光の単元で、定期テストでも入試でもよく出る問題に、「全身を鏡にうつすには、どれだけの大きさの鏡が必要か。」があります。


鏡の原理から考える

実際に起こっているのは、光源から出て、実物の表面で反射した光が鏡に進み、鏡面で反射して目に届き、脳で「鏡にうつっている」と判断している過程です。

鏡2









ところが、鏡とは、この稿で述べたように、「鏡を対称の軸にして、実物と対称の位置に像があるように目を錯覚させるもの」です。

鏡1目には、実物とは鏡を基準にして真反対の位置に像が実在するように見えます。

脳が、今までの経験と学習から、実物は像の位置ではなくて目と同じ側にあると修正して判断しています。




ここまでが予備知識その1です。


相似(そうじ)を使う

数学で学ぶことに、相似をいわれるものがあります。

形がまったく同じ2つの図形の関係を相似といいます。
相似のとき、対応する辺の比はすべて等しくなります。

相似左の図で、辺AB:辺DE=辺BC:辺EF=辺AC:辺DFです。

例えば、辺AB:辺DEの長さの比が1:2であれば、辺BC:辺EF=1:2、辺AC:辺DF=1:2です。

これが予備知識その2です。


全身をうつすにはどれだけの大きさの鏡が必要か

上記2つの予備知識を知っていたら、この問題は簡単に解けます。

像まず、鏡は、「鏡を対称の軸にして、実物と対称の位置に像があるように目を錯覚させるもの」です。

鏡を見ている実際の人物の目には、鏡の反対側の、自分と対称の位置に自分の像があるように見えます。

そして、左の図を見たらわかるように、図の真ん中に書いてある大きさの鏡があれば、人物は、自分の頭の先から足の先までの全身を見ることができます。

次に、相似の比を使います。

像2鏡は人物と像の中間の位置にあります。

だから、人物の目から鏡までの距離:人物の目から像の頭の先までの距離=1:2です。

図の、青色の三角形と赤色の三角形は相似(形の等しい三角形)です。

だから、目から鏡:目から像の頭=1:2なら、鏡の長さ:像の全身の長さも同じ1:2です。

つまり、像の全身の半分の大きさの鏡があれば、目は全身を見ることができるということです。
そして、像の全身の大きさは実物の大きさと等しいので、結局、自分の身長の半分の大きさの鏡があれば自分の全身を見ることができるということになります。

以上の理屈は、自分と鏡との距離には関係なく、どんなときにも成り立ちます。



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