「問題文の最後から順に前にもどって解く」のが還元算です。
相当算の1種ですが、「あとから前にもどって解く」のが特徴です。
1、問題文にそって、解きやすいように工夫して図をかく。
2、気がつけば簡単になるヒントが問題文の最後にあるのでそれを見つける。
この2つで還元算は解けます。
基本問題:
みかんをA、B、Cの3人で分けました。はじめAは全体の25%と5個をとり、次にBは残りの6割より6個少なくとり、最後にCは残りの50%と8個をとったら、9個残りました。はじめみかんは何個ありましたか。
25%→0.25や6割→0.6などの割合と、5個、6個、8個などの実際の数量とが見た目で区別できるような図をかきます。
割合のほうを丸で囲むなどしたら区別しやすくなります。
問題文の最後、「最後にCは残りの50%と8個をとったら、9個残りました。」に、簡単になるヒントが隠されているのでそこに注目します。
「残りの50%と8個をとったら、9個残った」ということは、「8個と9個が、50%とったあとの残りの50%だった」ということです。
それにさえ気づけば簡単に解くことができます。
8個と9個の和の17個が「残りの50%」ですから、Bがとったあと残っていたのは17÷0.5=34個です(半分の50%が17個だからBがとったあと残っていたのは17×2=34個と考えてもかまいません)。
次に、「Bは残りの6割より6個少なくとり」の部分を同じように考えます。
Bがあと6個とったら、そこがAが採ったあと残ったものの6割だったわけです。ということは、34個から6個ひいたものが、Aがとったあとの残りの4割です。
(34−6)÷0.4=70個。
これが最初にAがとったあとの残りです。
最後に、「Aは全体の25%と5個」だったので、70個に5個を加えた75個が、最初のみかんの75%だとわかります。
最初にあったみかんは、75÷0.75=100個。
答えは100個です。
このように、問題文の最後の部分にかくされているヒントに気づけば、そこから前の段階へ、前の段階へと順にもどることで案外簡単に解けてしまうのが還元算です。
例題1:
A君は通学に、いつも自転車、電車、バスを利用し、残りは歩きます。その割合は、全通学時間の1/5と3分間は自転車で、残りの時間の2/7と15分間は電車で、あとの1/4と10分間はバスで、最後の5分間は歩きます。A君が午前7時に家を出ると、学校には午前何時何分に着きますか。
まず、丁寧に図をかきます。
問題文最後の、バスと歩いた部分に大きなヒントが隠れていますからしっかりとながめて考えます。
最後に残った部分の1/4と10分バスに乗ると、あるいた部分が5分であったということは、10分+5分=15分が3/4だったということです。
15÷3/4=15×4/3=20分。
次に、電車が2/7と15分間だったので、20分+15分=35分が1−2/7=5/7だったわけです。
35÷5/7=35×7/5=49分。
最後に、「全通学時間の1/5と3分間は自転車」から、自転車以外の49分に3分を加えた52分が全体の4/5とわかります。
(49+3)÷4/5=52×5/4=65分。
通学にかかる時間の全体は65分です。
「午前7時に家を出ると、学校には午前何時何分に着きますか」とあるので、答えは午前8時5分。
次に、やや難しい問題をながめてみましょう。
例題2:
ある本を、1日目に全体の半分より10ページ多く読み、2日目に残りの1/3より20ページ多く読みましたが、まだ、全体の1/7残っていました。
この本は全体で何ページありますか。
還元算は相当算の1種ですが、問題の最後にヒントがあり、ヒントに気づけばそこから逆にたどることで解ける問題群です。
ところがこの問題では、最後に残った1/7は割合なので、今までの問題のようにヒントにはなりません。
図をながめると、2日目の「残りの1/3」だけが「全体」をもとにした割合ではなくて「残り」に対する割合であることに気づきます。
そこで、相当算のコツである、「基準にする量を1つに統一する」を使います。「残り」に対する割合ではなくて、「全体」に対する割合に統一します。
