理論的に英文を書く試みの実践編(その4)、いよいよ入試問題の中でも発展的な問題を取り上げます。

「5つのポイントにそって思考したら正しい英文が書ける」という理論が、難しい問題にも通用するかどうかを検証します。


英作文の問題を解く際に考慮する5つのポイント

1、文の基本構造を決定
(1)主語の決定
(2)
文型

(3)
be動詞一般動詞
(4)時制
(5)肯定文か否定文か疑問文か

(考慮する文法事項)be動詞・一般動詞・文型・疑問詞

(文のどの部分でも考慮する文法事項)名詞・冠詞・代名詞・動名詞・形容詞・副詞

2、特別な文かどうかを検討
進行形未来助動詞を使う文か命令文現在完了受け身か…

(考慮する文法事項)進行形・未来・助動詞・命令文・現在完了形・受け身・比較

3、修飾句が必要なとき
前置詞不定詞分詞

(考慮する文法事項)前置詞・不定詞・分詞

4、節が必要なとき
接続詞関係代名詞

(考慮する文法事項)接続詞・関係代名詞・間接疑問文・付加疑問文

5、連語に注意
使う連語は何か


問題1、将来、地球上には人々が多すぎて食べ物が十分でなくなるでしょう。

(基本構造)「人々が多く『いる』」、「食べ物が充分には『ない』」の語から、there is(are)〜の文で書くことにします。
(特別な文)「将来」とあるので、未来を表す文です。
(修飾句)「将来」、「地球上には」が、副詞句として必要です。
(節)「人々が多すぎる」、「食べ物が十分にはない」の2つの文で構成します。
(連語)「将来」はin the futureです。

(解答)There will be too many people on the earth in the future and there won't be enough food for them.


問題2、雨が激しかったので、私たちは家にいなければならなかった。

(基本構造)「雨が激しかった」は天候を表すIt rained〜で、「私たちは〜ならなかった」はwe must〜の過去形で書こうと決めます。
(特別な文)「〜ならなかった」は現在形であればmustですが、この問題では過去形なのでmustの過去形のhad toを使うことにします。
(修飾句)「家に」が副詞句です。
(節)2つの文を、接続詞as(〜なので)つなぐことにします。
(連語)「家に」はat homeです。

(解答)As it rained hard, we had to stay at home.

文頭は、As以外に、Becauseでもよいと思います。


問題3、彼は必ずしも夜遅くまで働いているわけではありません。

(基本構造)「必ずしも〜ではない」は「いつも〜しているのではない」と言い換えないと英文を思いつけません。「彼は夜遅くまでいつも働いてはいない」と考えて、He doesn't workと、not alwaysを組み合わせると正しい英文になりそうです。
(特別な文)特別な文ではありません。
(修飾句)「夜遅くまで」はtill late at nightでしょうか。
(節)必要ありません。
(連語)「夜に」at nightが、連語と言えないこともありません。

(解答)He doesn't always work till late at night.

この問題のポイントはnot alwaysで、「いつも〜しているわけではない」、部分否定といわれるものです。notが文全体を否定しないで、alwaysだけを否定し、「いつも〜ではない」と訳します。
頻度を表す副詞alwaysの位置(be動詞の後、一般動詞の前)にも注意です。


問題4、彼女ほど一生懸命テニスの練習をするものはいないのに、その腕はせいぜい初心者(beginner)よりもましな程度だ。

(基本構造)英文を書きやすいように、問題文を直訳調に書き直す必要があります。「彼女ほど一生懸命テニスの練習をするものはいない」→「誰も彼女ほど一生懸命にテニスの練習をしない」、「その腕はせいぜい初心者(beginner)よりもましな程度だ」→「彼女はせいぜい初心者より少しテニスが上手だ」。
前半をno one practice tennisと書き始めて比較級をもちい、後半をshe plays tennisと書き進めて初心者と比較します。
(特別な文)2つの文をともに比較の文にします。
(修飾句)「せいぜい」をどう表すかを考えないといけません。
(節)「〜なのに」とあるので、前の文に接続詞のthough〜を使う必要があります。
(連語)「せいぜい」はat mostです。

(解答)Though no one practiced tennis harder than she, she plays tennis a little better than beginners at most.

私は上記のように考えましたが、模範解答はNo one practiced tennis harder than her, but she plays tennis a little better than a beginner.でした。
than sheとthan herはどちらでもよいはずです(もともとはthan sheが正しい用法であったが、最近はthan herとする人のほうが多いという説明を読んだ覚えがあります。)
though〜と、〜, butもどちらも正解のはずです。
beginnersとa beginnerは、私は「多くの初心者一般と比較して」と考えて複数形にしましたが、テニスの腕前は特定の初心者としか比較できないと考えてa biginnerのほうがよいのかもしれません。
最後に、私は「せいぜい」にあたる連語at mostを使いましたが、模範解答にat mostはありません。この場合、特別にat mostを使えない理由があるのかもしれませんが、私は使ったほうが問題文に忠実ではないかと考えます。


問題5、その旅は、人々や文化を知る機会を与えてくれるでしょう。

(基本構造)「その旅は」+「与える」+(問題文にないが)「あなたに」+「機会を」の第4文型となる英文です。
(特別な文)「〜でしょう」という語句から未来の文です。
(修飾句)「機会」を、後ろから不定詞を使って「人々や文化を知る」が修飾します。
(節)必要ありません。
(連語)必要ありません。

(解答)The trip will give you a chance to learn about people and their culture.

