凸レンズでできる像についての一般的な説明は、こちらをご覧ください。

この稿では、「凸レンズの一部を紙などでおおって隠したとき、像の見え方はどうなるか?」を考察します。

凸レンズの焦点より外側にものを置くと、凸レンズの反対側に、倒立した実像ができます。
実像実像の位置にスクリーンを置くと、スクリーンで反射した光が私たちの目に届き、実像を見ることができます。



ところで、どこに実像ができるかを調べるとき、上の図のように、通常は、ものの先端から出た光のうち、光軸に平行に進んで焦点を通る光と、レンズの中心を通って直進する光の2つ使って作図します。

ものの先端からは無数の光があらゆる方向に出ていますが、進む方向が確定している光2つだけを使って作図すれば、その交わる点が実像の先端だとわかるからです。

しかし、実際には、ものの先端からは無数の光があらゆる方向に出ています。そして、ものの先端を出て凸レンズを通過した光はすべて凸レンズを通過するときに屈折し、実像の先端の部分に集まっています。

実像2






もとのものが自ら光を発する光源ではないとき、そのものが私たちに見えるのは、光源から出た光がものに当たり、もので反射して私たちの目にとび込んでいるからです。

同様に、ものの先端で反射していろいろな方向に反射した光のうち、凸レンズの方向に反射して進んで凸レンズの鏡面で屈折して進んだ光は、実像の先端の部分に集まり、その位置にスクリーンを置くと、またスクリーンの表面でいろいろな方向に反射します。
その反射した光のうちの一部が私たちの目にとび込んでくるので、私たちはスクリーンの上に、もとのものが上下左右反対になってうつった像を見ることができるのです。

簡単にまとめると、

まず、ものが私たちに見えるのは、光が、光源もの(ここで反射)→私たちの目の順に届いているからです。

次に、実像の位置にスクリーンを置くとスクリーンにうつった実像が私たちに見えるのは、光源もの(ここで反射)→レンズ(屈折して通過)→スクリーン(ここに集まって反射)→私たちの目の順に届いているからです。

ここまでを納得して、やっと本題に入ります。


凸レンズの一部を紙などでおおうと、スクリーンにうつる実像はどうなるか?

凸レンズを、真ん中を丸くくりぬいた紙でおおってみます。
おおう
凸レンズを横から見ると、凸レンズの上と下が隠されて、光が通過しない状態になっているはずです。






その状態で、ものの先端から出た光がどうなっているか、考えてみましょう。

おおう2左図の、凸レンズの表面に緑で描いた部分が紙でおおわれている部分です。
今までレンズを通過していた光のうち、紙に当たった光は、紙にさえぎられてレンズを通過することができません。

そして、上の図から、2つのことがわかります。

(1)紙でさえぎられて凸レンズを通過する光の量は変わるが、紙にさえぎられていない部分を通過した光は実像の位置に集まっている。つまり、凸レンズの一部を紙でおおっても、実像ができることに変わりはない。

(2)凸レンズを通過する光の量が少なくなるから、実像の明るさは暗くなるはずである。

つまり、レンズの一部を何かでおおって光が通過しないようにしたとき、実像はおおわないときと同じものができること、実像の明るさは暗くなることがわかります。

そして、この理屈は、凸レンズのおおい方をかえても(例えば、凸レンズの上半分や下半分、右半分や左半分をおおってみても)かわらないはずだということもわかります。

また、例えば凸レンズの面積の半分をおおってしまうと、凸レンズを通過する光の量も半分になるはずなので、実像の明るさも半分になるであろうこともわかります。


以上より、「凸レンズの一部を紙などでおおって隠したとき、像の見え方はどうなるか?」の答えは、(1)凸レンズをおおう前と同じ実像ができる、(2)実像の明るさは暗くなる、だということになります。


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