「残りの1/3」とありますが、1日目に読んだあとに残っているのは「全体の1/2−10ページ」ですから、「残りの1/3」とは「全体の1/2−10ページ」の1/3だということです。
分配総則を使って「全体の1/2−10ページ」×1/3を計算すると、1/2×1/3−10×1/3=1/6−10/3ページ。
これで、数量の(10−10/3+20)ページが、全体の(1−1/2−1/6−1/7)にあたる割合であることを見つけることができました。
(10−10/3+20)÷(1−1/2−1/6−1/7)=80/3÷8/42=80/3×42/8=140ページ。
本のページ数は140ページです。
この問題などは、還元算というよりは純粋な相当算ととらえたほうがよいのかもしれません。
次のような問題も還元算なので、あとの結果から順に前にもどって考えます。
例題3:
バスが何人かの乗客を乗せて出発しました。最初の停留所で乗客の1/3が降りて5人が乗りました。2番目の停留所で乗客の1/5が降りて4人が乗りました。3番目の停留所では乗客の1/2が降りて3人が乗りました。終点で乗客15人全員が降りました。出発したとき、乗客は何人でしたか。
やはり、あとの結果のほうから図をかいていくのがポイントです。
3番目の停留所で、乗客の1/2が降りて3人乗り、それが15人だったので、15−3=12人が1/2、つまり、3番目の停留所に着く前のバスの乗客は、(15−3)÷1/2=24人です。
1つ前にもどります。
2番目の停留所では乗客の1/5が降りて4人乗り、乗客数は24人でした。
24人−4人=20人が4/5にあたるので、2番目の停留所で降りる前の乗客の数は、(24−4)÷4/5=25人です。
さらにもどります。
最初の停留所で、乗客の1/3が降りて5人が乗り、乗客数は25人でした。
25人−5人=20人が最初に乗っていた乗客の2/3にあたるので、最初の乗客は(25−5)÷2/3=30人です。
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相当算の1種ですが、「あとから前にもどって解く」のが特徴です。
1、問題文にそって、解きやすいように工夫して図をかく。
2、気がつけば簡単になるヒントが問題文の最後にあるのでそれを見つける。
この2つで還元算は解けます。
基本問題:
みかんをA、B、Cの3人で分けました。はじめAは全体の25%と5個をとり、次にBは残りの6割より6個少なくとり、最後にCは残りの50%と8個をとったら、9個残りました。はじめみかんは何個ありましたか。
25%→0.25や6割→0.6などの割合と、5個、6個、8個などの実際の数量とが見た目で区別できるような図をかきます。
割合のほうを丸で囲むなどしたら区別しやすくなります。
問題文の最後、「最後にCは残りの50%と8個をとったら、9個残りました。」に、簡単になるヒントが隠されているのでそこに注目します。
「残りの50%と8個をとったら、9個残った」ということは、「8個と9個が、50%とったあとの残りの50%だった」ということです。
それにさえ気づけば簡単に解くことができます。
8個と9個の和の17個が「残りの50%」ですから、Bがとったあと残っていたのは17÷0.5=34個です(半分の50%が17個だからBがとったあと残っていたのは17×2=34個と考えてもかまいません)。
次に、「Bは残りの6割より6個少なくとり」の部分を同じように考えます。
Bがあと6個とったら、そこがAが採ったあと残ったものの6割だったわけです。ということは、34個から6個ひいたものが、Aがとったあとの残りの4割です。
(34−6)÷0.4=70個。
これが最初にAがとったあとの残りです。
最後に、「Aは全体の25%と5個」だったので、70個に5個を加えた75個が、最初のみかんの75%だとわかります。
最初にあったみかんは、75÷0.75=100個。
答えは100個です。
このように、問題文の最後の部分にかくされているヒントに気づけば、そこから前の段階へ、前の段階へと順にもどることで案外簡単に解けてしまうのが還元算です。
