過不足算の基本問題
例題1:
クラス全員に鉛筆を配ります。1人に4本ずつ配ると48本あまり、1人に7本ずつにすると33本不足します。学級の人数と鉛筆の本数を求めなさい。
(解き方)
1人に4本ずつ配るのと7本ずつ配るのとでは、1人につき3本ちがいます。
鉛筆が48本あまるのと33本不足するのとでは、全体で48+33=81本ちがいます。
1人で3本ちがって、その合計が81本ですから、人数は81÷3=27人です。
1つの式にまとめると、(48+33)÷(7−4)=27人。
全部のちがいを1人分のちがいでわることで人数を求めることができます。
鉛筆の本数ですが、4本ずつ27人に配ると48本あまることから、4×27+48=156本。
または、7本ずつ27人に配ると33本不足することから、7×27−33=156本。
この問題は、『ほとんどの文章題は1つの式、(全体のちがい)÷(1つ分のちがい)で解ける』の代表的なものです。
この問題を少し難しくすると、次のような問題になります。
過不足算の応用問題
例題2:
修学旅行で1室に5人ずつ泊まると3人あまり、1室に6人ずつにすると、ちょうど2室あまります。生徒数は何人ですか。
(解き方1)
まず、例題1と同じように解いてみます。
1室のちがいは6−5=1人です。
6人ずつだと2室余るということは、全室に泊まるには6人×2=12人不足するということです。
3人あまるのと、12人不足するのとのちがいは、3+12=15人です。
全体で15人ちがい、1室でのちがいは1人なので、室数は(3+12)÷(6−5)=15室。
生徒数は、5×15+3=78人、または6×(15−2)=78人。
この解き方でよいのですが、もう少し『可視化(かしか)』(目に見えるかたち)してみましょう。
(解き方2)
赤色の線より左の部屋は、1室につき6−5=1人ずつちがっていることが一目でわかります。
そして、人数のちがいが5×2+3=13人であることも一目瞭然です。
(5×2+3)÷(6−5)=13室(赤色の線より左側の部屋の数)。
部屋の数は13+2=15室。
生徒の人数は5×15+3=78人、または6×13=78人。
(解き方1)、(解き方2)のどちらの解き方でもよいのですが、難しい問題ほど、目に見えるかたちにして、目で見ながら考え、正確に解くことが要求されます。
その意味では、(解き方2)のほうが『よい解き方』だと言えるかもしれません。
そして、この「目に見えるかたち」にして解くとき、目をつけるべき場所は、「個数が共通」で、「1つのちがいを比べられる」部分です。
図だと、赤色の線の左側の部分です。
この部分は、室数が共通で、中に泊まる人数だけが違っています。
この部分を見つけて、それを手がかりにしたら、問題がややこしくなっても解くことができます。
もう少し難しい問題を、『目に見えるかたち』にして解いてみましょう。
例題3:
長いテープを10等分したら短くなりすぎたので、同じ長さのテープを8等分したら前より5cm長くなりました。このテープの長さを求めなさい。
(解き方)
10等分と8等分で、個数が共通で「1つのちがい」を比べられる部分は、左の図の赤色の線より左側の部分です。
テープの個数は8本、1本で5cmずつちがっているので、8本分のちがいは5×8=40cm。
この40cmが、10等分したテープの2本分にあたるから、10等分したテープの1本文は40÷2=20cm。
テープの全長は、20×10=200cm。
8等分したときのテープの長さは20+5=25cmだから、25×8=200でも確かめられます。
例題4:
ある円のまわりに10cmおきに碁石を置くと4個あまります。そこで4cmおきに碁石を置きなおそうとしたら8個不足します。この円の周の長さは何cmですか。
10cmおきに碁石を置いたとき、碁石は4個あまっています。4cmおきに置いたとき8個不足するので、置いた碁石のちがいは12個です。
「1つ分のちがい」を比べられる円周上の長さのちがいは、4cm×12個分の48cmだということです。
この48cmのちがいは、1つの間隔のちがいである10−4=6cmから生じたので、48÷6=8個。
つまり、10cmおきにおいた碁石の個数は8個です。
だから、円の周は、10×8=80cm。
以上4題の例題の考察からわかるように、過不足算・差集め算の応用問題を解くコツは、
(1)「目に見えるかたち」にして解く
(2)目をつけるべき場所は、「個数が共通」で、「1つのちがいを比べられる」部分である
だと思われます。
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例題1:
クラス全員に鉛筆を配ります。1人に4本ずつ配ると48本あまり、1人に7本ずつにすると33本不足します。学級の人数と鉛筆の本数を求めなさい。
(解き方)
1人に4本ずつ配るのと7本ずつ配るのとでは、1人につき3本ちがいます。
鉛筆が48本あまるのと33本不足するのとでは、全体で48+33=81本ちがいます。
1人で3本ちがって、その合計が81本ですから、人数は81÷3=27人です。
1つの式にまとめると、(48+33)÷(7−4)=27人。
全部のちがいを1人分のちがいでわることで人数を求めることができます。
鉛筆の本数ですが、4本ずつ27人に配ると48本あまることから、4×27+48=156本。
または、7本ずつ27人に配ると33本不足することから、7×27−33=156本。
この問題は、『ほとんどの文章題は1つの式、(全体のちがい)÷(1つ分のちがい)で解ける』の代表的なものです。
この問題を少し難しくすると、次のような問題になります。
過不足算の応用問題
例題2:
修学旅行で1室に5人ずつ泊まると3人あまり、1室に6人ずつにすると、ちょうど2室あまります。生徒数は何人ですか。
(解き方1)
まず、例題1と同じように解いてみます。
1室のちがいは6−5=1人です。
6人ずつだと2室余るということは、全室に泊まるには6人×2=12人不足するということです。
3人あまるのと、12人不足するのとのちがいは、3+12=15人です。
全体で15人ちがい、1室でのちがいは1人なので、室数は(3+12)÷(6−5)=15室。
生徒数は、5×15+3=78人、または6×(15−2)=78人。
この解き方でよいのですが、もう少し『可視化(かしか)』(目に見えるかたち)してみましょう。
(解き方2)

