日本銀行は日本銀行法によって設立され、日本銀行券(紙幣)を発行し、金融政策をおこなう、わが国の中央銀行です。

内閣とは独立した機関ですが、日本銀行総裁と副総裁は内閣が任命します。

日本銀行の仕事は、(1)発券銀行、(2)銀行の銀行、(3)政府の銀行とまとめられます。


発券銀行

紙幣

日本銀行は、紙幣(1万円札・5千円札・2千円札・千円札)を独占的に発行します。紙幣のことを日本銀行券といいます。
日本銀行の紙幣発行高は約80兆円です(2009年3月末)。

ちなみに、1万円札は福沢諭吉、5千円札は樋口一葉、2千円札は守礼門・源氏物語絵巻・紫式部、千円札は野口英世が印刷されています。

(紙幣に対し、硬貨(500円・100円・50円・10円・5円・1円)は政府が製造・発行します。財務大臣所管の造幣局が製造しています。)

紙幣は、日本銀行にある当座預金から金融機関が現金として引き出すことで流通を始めます。
企業や個人は金融機関から紙幣を引き出し、消費や取引の決済に使用します。

管理通貨制度

歴史上、銀行券は最初は兌換(だかん)紙幣でした。紙幣の所有者はいつでも金・銀と交換できることになっていました。政府は、保有している正貨(金か銀)相当額の紙幣しか発行できなかったのです。
保有している金・銀の信用によって紙幣が流通する制度であり、これを本位貨幣制度といい、本位貨幣が金の場合を金本位制といいます。

わが国では、金本位制度は1931年に停止され、1941年には管理通貨制度に移行しました。
管理通貨制度とは、政府が発行する通貨の量を政府の責任で管理し、実際に保有している金や銀の信用ではなくて、政府に対する国民の信用で通貨が流通する制度のことです。
中央銀行は、経済情勢や景気の状況を参考に通貨量を自己の責任で判断し、紙幣を自由に発行できます。


銀行の銀行

日本銀行が預金を受け入れ、お金を貸し付けるのは、日本銀行法の定めに基づいて指定された銀行などの金融機関だけです。企業や個人が日本銀行に口座を持つことはありません。
また、民間の銀行は日本銀行の当座預金を使って銀行間の取引の決済を行います。

民間の銀行が企業や個人を相手におこなっている業務を、日本銀行は民間の銀行を相手におこなっているので、日本銀行は「銀行の銀行」と呼ばれます。

公定歩合・政策金利

日本銀行が民間銀行などの金融機関に資金を貸し付けるときの貸し出し金利を「公定歩合」といいます。かつては、日本銀行の金融政策の柱として重要な役割を果たしていました。
しかし、日本銀行は、現在、公定歩合の語の使用をやめて、公定歩合のことを「基準となるべき割引率」(基準割引率)と「基準となるべき貸付利率」(基準貸付利率)といいかえています。

1994年の金利自由化以前は公定歩合と民間銀行の預金金利が連動していたので、日本銀行がおこなう金融政策の政策金利として公定歩合には重要な意味がありました。
現在の日銀の政策金利としての誘導目標は、コールレートと呼ばれる短期金利にかわっています。


政府の銀行

日本銀行は、政府の預金を預かり、税金などの国庫金の保管と出納をおこない、国債の発行を管理し、外国為替に関する事務をおこなうので、「政府の銀行」ともいわれます。

国税や社会保険料などとして受け入れる国庫金を「歳入金」、公共事業費や年金などとして支払われる国庫金は「歳出金」といい、日本銀行が管理しています。


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