例題1:
A君は通学に、いつも自転車、電車、バスを利用し、残りは歩きます。その割合は、全通学時間の1/5と3分間は自転車で、残りの時間の2/7と15分間は電車で、あとの1/4と10分間はバスで、最後の5分間は歩きます。A君が午前7時に家を出ると、学校には午前何時何分に着きますか。
まず、丁寧に図をかきます。
問題文最後の、バスと歩いた部分に大きなヒントが隠れていますからしっかりとながめて考えます。
最後に残った部分の1/4と10分バスに乗ると、あるいた部分が5分であったということは、10分+5分=15分が3/4だったということです。
15÷3/4=15×4/3=20分。
次に、電車が2/7と15分間だったので、20分+15分=35分が1−2/7=5/7だったわけです。
35÷5/7=35×7/5=49分。
最後に、「全通学時間の1/5と3分間は自転車」から、自転車以外の49分に3分を加えた52分が全体の4/5とわかります。
(49+3)÷4/5=52×5/4=65分。
通学にかかる時間の全体は65分です。
「午前7時に家を出ると、学校には午前何時何分に着きますか」とあるので、答えは午前8時5分。
次に、やや難しい問題をながめてみましょう。
例題2:
ある本を、1日目に全体の半分より10ページ多く読み、2日目に残りの1/3より20ページ多く読みましたが、まだ、全体の1/7残っていました。
この本は全体で何ページありますか。
還元算は相当算の1種ですが、問題の最後にヒントがあり、ヒントに気づけばそこから逆にたどることで解ける問題群です。
ところがこの問題では、最後に残った1/7は割合なので、今までの問題のようにヒントにはなりません。
図をながめると、2日目の「残りの1/3」だけが「全体」をもとにした割合ではなくて「残り」に対する割合であることに気づきます。
そこで、相当算のコツである、「基準にする量を1つに統一する」を使います。「残り」に対する割合ではなくて、「全体」に対する割合に統一します。
「残りの1/3」とありますが、1日目に読んだあとに残っているのは「全体の1/2−10ページ」ですから、「残りの1/3」とは「全体の1/2−10ページ」の1/3だということです。
分配総則を使って「全体の1/2−10ページ」×1/3を計算すると、1/2×1/3−10×1/3=1/6−10/3ページ。
これで、数量の(10−10/3+20)ページが、全体の(1−1/2−1/6−1/7)にあたる割合であることを見つけることができました。
(10−10/3+20)÷(1−1/2−1/6−1/7)=80/3÷8/42=80/3×42/8=140ページ。
本のページ数は140ページです。
この問題などは、還元算というよりは純粋な相当算ととらえたほうがよいのかもしれません。
次のような問題も還元算なので、あとの結果から順に前にもどって考えます。
例題3:
バスが何人かの乗客を乗せて出発しました。最初の停留所で乗客の1/3が降りて5人が乗りました。2番目の停留所で乗客の1/5が降りて4人が乗りました。3番目の停留所では乗客の1/2が降りて3人が乗りました。終点で乗客15人全員が降りました。出発したとき、乗客は何人でしたか。
やはり、あとの結果のほうから図をかいていくのがポイントです。
3番目の停留所で、乗客の1/2が降りて3人乗り、それが15人だったので、15−3=12人が1/2、つまり、3番目の停留所に着く前のバスの乗客は、(15−3)÷1/2=24人です。
1つ前にもどります。
2番目の停留所では乗客の1/5が降りて4人乗り、乗客数は24人でした。
24人−4人=20人が4/5にあたるので、2番目の停留所で降りる前の乗客の数は、(24−4)÷4/5=25人です。
さらにもどります。
最初の停留所で、乗客の1/3が降りて5人が乗り、乗客数は25人でした。
25人−5人=20人が最初に乗っていた乗客の2/3にあたるので、最初の乗客は(25−5)÷2/3=30人です。
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