1次方程式を利用して解く文章題の基本についてはこちらで、整数・過不足・年齢・割合の問題についてはこちらで、速さ・食塩水の問題についてはこちらで考察しました。

この稿では、パターンを覚えてあてはめるだけでは解けない、みんなの不得意な問題を特集します。
決まったパターンのない、白紙の状態から考えないといけない問題です。

解くときに確認しておくことは、
(1)何をxとするかから出発する。求めないといけないものをxとする
(2)問題文を素直に式にしていくと必ず解ける
(3)方程式は「等式」であることを常に意識する
の、3つです。


例題1:あるスーパーマーケットでは、トンカツを最初、1枚200円で販売した。用意した枚数の半分が売れたところで、残りのトンカツを2割引きで販売したところ10枚が残った。この10枚を最初の値段の半額にして販売したら、すべて売り切れ、売上げ額は13800円であった。このとき、最初に用意したトンカツは何枚か求めなさい


(解き方)

(1)何をxとするかを決める
問題文の最後に「最初に用意したトンカツは何枚か」とあるので、最初に用意したトンカツの枚数をx枚とします。

(2)問題文を素直に式にする
1枚200円のトンカツが「用意した枚数の半分が売れた」とあるので、その金額は200×(x/2)です。
次に、「残りのトンカツを2割引きで販売したところ10枚が残った」とあるので、その金額は200×0.8×(x/2−10)です。
最後に「10枚を最初の値段の半額にして販売した」とあるので、その金額は200×(1/2)×10です。

(3)等式をつくる
問題文の「売上げ額は13800円であった」の部分が等式になる部分です。
売上げ額は、
200×(x/2)+200×0.8×(x/2−10)+200×(1/2)×10であり、
それが13800円だったから、
200×(x/2)+200×0.8×(x/2−10)+200×(1/2)×10=13800

あとは方程式を解くだけです。
200×(x/2)+200×0.8×(x/2−10)+200×(1/2)×10=13800
100x+160(x/2−10)+1000=13800
100x+80x−1600+1000=13800
100x+80x=13800+1600−1000
180x=14400
x=80

最初に用意したトンカツの枚数は80枚です。


例題2:ボールとそれを入れる箱がそれぞれ何個かある。1箱に9個ずつボールを入れていくと、4個のボールが入らずに残る。また10個ずつボールを入れていくと、最後の1箱には3個しか入らなかった。ボールは全部で何個あるか、答えなさい。


(解き方)

(1)何をxとするかを決める
問題文の最後に「ボールは全部で何個あるか」とあるので、ボールの個数をxとします。

(2)問題文を素直に式にする(3)等式をつくる
この問題では、「問題文を素直に式にする」段階で、「(3)等式をつくる」を意識する必要があります。
問題文に「ボールとそれを入れる箱がそれぞれ何個かある」とあります。このように、「ボール」と「入れる箱」と2つのものが出てくるとき、「ボール」をxとすると、もう一方の「箱」の数を表わす式を2つつくって、それをイコールで結んで等式にします。

1箱に9個ずつボールを入れていくと、4個のボールが入らずに残る」とあるので、箱に入ったボールは(x−4)個ですから、箱を表わす式は(x−4)/9です。
さらに、「10個ずつボールを入れていくと、最後の1箱には3個しか入らなかった」とあります。ちゃんと10個ずつ箱に入ったボールの数は(x−3)個であり、あとボールを3個入れた箱が1箱あることになります。つまり、箱の数を表わす式は(x−3)/10+1です。

これで、箱の数を表わす式が2つできたので等式にします。
(x−4)/9=(x−3)/10+1

この方程式を解いていきます。
(x−4)/9=(x−3)/10+1
両辺に90をかけて、
10(x−4)=9(x−3)+90
10x−40=9x−27+90
10x−9x=−27+90+40
x=103