問題文の「知る」はknowよりlearnのほうが適切です。aboutや、their cultureのtheirを落としがちです。


問題6、私は食べ過ぎると気分が悪くなります。

この問題も、英語らしい文を書こうと思ったら、文型を意識して問題文を言い換える必要があります。「食べ過ぎることは私を気分悪くする」と構成しなおすと、「食べ過ぎることは」+「する」+「わたしを」+「気分悪く」の第5文型の文が書けそうです。

(基本構造)主語は動名詞(または不定詞)で、「〜を・・・にする」の意味の動詞makeを使います。
(特別な文)特別な文ではありません。
(修飾句)主語が長くなります。
(節)必要ありません。
(連語)ありません。

(解答)Eating too much makes me sick.


問題7、この箱はまもなく弟に見つかってしまうかもしれません。

(基本構造)文の基本骨格は、「この箱は弟に見つけられる」の文です。
(特別な文)受け身の文であり、「かもしれない」とあるので助動詞may(〜かもしれない)を使います。
(修飾句)必要ありません。
(節)1つの文です。
(連語)必要ありません。

(解答)This box may be found by my brother soon.


問題8、僕は北海道生まれの北海道育ちで、スキーは得意です。

(基本構造)「僕は北海道で生まれた」、「北海道で育った」、「スキーが得意だ」の3つの文が必要です。
(特別な文)英語では、「生まれた」「育った」は受け身です。
(修飾句)「北海道で」以外は必要ありません。
(節)3つの文をどうつなぐか、考えないといけません。
(連語)「生まれる」be born、「育てられる」be brought up、「得意だ」be good at。

(解答)I was born and brought up in Hokkaido, so I'm good at ski.


問題9、お久しぶりですね。

(基本構造)原文のままではどう書いたらよいか悩みます。「お久しぶりですね」=「あなたに長い間あっていませんね」と言い直すと、現在完了の否定文+付加疑問文で書けそうだと見当がつきます。
(特別な文)現在完了形+付加疑問文です。
(修飾句)副詞句「長い間」が必要です。
(節)1個の文です。
(連語)「長い間」はfor a long time。

(解答)I haven't seen you for a long time, have I?

模範解答は、We haven't seen each other for a long time.でした。慣用表現として決まった言い方をするのかもしれません。そうだとすると、私の解答は不正解だということになります。


問題10、インターネットの発達によって、地球はずっと狭くなりました。

(基本構造)「インターネットの発達が地球を狭くしたきた」と考えて、「〜を・・・にする」の第5文型、現在完了の継続用法、「ずっと狭く」で比較を使います。
(特別な文)現在完了形と比較をもちいます。
(修飾句)「発達」the developmentを前置詞ofを使って「インターネットの」と後ろから修飾します。また、比較級を「ずっと」と強調するときはmuchを使います。
(節)必要ありません。
(連語)不要です。

(解答)The development of the Internet has made the earth much smaller.

「インターネット」はthe Internetであり、語の最初は大文字です。


問題11、私の父は、9月に仕事帰りに事故にあって、それ以来ずっと入院しています。

(基本構造)「事故にあった」ですが、英語だとhaveをもちい、人に会うように「事故に会う」とは考えません。「事故にあった」は一般動詞の過去形、「ずっと入院している」は現在完了形です。
(特別な文)後半が現在完了形です。
(修飾句)「仕事帰りに」を「仕事から帰る途中に」と考えると、on his wayを使うことになります。
(節)2個の文ですが、「仕事帰りに」を接続詞whenを使って「仕事から帰っているときに」とすると3個の文になります。
(連語)「途中で」は、on his wayかon the wayです。

(解答)My father had an accident on his way home from his work in September, and he has been in the hospital since then.


ここまで、何とかたどり着くことができました。
「5つのポイントにそって思考したら正しい英文が書ける」という理論に、今のところ、破綻はないようです(間接疑問文、付加疑問文は『節』ではなくて『特別な文』に入れたほうがよいような気はしていますが)。

発展問題の後半は、『英作文の問題演習(6) 入試英作文の発展問題(その2)』に続きます。



英作文の問題演習シリーズ

英作文の問題演習(1) 英作文を考えるプロセスと中学英語の単元
英作文の問題演習(2) 入試英作文の基本問題
英作文の問題演習(3) 入試英作文の標準問題(その1)
英作文の問題演習(4) 入試英作文の標準問題(その2)
英作文の問題演習(5) 入試英作文の発展問題(その1)
英作文の問題演習(6) 入試英作文の発展問題(その2)


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