景気変動

好景気と不景気が交互に繰り返されることを景気変動といいます。


好景気…生産増・収入増・起業・通貨流通増・インフレーション

好景気のときは将来に対する安心感があり、お金を使って生活を豊かにしようという気分が社会に生まれます。

商品に対する需要が増大し、消費欲が生まれ、商品の生産額も増大します。
企業の雇用は増え、企業に雇われている従業員の給料は上がり、資本を投じて起業を試みる人も増えます。

社会を流通するお金(通貨)の量も増えていきます。

ものを買いたいという意欲が強いので、商品の値段は上昇します(インフレーション)。


不景気…生産減・収入減・倒産・通貨量減少・デフレーション

不景気のときは将来に対する不安が広がり、お金を節約しようという気分が社会に生まれます。

商品に対する需要は減少し、消費欲は衰え、商品の生産額も減少します。
企業は従業員を減らそうとし、従業員の給料は下がり、企業の倒産が増えます。

社会を流通するお金(通貨)の量は減っていきます。

ものを売ろうとしても買おうとする人が少ないので、商品の値段は下降します(デフレーション)


景気対策

不景気の対策

社会を構成するみんなの立場からすると、好景気のほうが望ましいことは言うまでもありません。
そこで、不景気のときには、なんとか好景気に向かうように国はいろいろな対策をとります。
これが「景気対策」です。

不景気を打開し、好景気を作り出すための政策が景気対策です。


財政政策+金融政策

景気対策は、政府がおこなう財政政策と、日本銀行がおこなう金融政策に分かれます。

どちらも、国の政策で、好景気の状態を人為的に作り出そうとするものです。

ところで、好景気の特徴を一言でいうと、「社会を流通するお金(通貨)が増えている状況」が好景気です。

そこで、財政政策も金融政策も、「社会を流通するお金(通貨)を増やす」ことが目標になります。


政府がおこなう財政政策

政府のおこなう財政政策としてどの教科書もふれているのは、(1)公共投資を増やす、(2)減税、の2つです。

どちらも、国の政策で、社会を流通するお金(通貨)の量を増やし、それによって好景気を作り出そうとする政策です。


公共投資

国の予算を使って、道路や空港・港湾などの公共設備、公共施設の建設を積極的に進めるのが公共投資です。

建設業が盛んになり、建設に使われる鉄鋼やセメントなどの商品の生産が増大し、いろいろな産業に波及して国内総生産(GDP)が拡大します。
関連産業の設備投資が活発になり、雇用も増え、失業率は低下し、給料も上がります。


減税


企業にかかる法人税を減税すると、企業はそのお金を設備投資や新製品の開発に向けることができるので、積極的にお金を使うことができます。

個人にかかる所得税を減税すると、個人はそのお金を消費や商品の購入にまわすことができます。


問題点

公共投資には国の予算を使います。
ところが、減税は国に入ってくる歳入の減少を招きます。
最近のように不景気が長期化すると、政府が使うことのできる財源が不足し、国の借金である国債の発行額が際限なく増大し続けることになってしまいます。


日本銀行がおこなう金融政策

日本銀行がおこなう金融政策は、(1)公定歩合の操作(不景気のときは公定歩合の引き下げ)、(2)公開市場操作(不景気のときは国債・手形などの買取(買いオペレーション))、(3)預金準備率の操作(不景気のときは預金準備率の引き下げ)、の3つです。


公定歩合

日本銀行が、市中銀行(都市銀行・地方銀行など)に貸付けをおこなうときの貸出金利を公定歩合といいます。政策金利といわれるものの1つです。

公定歩合が下がると、日本銀行から資金を借りる市中銀行の資金調達コストが下がります。
銀行が企業や個人に貸し出すときの利率も下がるので、個人や企業は銀行から安い利率で資金を借りて積極的に設備投資や住宅の購入などの消費にまわすことができます。
こうして、社会を流通するお金(通貨)の量が増大し、好景気に向かわせることができます。

ところで、かつては公定歩合と市中銀行の貸出し利率とが連動していましたが、1994年の金利自由化以後、日本銀行は、無担保コールレートと呼ばれる短期金利を政策金利の中心にしており、公定歩合の重要性は低下しています。

ちなみに、日本銀行は2010年8月現在、無担保コールレートの調節方針を0.1%に設定しており、基準貸付利率(従来の公定歩合)は2008年8月以降、0.3%のままにすえおかれています。


公開市場操作

日本銀行が、金融市場で国債手形の売買を行い、社会に流通するお金(通貨)の量を調節するのが公開市場操作です。

不景気のとき、日本銀行は国債や手形などの有価証券を購入します(これを買いオペレーションといいます)。
その結果、日本銀行から社会にお金(通貨)が流れ出ることになり、金融機関から企業や個人への貸出しにまわる資金も増えて、生産や消費にお金が使われるようになります。


預金準備率

金融機関は、いつでも払戻しに応じることができるように、一定量の資金を日本銀行に預けておかないといけません。
これを預金準備金といい、日本銀行に預けないといけない比率を預金準備率といいます。

不景気のとき、日本銀行は預金準備率を下げます。
それによって、日本銀行に預けておかないといけないお金の割合が減少し、民間の金融機関が利用できる資金の量は増えます。それを企業や個人が借りることで、社会を流通するお金(通貨)の量が増えることになります。



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