そして、人数のちがいが5×2+3=13人であることも一目瞭然です。
(5×2+3)÷(6−5)=13室(赤色の線より左側の部屋の数)。
部屋の数は13+2=15室。
生徒の人数は5×15+3=78人、または6×13=78人。
(解き方1)、(解き方2)のどちらの解き方でもよいのですが、難しい問題ほど、目に見えるかたちにして、目で見ながら考え、正確に解くことが要求されます。
その意味では、(解き方2)のほうが『よい解き方』だと言えるかもしれません。
そして、この「目に見えるかたち」にして解くとき、目をつけるべき場所は、「個数が共通」で、「1つのちがいを比べられる」部分です。
図だと、赤色の線の左側の部分です。
この部分は、室数が共通で、中に泊まる人数だけが違っています。
この部分を見つけて、それを手がかりにしたら、問題がややこしくなっても解くことができます。
もう少し難しい問題を、『目に見えるかたち』にして解いてみましょう。
例題3:
長いテープを10等分したら短くなりすぎたので、同じ長さのテープを8等分したら前より5cm長くなりました。このテープの長さを求めなさい。
(解き方)

テープの個数は8本、1本で5cmずつちがっているので、8本分のちがいは5×8=40cm。
この40cmが、10等分したテープの2本分にあたるから、10等分したテープの1本文は40÷2=20cm。
テープの全長は、20×10=200cm。
8等分したときのテープの長さは20+5=25cmだから、25×8=200でも確かめられます。
例題4:
ある円のまわりに10cmおきに碁石を置くと4個あまります。そこで4cmおきに碁石を置きなおそうとしたら8個不足します。この円の周の長さは何cmですか。

「1つ分のちがい」を比べられる円周上の長さのちがいは、4cm×12個分の48cmだということです。
この48cmのちがいは、1つの間隔のちがいである10−4=6cmから生じたので、48÷6=8個。
つまり、10cmおきにおいた碁石の個数は8個です。
だから、円の周は、10×8=80cm。
以上4題の例題の考察からわかるように、過不足算・差集め算の応用問題を解くコツは、
(1)「目に見えるかたち」にして解く
(2)目をつけるべき場所は、「個数が共通」で、「1つのちがいを比べられる」部分である
だと思われます。
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