ボールは全部で103個です。


例題3:図のように、1辺の長さが6cmの正三角形ABCがある。点Pは頂1点Aを出発して毎秒3cmの速さで、辺上を頂点B、Cを通ってAまで移動する。また、点QはBを出発して毎秒2cmの速さで、辺上を頂点C、Aを通ってBまで移動する。2点P、QがそれぞれA、Bを同時に出発してから、最初にPQ//ABとなるまでの時間を求めなさい。







(解き方)

解き始める前に、問題文の「最初にPQ//ABとなる」状態の図をかき、その図に必要なことを書き込んでおきます(この準備がちゃんとできるかどうかで解けるかどうかが決まります)。
2

(1)何をxとするかを決める
問題文の最後に「最初にPQ//ABとなるまでの時間を求めなさい」とあるので、最初にPQ//ABとなる時間をx秒とします。

(2)問題文を素直に式にする
点Pは毎秒3cmの速さで移動するので点Pの移動した距離は3xです。
点Qは毎秒2cmの速さで移動するので点Qの移動した距離は2xです。
このことも目に見えるように図にかきこんでおきます。

(3)等式をつくる
問題文に「最初にPQ//ABとなる」とありました。
かきこんだ図からわかるように、PQ//ABのとき、BP=AQです。

BPの長さは、点Pが進んだ距離−辺ABですから、BP=3x−6
AQの長さは、辺BC+辺CA−点Qが進んだ距離ですから、AQ=12−2x

この2つが等しいので、
3x−6=12−2x

この方程式を解きます。
3x−6=12−2x
3x+2x=12+6
5x=18
x=18/5

答えは18/5秒(または3.6秒)です。


例題4:Aの容器には9%の食塩水400g、Bの容器には4%の食塩水240gが入っている。容器A、Bから同じ量の食塩水を取り出し、容器Aから取り出した食塩水は容器Bに、容器Bから取り出した食塩水は容器Aに入れてよくかき混ぜたところ、2つの容器の中の食塩水の濃度が同じになった。何gの食塩水を取り出したかを求めよ。

(解き方)

(1)何をxとするかを決める
問題文の最後に「何gの食塩水を取り出したかを求めよ」とあるので、取り出した食塩水をxgとします。

(2)問題文を素直に式にする
食塩水の問題では、常に溶けている食塩の量を式で表わしていきます。

まず、Aの容器に最初に含まれていた食塩の量は400×0.09=36gです。
xgの食塩水を取り出したとき、出ていく食塩の量は、xgの9%ですから0.09xgです(これがBの容器に移ることになります。)

次にBの容器です。
最初に含まれていた食塩の量は240×0.04=9.6gです。
xgの食塩水を取り出したとき、出ていく食塩の量は、xgの4%ですから0.04xgです(これがAの容器に移ることになります。)

(3)等式をつくる
問題文の「2つの容器の中の食塩水の濃度が同じになった」の部分で等式ができます。

同じ量の食塩水をやりとりしたので、やりとりした後も、Aの容器の食塩水の量は400g、Bの容器の食塩水の量は240gです。

濃度を表わす式は食塩/食塩水ですから、
Aの容器の濃度は(36−0.09x+0.04x)/400
Bの容器の濃度は(9.6−0.04x+0.09x)/240
この2つの式を等式にします。
(36−0.09x+0.04x)/400=(9.6−0.04x+0.09x)/240

この方程式を解きます。
(36−0.09x+0.04x)/400=(9.6−0.04x+0.09x)/240
両辺に400と240の公倍数の1200をかけて、
3(36−0.09x+0.04x)=5(9.6−0.04x+0.09x)
3(36−0.05x)=5(9.6+0.05x)
108−0.15x=48+0.25x
−0.15x−0.25x=48−108
−0.4x=−60
両辺を10倍して
−4x=−600
x=150

両容器から取り出した食塩水の量は150gです。



このように、初めて見るむずかしそうに思える問題も、落ち着いて、
(1)何をxとするかを決める
(2)問題文を素直に式にする
(3)等式をつくる
の順にじっくり取り組めば、案外簡単に解くことができます。



*****数学の全目次はこちら、ワンクリックで探している記事を開くことができます*****