これも、今日の授業中の質問から。

例題:
次の各組の傍線部の語のうち、副詞はどちらですか。記号で答えなさい。

(1)
ア、家中の鏡をぴかぴかに磨く。
イ、遠くの灯台がぴかぴか光っている。

(2)
ア、今度の小説の題名を急に思いついた。
イ、この窓から眺める夕日は実に美しい。

(3)
ア、話のおおかたは理解することができた。
イ、まだ来ないとは、おおかた寝坊でもしたのだろう。

(4)
ア、あなたのよくいくお店を教えてください。
イ、今日は天気もよく気温も高いので、プール日和だ。

(5)
ア、お忙しいようなので、明日また来ますね。
イ、今日でもいいし、また明日でもいい。



(解答)
(1)「ぴかぴかに」は、「ぴかぴかだ」と活用するから形容動詞で、用言である動詞「磨く」を修飾する連用形。「ぴかぴか」は、活用しないし、動詞「光る」を修飾しているから副詞。副詞はイ。

(2)「急に」は、「急だ」と活用するから形容動詞で、動詞の「思いつく」を修飾しているので連用形。「実に」は、活用せず、用言である形容詞の「美しい」を修飾しているから副詞。副詞はイ。

(3)アの「おおかた」は、助詞の「は」がついて主語になっているから体言である名詞。イの「おおかた」は、「したのだろう」に続く、呼応の副詞。副詞はイ。

(4)アの「よく」は、動詞の「行く」を修飾する副詞。イの「よく」は、「天気もよい」だから、述語になる用言の形容詞「よい」の連用形。副詞はア。

(5)アの「また」は、動詞「来る」を修飾する副詞。イの「また」は、「今日でもいい」と「明日でもいい」をつなぐ接続詞。副詞はア。


N君の質問「他の品詞はある程度理解できるんですが、副詞がわかりません。副詞と言われたって、統一したイメージがわかないというか・・・。」

「それが普通だと思うよ。副詞にふくまれる語は種々雑多だし、一応規則らしいものはあるけど例外が多いし、わかりにくいね。解決策としては、乱暴だけど、最初は例外をすぱっと切り捨てて、まずこうだって類型化するしかないのじゃないかって、私は思ってる。」


というわけで、副詞を分類してみました。
あえて例外を無視して類型化しました。そのほうが、最初は理解しやすいからです。


副詞の基本的な性質

副詞とは、自立語で、活用がなくて、用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾する語です。

連用修飾語になるという観点から、主語になる名詞や、連体修飾語になる連体詞や、述語になる用言の動詞・形容詞・形容動詞と区別できます(例題の(3)、(4)、(5))。

また、動詞・形容詞・形容動詞の連用形は、副詞と同じように連用修飾語になりますが、副詞だけが活用しないので、動詞・形容詞・形容動詞の連用形と区別できます(例題の(1)、(2))。


状態の副詞・程度の副詞・呼応の副詞

従来から、副詞は、状態の副詞、程度の副詞、呼応の副詞の3つに分類されてきました。


(1)状態の副詞

状態(どういう様子か、どんな状況か)を表し、用言のうち、おもに動詞を修飾します。

・しっかり(+学ぶ)、はっきり(+話す)、すっかり(+終わる)、そっと(+歩く)・・・様子を表す
・しばらく(+休む)、さっそく(+とりかかる)、いきなり(+殴る)・・・時間的な状況を表す
・ときどき(+止まる)、たまに(+遅れる)、いつも(+怒る)・・・頻度(回数)を表す


(2)程度の副詞

程度(どの程度か、どれくらいか)を表し、用言のうち、おもに形容詞形容動詞を修飾します。

・たいへん(+おもしろい)、ちょっと(+悲しい)、かなり(+おかしい)・・・形容詞を修飾
・とても(+愉快だ)、ごく(+わずかだ)、ずいぶん(+大柄だ)・・・形容動詞を修飾


(3)呼応の副詞(陳述の副詞・叙述の副詞)

もっともわかりやすい副詞です。ただし、テキストによって3種の呼び方(呼応陳述叙述)があることを知っておかないといけません。

「呼応」とは、「呼ぶ」と「応(こた)える」、つまり、ある副詞があると(こちらが「呼」)、必ず後に決まった語が出現する(こちらが「応」)という意味です。

話し手の気持ちがこめられている(述べられている=陳述・叙述)ので、陳述の副詞、叙述の副詞ともいわれます。

呼応の副詞は、後にくる語とセットになっているわけですが、前の語だけが副詞であって、後ろに出てくる語は副詞ではありません。
例:「全然知らない」というとき、「全然」が呼応の副詞、「知らない」は副詞ではない(この場合は、動詞+助動詞)。

・決して(+〜ない)
・たぶん(+〜だろう)
・もし(+〜なら)
・なぜ(+〜のか)
・ぜひ(+〜してほしい)
・まるで(+〜ような)


擬態語・擬音語

特殊な副詞として、擬態語と擬音語があります。

わかりやすいのは擬音語です。「音」に「擬える(なぞらえる)」語、つまり、音を表している語だから、擬音語といいます。
「戸をドンドンたたく」の「ドンドン」、「キャアキャアさわぐ」の「キャアキャア」などが、擬音語です。

擬態語とは、感覚を音以外の表現で表す語です。
「にこにこ微笑む」の「にこにこ」、「草がぼうぼう生えている」の「ぼうぼう」、「星がきらきら輝く」の「きらきら」などが、擬態語です。

擬態語・擬音語は、ものの状態、様子を表しているので、(1)の状態の副詞にふくまれます。


例外的な副詞の用法

副詞は連用修飾語になる、動詞(動作)の様子を表す状態の副詞と、形容詞・形容動詞の程度を表す程度の副詞と、必ず決まった語をともなう呼応の副詞の3種類がある、と最初は例外を無視して副詞を理解したほうがわかりやすいし、ほとんどの問題はそれで解けます。

しかし、副詞には例外も多いので、最後に例外的な副詞の用法についてまとめておきます。

名詞を修飾する(連体修飾語になる)副詞

「やや上」の「やや」は、名詞の「上」を修飾する副詞です。
「かなり昔」の「かなり」は、名詞の「昔」を修飾する副詞です。

「突然の申し出」の「突然」は、助詞の「の」がついて名詞の「申し出」を修飾している副詞です。

述語になる副詞

副詞は、「どうも、しばらくです。」の「しばらく」のように、助動詞の「だ」や「です」がついて述語になることがあります。

副詞を修飾する副詞

「もっとゆっくり」の「もっと」は、副詞の「ゆっくり」を修飾している副詞です。

動詞を修飾する程度の副詞

程度の副詞は形容詞・形容動詞を修飾するのが原則ですが、「少し食べる」の「少し」は、動詞の「食べる」を修飾する程度の副詞です。


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