文章題の中で、小学生にどう教えたらよいのか私自身今まで自信がなかったのがニュートン算です。
なかなか「これで解ける」という方策を見つけ出せないままできました。

昨日の小6の授業中に、やっと「これですべてのニュートン算が無理なく解けるのとちがうかな」というものを見つけ出せたような気がしたので、今日はニュートン算についてまとめてみます。


ニュートン算とは

科学者ニュートンが考案した問題なのでニュートン算とよばれます。

ニュートン算の例:
牧場に牧草が500生えています。1頭の牛を放すと25日後にすべての牧草を食べてしまいます。2頭の牛だと10日で牧草は食べられてなくなります。毎日同じ量の牧草が生え、牛1頭が1日に食べる量も決まっているとして、次の問いに答えなさい。
(1)毎日どれだけの量の牧草が生えますか。
(2)牛を4頭放すと、何日で牧草はなくなりますか。


ニュートン算がむずかしいのは、毎日牛が牧草を食べて減るだけでなく、その間に牧草が生え続けるからです。

2つの数がからむのでむずかしいことを逆手(さかて)にとって、この2つのものを求めたらなんとかなるのではないかと発想を転換します。

1日に生える牧草の量を○、1日に1頭の牛が食べる量を□と決めてしまいます。

牧草が500生えていて、1頭の牛を放すと25日後にすべての牧草を食べてしまう。」ので、存在する牧草の量は500+○×25、牛が食べる牧草の量は□×25です。
式にすると、500+○×25=□×25・・・(a)

牧草が500生えていて、2頭の牛だと10日で牧草はなくなる。」ので、存在する牧草の量は500+○×10、牛が食べる牧草の量は□×2×10です。
式にすると、500+○×10=□×20・・・(b)

(a)の式と(b)の式をながめると、算数の鉄則『2つのものがあるときは、1つのものだけの式にすれば解ける』が頭にうかんできませんか。

消去算と同じ発想です。

1つのものを無視できるように、1つのものだけ数字をそろえます。

□が無視できるように□の前の数字をそろえます。
(a)の式のそれぞれの部分を4倍して、2000+○×100=□×100
(b)の式のそれぞれの部分を5倍して、2500+○×50=□×100

上の2つの式の右側が一緒になったので、左の式を比較します。
比較すると、2000+○×100と、2500+○×50とが等しいので、○の50個分が500だとわかります。
これで解決。
○×50=500だから、○=10

以上より、「毎日生える牧草の量」は10です。


これで(1)の答えは出ましたが、ついでに「牛1頭が1日に食べる牧草の量」を求めておきましょう。

500+○×25=□×25・・・(a)の式に○=10を当てはめて、500+10×25=□×25
500+250=□×25
750を25でわって、□=30

「牛1頭が1日に食べる牧草の量」は30です。


(2)牛を4頭放すと、何日で牧草はなくなりますか。

牛1頭が1日に食べる牧草の量は30だから、4頭だと1日に食べる量は30×4=120
1日に生える牧草の量は10だから、牛4頭で1日に120−10=110だけ、すでに生えている牧草を食べて減らすことができます。

500÷110=50/11

答えは50/11日後です。


相当算と同じ発想のこのやり方で他のニュートン算の問題も楽に解けるかどうか、試してみます。


例題1:ある商品の売り場に、発売開始のときに420人の行列ができていて、発売開始後も、毎分同じ割合で行列に加わる人がいます。売り場が1か所のときは2時間、2か所のときは40分で行列がなくなりました。1つの売り場では毎分同じ割合で商品が売れ、商品は1人に1個売るとします。
(1)1つの売り場では、1分あたり商品が何個売れますか。
(2)売り場を、はじめは2か所、とちゅうから1か所にしたら、発売開始から1時間で行列がなくなりました。売り場を2か所にして売った時間は何分ですか。


一方で行列に加わる人が増え続け、他方において最初から行列に並んでいる人と増えた人とを売り場の窓口で片づけていくので、ニュートン算です。

(1)
1分間に行列に加わる量を○人、1分間に売り場で売る量を□個とします。

売り場が1か所のときは2時間」で行列がなくなったとあります。
2時間は120分なので、この間に商品を買った人は、420+○×120
また、商品を売った量は□×120
これを式にして、
420+○×120=□×120・・・(ア)

売り場が2か所のときは40分」で行列がなくなりました。
この間に商品を買った人は420+○×40
商品を売った量は□×2×40
式にすると、
420+○×40=□×80・・・(イ)

(ア)と(イ)の式をながめて、どちらか一方の数字をそろえてやります。

□のほうの数字をそろえるとすると、120と80の公倍数である240にしたらよいので、(ア)の式は各数字を2倍して840+○×240=□×240
(イ)の式は各数字を3倍して、1260+○×120=□×240

式の右側が同じになったので左側も等しいから、
840+○×240=1260+○×120
左と右を比較すると、○の240−120=120個分が、1260−840=420にあたるから、420÷120=3.5

1分に加わる人の数は3.5人です。

この数字を(ア)の式にあてはめて、420+3.5×120=□×120
420+420=□×120だから、
□=840÷120=7

1つの売り場で1分あたりに売れる商品の個数は7個です。


(2)
売り場を、はじめは2か所、とちゅうから1か所にしたら、発売開始から1時間で行列がなくなりました。売り場を2か所にして売った時間は何分ですか。

最初は1つの売り場、そのあと2つの売り場で売って、あわせて1時間=60分で売れたことはわかっていますが、それぞれが何分ずつかはわからないので、つるかめ算です。
(よくある、2つの特殊算を組み合わせた問題です。)

つるかめ算なので、「もし片方だけだったら」と仮定して考えます。

もし、ずっと1か所のままだったら、1時間(=60分)で売る個数は、7個×60=420個

並んだ人の数は、最初の420+3.5×60分=630人

全体のちがいは630−420=210

2か所にかえたときの、1か所のときとの違いは7×2−7=7

全体のちがいをとりかえたちがいでわればよいから、
(420+3.5×60−7×60)÷(7×2−7)
=210÷7
=30

売り場を2か所にして売った時間は30分です。

どうやら、増え続ける量を□、減っていく量を○にして式を立てたら、なんとかなるようです。


次の問題だとどうでしょうか。

例題2:ある駅で改札を始める前に行列ができました。この行列の人数は、時間に対して一定の割合で増えています。1つの改札口を通る人数は行列の増えていく人数の3倍です。この改札口を1つあけて改札を始めたら、12分で行列がなくなりました。もし、改札口を3つあけていたら何分で行列はなくなりましたか。

1つの改札口を通る人数は行列の増えていく人数の3倍」とあるので、1分間に増えていく行列の人数を□にすると、1つの改札口を1分間に通る人数は○ではなくて□×3です。

そのかわりに、最初にできていた行列の人数がわからないので、それを○にします。

12分間に改札を通る人数の合計は、○+□×12=□×3×12
○+□×12=□×36となり、式の左側と右側の比較から、○=□×24だということがわかります。

改札口を3つにすると、1分間で□×3×3=□×9、改札口を通すことができます。
行列に1分間に加わる人数は□、改札口を3つにしたとき改札口を通過する人数は□×9ですから、その差は□×8。
最初の行列の人数が□×24であり、それを1分の□×8でわればよいので、24÷8=3
3分で行列はなくなります。


どんなニュートン算でも解ける方法として、□と○を使う方法は効果がありそうです。


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