戦いをするとき、2つの敵を同時に相手にするのは大変です。敵の1つは戦いの場から離れてもらって、残った1つに集中できたら相当戦いやすくなります。
算数でも同じです。
2つのものの数量があるとき、1つを考える対象から消去して、残った1つで考えるのが消去算です。
基本問題:
みかん10個とかき3個を買うと790円で、みかん5個とかき2個を買うと480円です。みかん1個の値段はいくらですか。
問題文の内容をわかりやすい形に書き出してから考えます。
みかんとかき、両方の個数がちがっているので比べられません。
そこで、公倍数の考え方をもちいて、どちらか、または両方を何倍かして、みかんかかきのどちらかの個数を同じ個数にそろえます。
みかんの個数を10と5の公倍数10個にそろえてもかまいませんし、かきの個数を3と2の公倍数6個にそろえてもかまいません。
この問題だと、みかんを10個に合わせるほうが計算の回数が少なくてすみそうです。
別の場所に書かないで、最初に書きだしたものをそのまま活用したほうが簡便です。

みかん5個とかき2個で480円のところをすべて2倍にして、みかん10個とかき4個で960円と書き直します。
書き直したものと、もとからある「みかん10個とかき3個で790円」の部分とを比較すると、みかんの数は同じで、かきだけが4−3=1個ちがって、代金は960−790=170円ちがっていることがわかります。
だから、かき1個の値段は170円。
かき1個の代金がわかったので、790円からかき3個の170×3=510円をひいてみかんの個数10でわったらみかんの値段がわかります。
(790−170×3)÷10=28円。
かき1個の値段は28円です。
みかんの個数を10個にそろえることで、みかんを考える対象からはずして、かきだけで考えられるようにしてから解くのが消去算です。
最近は次のタイプの問題もよく出題されます。
例題1:
ノート5冊と消しゴム24個の値段の和は1950円で、消しゴム8個の値段はノート3冊の値段より50円安いそうです。ノート1冊と消しゴム1個の値段はそれぞれいくらですか。
2つを相手に戦うのは不利だから、1つを考える対象からはずして残った1つとだけ戦うのが消去算です。
この問題だと、もとからある消しゴム24個が、ノート3冊より50円安い消しゴム8個の倍数になっていることに気がつかないといけません。
「消しゴム8個の値段はノート3冊の値段より50円安い」ということは、すべてを3倍にして、「消しゴム24個の値段はノート9冊の値段より150円安い」ということです。
それに気づいたら、「ノート5冊と消しゴム24個の値段の和は1950円」の部分を「ノート5冊と、ノート9冊−150円で1950円」と読みかえることができます。
ノート5+9=14冊
から150円ひいた値段が1950円だからノート14冊は1950+150=2100円。
ノート1冊の値段は、2100÷14=150円。
消しゴム1個の値段は、「ノート5冊と消しゴム24個の値段の和は1950円」より、(1950−150×5)÷24=50円。
同じように考える問題をもう1問。
例題2:
りんご528個を大きい箱と小さい箱に分けてつめたら、ちょうど大きい箱6つと小さい箱8つができました。大きい箱1つと小さい箱1つに入ったりんごの数の差は18個です。
大きい箱1つには何個のりんごが入りますか。
大きい箱×6+小さい箱×8=528
大きい箱=小さい箱+りんご18個
これが問題に書いてあって条件です。
「大きい箱=小さい箱+りんご18個」より、それぞれを6倍すると「大きい箱6つ=小さい箱6つ+りんご18×6の108個」。
「大きい箱×6+小さい箱×8=528」に、「大きい箱6つ=小さい箱6つ+りんご18×6の108個」をあてはめると、(小さい箱6つ+りんご108個)+小さい箱8つ=りんご528個。
りんご528個から108個をひいた数が小さい箱6+8=14箱ぶんにあたるから、小さい箱1つに入るりんごの数は(528−108)÷(6+8)=30個。
大きい箱1つに入るりんごの数は30+18=48個。
次の問題は、消去算と他の特殊算を組み合わせて作られた発展問題です。
例題3:
動物園に入園するのに、大人2人と子ども3人では2600円かかり、大人3人と子ども2人では2900円かかります。ある日の入園者は1140人で、入園料の合計は573000円でした。この日の子どもの入園者は何人ですか。
まず、ならべて書き出して、公倍数を利用して解いていきます。

上の式のそれぞれの数字を3倍、下の式のそれぞれの数字を2倍して、大人の数をどちらも6人にすると、大人を無視して子どもだけを比べることができます。

子ども5人のちがいは7800−5800=2000円。
子ども1人の入園料は2000÷5=400円。
「大人2人と子ども3人では2600円」だったから、大人1人の入園料は(2600−400×3)÷2=700円。
ここまでが消去算。
後半の、「ある日の入園者は1140人で、入園料の合計は573000円でした。この日の子どもの入園者は何人ですか。」は、大人と子どもの人数の合計だけがわかっているときに、それぞれ何人かを求めさせる問題だからつるかめ算です。
すべて大人と仮定すると、入園料の合計は700円×1140人=798000円。
実際の入園料とのちがいは798000−573000=225000円。
大人1人を子ども1人と取りかえていくと、1人取りかえるごとに700−400=300円ちがってくるから、225000円を300円でわって、225000÷300=750人。
子どもの人数は750人。
1つの式にすると、(700×1140−57300)÷(700−400)=750人。
この問題のような、特殊算を組み合わせた発展問題はよく出題されます。
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算数でも同じです。
2つのものの数量があるとき、1つを考える対象から消去して、残った1つで考えるのが消去算です。
基本問題:
みかん10個とかき3個を買うと790円で、みかん5個とかき2個を買うと480円です。みかん1個の値段はいくらですか。
問題文の内容をわかりやすい形に書き出してから考えます。

