多角形の内角の和は、多角形をn角形とすると、180×(n−2)で求められますが、なぜ、そうなるのでしょうか。


(1)内部にできる三角形の数について、規則を見つけて、内角の和を求める方法

多角形の内角の和にどのような規則があるのか、三角形、四角形、五角形、六角形、・・・の順に調べていって、公式が成り立つことを確かめることができます。

内角の和1三角形の内角の和は、180度です。


四角形の内角の和は、四角形の内部に2個の三角形がふくまれるので、180×2=360度です。


五角形の内角の和は、五角形の内部に3個の三角形がふくまれるので、180×3=540度です。

六角形の内角の和は、六角形の内部に4個の三角形がふくまれるので、180×4=720度です。


三角形は三角形1個、四角形は三角形2個、五角形は三角形3個、六角形は三角形4個、・・・となっていることから、n角形であれば内部に(n−2)個の三角形がふくまれているということがわかります。


以上より、n角形の内角の和は、内角の和が180度である三角形が(n−2)個あることから、180度×(n−2)です。


























(2)1つの頂点からひける対角線の数から、内部にある三角形の個数を見つけて、内角の和を求める方法

内角の和2n角形であれば、1つの頂点から(n−3)本の対角線を引くことができます(1つの頂点からひくことができる対角線の数が(n−3)であることについては、こちらを参照)。

ところで、左の図を見たらわかるように、対角線は、三角形と三角形の境界線ですから、1つの頂点からひくことができる対角線の数は、常に三角形の数より1だけ少なくなります。
逆の言い方をすると、多角形の内部には、1つの頂点からひける対角線の数より1つだけ多い数の三角形ができます。

以上より、n角形の1つの頂点からひくことができる対角線の数は(n−3)本。
n角形の内部にできる三角形の数は、1つの頂点からひける対角線の数より1多いから、(n−3)+1=(n−2)個。

よって、三角形の内角の和が180度で、多角形の内部にある三角形の数は(n−2)個だから、n角形の内角の和は180×(n−2)度です。























(3)n角形の内部にn個の三角形を作って、内角の和の公式を見つける方法

多角形の内部に1点をとり、多角形の各辺とその頂点を結んで三角形をかく方法でも、内角の和を求める公式を確かめることができます。

例えば、五角形であれば下の図のようになります。
五角形
五角形の辺の数は5本ですから、5個の三角形ができます。






五角形2
五角形の内角の和は、左の図の青色の角の和です。

五角形の内部に三角形が5つあり、5つの三角形の角の和は180度×5個ですが、五角形の内角の和は、その180度×5個分から、内部の1点に集まっている三角形の角5個分(図の緑色の角)をひいたものです。

そして、内部の1点に集まっている5個の角の和は、常に360度です。

以上より、五角形の内角の和は、180度×5個−360度で求められることがわかります。


この理屈は、n角形であっても同じです。

n角形n角形の内部にできる三角形の数は、辺の数がn本だからn個。

その三角形のすべての角の和は180度×n個。

ところが、n角形の内角の和は、180度×n個から、内部の1点に集まったn個の角の和の360度
をひいたものです。

以上より、n角形の内角の和は、180×n−360。

この式を180度を使って書き直すと、
180×n−360
=180×n−180×2
=180×(n−2)

n角形の内角の和は180×(n−2)で求められることを、この方法でも確かめることができます。


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