難問を簡単に解く技である「直角三角形の問題は、直角でない角に○と×をつける」は、相似でも効果を発揮します(合同についてはこちらを参照)。

例題1:直角三角形ABCの頂点Aから斜辺BCにひいた垂線をADとす例題1る。AB=8cm、BC=10cm、CA=6cmとして、次の問いに答えよ。
(1)三角ABCと相似な三角形をすべて書け。
(2)線分AD、BDの長さを求めよ。




(解き方)
△ABCの直角でない角、∠Bと∠Cに○と×をつけます。
例題1の2
△ABCで、∠BAC=90°なので、
∠B+∠C=180°−90°=90°
つまり、
○+×=90°
です。

そうすると、△DBAで∠ADB=90°より、○+∠BAD=90°だから、∠BAD=×であることがわかります。
また、△DACで∠ADC=90°だから、×+∠DAC=90°となり、∠DAC=○であることもわかります。
例題1の3
このように○と×を記入することで、対応する角の等しいことが一目でわかるようになります。

(1)三角ABCと相似な三角形をすべて書け。


(解答)
相似条件「2組の角がそれぞれ等しい」が成り立つので、△ABC∽△DBA∽△DAC

(2)線分AD、BDの長さを求めよ。

(解答)△ABC∽△DACより、BC:AC=BA:AD
ゆえに、10:6=8:AD
10×AD=48
AD=4.8cm

△ABC∽△DBAより、BC:BA=BA:BD
ゆえに10:8=8:BD
10×BD=64
BD=6.4cm


例題2:図のように、∠A=90°の直角三角形ABCの頂点Aを通る直線例題2に、点B、Cから垂線BD、CEをひいた。
(1)△ABD∽△CAEであることを証明せよ。
(2)DB=16cm,DE=40cm,AE=12cmのとき、ECの長さを求めよ。


(解き方)
(1)△ABD∽△CAEであることを証明せよ。
例題2の2
△ABDと△CAEにおいて、
仮定より、∠BDA=∠AEC…(1)
∠DBA=△ABDの内角180°‐90°‐∠DAB
∠EAC=直線の180°‐90°‐∠DAB
ともに90°‐∠DABだから、∠DBA=∠EAC…(2)
(1)(2)より、2組の角がそれぞれ等しいので、
△ABD∽△CAE

(2)DB=16cm,DE=40cm,AE=12cmのとき、ECの長さを求めよ。
例題2の3△ABD∽△CAEを利用します。

AD=40-12=28cm

△ABD∽△CAEより、28:EC=16:12
16×EC=28×12
EC=28×12÷16
EC=21cm


例題3:左の図は、長方形ABCDの紙を頂点Aが辺BC上にくるように例題3折り返したもので、Eは頂点Aが移った点、DFは折り目の線である。
(1)△FBE∽△ECDであることを証明せよ。
(2)AD=10cm、DC=8cm、CE=6cmのとき、FEの長さを求めよ。





(解き方)
例題3の2準備として、△FBEの直角でない角に○と×をつけておきます。
また、90°である∠A、∠B、∠Cに90°であることがわかる印を、そして折り返した問題なので∠FEDにも90°の印をつけておきます。

(1)△FBE∽△ECDであることを証明せよ。

△FBEと△ECDにおいて、
長方形の角だから∠FBE=∠ECD=90°…(1)
∠BFE=△FBEの内角180°‐90°‐∠FEB
∠CED=直線の180°‐90°‐∠FEB
ともに、90°‐∠FEBだから、∠BFE=∠CED…(2)
(1)(2)より、2組の角がそれぞれ等しいので、
△FBE∽△ECD

(2)AD=10cm、DC=8cm、CE=6cmのとき、FEの長さを求めよ。
例題3の3
BE=10cm‐6cm=4cm
折り返したのでED=AD=10cm

△FBE∽△ECDより、
4:8=FE:10
8×FE=40
FE=5cm




「直角三角形の問題は、直角でない角に○と×をつける」の技は、正三角形にも応用できます。
正三角形の1つの角は60°です。
「正三角形の問題は、60°でない角に○と×をつける」ということになります。

例題4:正三角形ABCの辺AB上に点Dをとり、DとCを結ぶ。また、例題4辺BC上に点Eを∠CDE=60°となるようにとる。
(1)△ADC∽△BEDであることを証明せよ。
(2)AC=12cm、AD=4cmのとき、ECの長さを求めよ。






(解き方)

準備として、正三角形の∠Aと∠Bに60°を記入し、60°でない角に○と×をつけておきます。
例題4の2
(1)△ADC∽△BEDであることを証明せよ。

△ADCと△BEDにおいて、
正三角形だから∠CAD=∠DBE=60°…(1)
∠BED=△BEDの180°‐60°‐∠BDE
∠ADC=直線の180°‐60°‐∠BDE
ともに、120°‐∠BDEだから、∠BED=∠ADC…(2)
(1)(2)より、2組の角がそれぞれ等しいので、
△ADC∽△BED

(2)AC=12cm、AD=4cmのとき、ECの長さを求めよ。
例題4の3
△ADC∽△BEDを利用します。

BD=12-4=8cmも忘れずに記入し、また、△ADC∽△BEDを利用するのでECを求めるために先にBEを求めることを確認しておきます。

△ADC∽△BEDより、
BE:4=8:12
BE×12=32
BE=32/12=8/3cm

よって、EC=12-8/3=36/3-8/3=28/3cm




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