そこで、公倍数の考え方をもちいて、どちらか、または両方を何倍かして、みかんかかきのどちらかの個数を同じ個数にそろえます。
みかんの個数を10と5の公倍数10個にそろえてもかまいませんし、かきの個数を3と2の公倍数6個にそろえてもかまいません。
この問題だと、みかんを10個に合わせるほうが計算の回数が少なくてすみそうです。
別の場所に書かないで、最初に書きだしたものをそのまま活用したほうが簡便です。

みかん5個とかき2個で480円のところをすべて2倍にして、みかん10個とかき4個で960円と書き直します。
書き直したものと、もとからある「みかん10個とかき3個で790円」の部分とを比較すると、みかんの数は同じで、かきだけが4−3=1個ちがって、代金は960−790=170円ちがっていることがわかります。
だから、かき1個の値段は170円。
かき1個の代金がわかったので、790円からかき3個の170×3=510円をひいてみかんの個数10でわったらみかんの値段がわかります。
(790−170×3)÷10=28円。
かき1個の値段は28円です。
みかんの個数を10個にそろえることで、みかんを考える対象からはずして、かきだけで考えられるようにしてから解くのが消去算です。
最近は次のタイプの問題もよく出題されます。
例題1:
ノート5冊と消しゴム24個の値段の和は1950円で、消しゴム8個の値段はノート3冊の値段より50円安いそうです。ノート1冊と消しゴム1個の値段はそれぞれいくらですか。

この問題だと、もとからある消しゴム24個が、ノート3冊より50円安い消しゴム8個の倍数になっていることに気がつかないといけません。
「消しゴム8個の値段はノート3冊の値段より50円安い」ということは、すべてを3倍にして、「消しゴム24個の値段はノート9冊の値段より150円安い」ということです。
それに気づいたら、「ノート5冊と消しゴム24個の値段の和は1950円」の部分を「ノート5冊と、ノート9冊−150円で1950円」と読みかえることができます。
ノート5+9=14冊

ノート1冊の値段は、2100÷14=150円。
消しゴム1個の値段は、「ノート5冊と消しゴム24個の値段の和は1950円」より、(1950−150×5)÷24=50円。
同じように考える問題をもう1問。
例題2:
りんご528個を大きい箱と小さい箱に分けてつめたら、ちょうど大きい箱6つと小さい箱8つができました。大きい箱1つと小さい箱1つに入ったりんごの数の差は18個です。
大きい箱1つには何個のりんごが入りますか。
大きい箱×6+小さい箱×8=528
大きい箱=小さい箱+りんご18個
これが問題に書いてあって条件です。
「大きい箱=小さい箱+りんご18個」より、それぞれを6倍すると「大きい箱6つ=小さい箱6つ+りんご18×6の108個」。
「大きい箱×6+小さい箱×8=528」に、「大きい箱6つ=小さい箱6つ+りんご18×6の108個」をあてはめると、(小さい箱6つ+りんご108個)+小さい箱8つ=りんご528個。
りんご528個から108個をひいた数が小さい箱6+8=14箱ぶんにあたるから、小さい箱1つに入るりんごの数は(528−108)÷(6+8)=30個。
大きい箱1つに入るりんごの数は30+18=48個。
次の問題は、消去算と他の特殊算を組み合わせて作られた発展問題です。
例題3:
動物園に入園するのに、大人2人と子ども3人では2600円かかり、大人3人と子ども2人では2900円かかります。ある日の入園者は1140人で、入園料の合計は573000円でした。この日の子どもの入園者は何人ですか。
まず、ならべて書き出して、公倍数を利用して解いていきます。

上の式のそれぞれの数字を3倍、下の式のそれぞれの数字を2倍して、大人の数をどちらも6人にすると、大人を無視して子どもだけを比べることができます。

子ども5人のちがいは7800−5800=2000円。
子ども1人の入園料は2000÷5=400円。
「大人2人と子ども3人では2600円」だったから、大人1人の入園料は(2600−400×3)÷2=700円。
ここまでが消去算。
後半の、「ある日の入園者は1140人で、入園料の合計は573000円でした。この日の子どもの入園者は何人ですか。」は、大人と子どもの人数の合計だけがわかっているときに、それぞれ何人かを求めさせる問題だからつるかめ算です。
すべて大人と仮定すると、入園料の合計は700円×1140人=798000円。
実際の入園料とのちがいは798000−573000=225000円。
大人1人を子ども1人と取りかえていくと、1人取りかえるごとに700−400=300円ちがってくるから、225000円を300円でわって、225000÷300=750人。
子どもの人数は750人。
1つの式にすると、(700×1140−57300)÷(700−400)=750人。
この問題のような、特殊算を組み合わせた発展問題はよく出題されます。
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頑張りますので、これからも、よろしくお願いします。