英作文は、英語学習のゴールです。
英単語の語彙、よく出る連語、英文法のすべてを習得しても、それだけではまともな英文は書けません。
子どもたちのもっともできの悪いのが英作文です。

英作文練習用のテキストもあまたありますが、すべて共通の欠点をかかえています。be動詞、一般動詞から始まって、英文法の単元ごとに重要文がただ漫然と出題されているだけで、模範解答のような英文が書けなかったら模範解答の英文を暗記せよという本ばかりです。
どういう頭の使い方をしたら英文を書けるようになるのかを教えてくれる本は1冊もないのです。

以前から、どんな問題が出ようが、1つの確固とした方針で英作文に取り組めば、誰でもそれなりの英文が書けるようになるという方法はないものかと思っていました。

この稿は、英作文の答案を書くときの、頭の使い方を考察する試みです。


中学英語で習う単元

中学生向けの英語のテキストは、ほぼ共通の章立てでできています。
今、私の手元にある『中学英語実力完成テキスト』の目次は次のようになっています。

1、be動詞
2、一般動詞
3、進行形
4、名詞・冠詞
5、代名詞
6、未来形
7、助動詞
8、命令文
9、形容詞・副詞
10、比較
11、疑問詞
12、接続詞
13、不定詞
14、動名詞
15、文型
16、前置詞
17、現在完了形
18、受け身
19、分詞
20、付加疑問文・間接疑問文
21、関係代名詞

このテキストだけでなく、どの英語の参考書、問題集もほぼ同様です。
高校生向けの総合英語、英文法のテキストも、これに話法や仮定法が加わるだけで、ほぼ章立ては一緒です。

しかし、英作文に限っていうと、この章立てには何の意味もありません。
英文を書くときの頭の使い方と上記の目次に、何の関連もないからです。


では、英作文の答案を書くとき、実際にはどんな頭の使い方をしているのでしょうか?

英作文をするときの頭の使い方

次のような問題が出たとします。

例題1:
「彼女はテニス部の一員です。」を英語になおしなさい。


おそらく、正しい頭の使い方は、

1、be動詞の文か、一般動詞の文か。
2、日本語を素直に読むと、この問題はbe動詞を使うほうがよいいだろう。
3、「彼女は〜です」だから、She is 〜の文(いわゆる第2文型)の英文になりそうだ。
4、そうすると、be動詞のあとは、連語のa member of〜でいこう。
5、冠詞のtheを忘れないようにして、She is a member of the tennis club.になるのではなかろうか。

だと思われます。

例題2:
「かさを買いにデパートに行ってきたところです。」を英語になおしなさい。


少し複雑になったので、頭の使い方は、

1、「行った」だから、一般動詞のgoで書こう。
2、「行ってきたところです」とあるから、これは現在完了形にしないといけない。
3、現在完了形で、「行ってきたところだ」だと完了の意味だから、ここはgoを使うhave goneではなくて、have beenだ!
4、「かさを買いに」は、「かさを買うために」、つまり、出題者は不定詞の副詞的用法を要求している。to buy〜にしよう。
5、最後に、主語のIから初めて、デパートはthe department storeで、かさはan umbrellaだから、冠詞に注意して、I have been to the department store to buy an umbrella.

このようになるはずです。

いずれにしても、英作文をするときの頭の使い方は、

1、be動詞の文か一般動詞の文か、文型もふくめて、文の基本構造を決定する。
その際、主語、目的語、補語をどうするか、名詞代名詞冠詞形容詞副詞を考慮しないといけない。

2、現在完了受け身進行形未来助動詞を使った文など、特殊な文であるかどうかの検討をする。

3、文章が複雑になると、修飾部分として、簡単な単語ではなくて単語の集合体であるが必要になるので、不定詞動名詞前置詞分詞などを考慮しないといけない。

4、さらに2つの結合した文だと、接続詞関係代名詞が必要になってくる。

の、少なくとも4段階をふむのではないかと思われます。


以上の考察が正しいとすると、英作文に関しては、中学英語の単元を英作文向けに再構成しないといけません。

中学英語の単元を英作文向けに再構成する

1、文の基本構造にかんするもの
文型
be動詞
一般動詞
名詞
代名詞
冠詞
形容詞
副詞

2、特殊な文をつくるもの
進行形
未来
助動詞
命令文
現在完了
受け身
疑問詞

3、修飾句をつくり、洗練された文にするためのもの
不定詞
分詞
動名詞
前置詞

4、複数の文を結合した文をつくるためのもの
接続詞
関係代名詞
比較
間接疑問・付加疑問

さらに、実際の入試問題では、どの場面でも5、連語がからんできます。


まとめ

英作文の答案を書くときの思考法をまとめます。

1、文の基本構造の決定
文型とbe動詞一般動詞かを決める。
このとき、時制と、肯定文否定文疑問文の検討も必要。
また、名詞代名詞冠詞形容詞副詞に留意する。

2、特別な文かどうかの検討
進行形か、未来か、助動詞を使う文か、命令文か、現在完了か、受け身か、疑問詞を使う文かを考える。

3、修飾句の決定
不定詞分詞動名詞前置詞をどうからめるのかを考える。

4、節(複数の文)のとき
接続詞関係代名詞間接疑問の活用を考える。
比較もこのグループに入る。

5、連語の検討
入試英作文では、連語を使って書く英文が非常に多い。


次稿から、以上の5段階を念頭において、実際の入試英作文の問題をどう解いていくかを考察します。




英作文の問題演習シリーズ

英作文の問題演習(1) 英作文を考えるプロセスと中学英語の単元
英作文の問題演習(2) 入試英作文の基本問題
英作文の問題演習(3) 入試英作文の標準問題(その1)
英作文の問題演習(4) 入試英作文の標準問題(その2)
英作文の問題演習(5) 入試英作文の発展問題(その1)
英作文の問題演習(6) 入試英作文の発展問題(その2)



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