鏡を知らない人が鏡を見たとき、その人は、鏡の前面、自分と同じ側に実物があることは想像できません。

窓から外を見たときと同じように、実際にはそこに存在しない像が、あたかもそこにあるように思ってしまうはずです。

そして、その像から、光が直進して目に届いていると「錯覚」してしまうはずです。


しかし、私たちは経験を通して鏡というものがあること、鏡には鏡の前にある実物が映っているに過ぎないことを知っています。

鏡2
「目に」見えているのは、鏡の向こうにある像です。

経験を積み、学習を経た「脳が」、実物は像の側ではなくて鏡を基準にすると自分と同じ側にあり、実物の位置は、経験を通して「目測」からわかっている、鏡から像までと同じ距離のところにあると、「判断」しているのです。




反射の法則

光の単元がわかりにくいのは、以上述べたような、「実際に起こっていること」をすっとばして、いきなり「反射の法則」から入るからです。

反射の法則鏡面に垂直な直線と入射光のつくる角を入射角、鏡面に垂直な直線と反射光のつくる角を反射角といい、つねに入射角=反射角が成り立つことを反射の法則といいます。

しかし、光は、別に「反射の法則」に従いたくて反射しているわけではありません。
実物から出て、鏡を経て、最短距離を通って目にとび込んでくる光を調べてみたら、結果的に入射角=反射角が成り立っていたというだけのことです。


鏡のどこに実物が映っているかを問う問題


鏡3左の図で、実物から出た光がどういう経路を通って目に届くか(鏡のどこに実物が映っているか)を尋ねる問題がよく出ます。

素直な人は、習った反射の法則を使ってこの問題を解こうとします。
しかし、それは無理です。
光の経路がわかった後に、それを記述するのが反射の法則ですから、反射の法則を使って鏡に映る場所を見つけることはできません。


この問題を解くときは、「目は、鏡を使うと実物が鏡を基準に対称の位置にあると錯覚させられてしまうこと」、言い換えると、「脳は、鏡とは、実物が鏡を基準に対称の位置にあるように目に錯覚させてしまう道具だということを知っていること」から、出発します。

(1)まず、実物を鏡を基準に反対側(対称の位置)に移した点を見つけて、その点を実物の像と確定します。
鏡4











(2)次に、その像から出た光が直進して目に届くように作図します。
その直線と、鏡面との交点が、実物から出て目に届く光が反射する点(鏡面に実物が映って見える点)です。
鏡5











(3)最後に、実物と(2)で求めた交点を結び、そして、(2)で求めた交点と目を結ぶと、それが、実物から出た光が鏡で反射して目に届くまでの道筋です。

鏡6














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