他山の石(たざんのいし)の意味

他の人のつまらないおこないであっても、それを参考にすれば自分を成長させる役に立つこと。

「他山」…他人
「他山の石」…他の人のつまらないおこない


故事成語のもとになった出来事・出典

中国の周の時代の詩や歌を集めて編集されたのが、中国最古の詩集である『詩経(しきょう)』です。
儒教で尊重する四書五経(ししょごきょう)の一つです(四書:『論語』・『大学』・『中庸』・『孟子』、五経:『易経』・『書経』・『詩経』・『礼記』・『春秋』)。
詩経は、「国風(当時の民謡)」、「大雅・小雅(貴族が作った詩)」、「頌(祖先をまつる詩)」で構成されていますが、そのうちの「小雅」の中に「鶴鳴(かくめい)」と題された詩があります。

この詩「鶴鳴」の中の一節が、「他山の石」の出典です。

「鶴鳴」の中にある、
他山之石  可以為錯  (他山の石、以って錯(さく)となすべし)
他山之石  可以攻玉  (他山の石、以って玉を攻(せ)むべし)
(価値のない)他山の石も砥石に使うことができる
(価値のない)他山の石も宝石を磨くのに使うことができる
から、故事成語である「他山の石」ができました。

もともとの意味である「よその山でとれた質のよくない石でも、砥石にして自分の玉を磨くのに役立てることができる」から転じて、「他人の価値のないおこないも、自分の修養の助けになる」という意味で使われるようになりました。


「他山の石」を使う例

・「同業のA社が新製品の開発をおこたり倒産しました。A社の失敗を他山の石とし、わが社は新しい技術の開発に努めなければなりません。」

・「B大臣が軽率な発言を責められ辞任しました。B大臣を他山の石として、日頃の言動には細心の注意を払うべきです。」


増える誤用

「他山の石」は、「人のあまり価値のないおこないも自分の役に立つことがある」という意味であって、他の人の良いおこないを参考にするという意味はありません。

ところが、文化庁が実施した平成16年度「国語に関する世論調査」によると、「他山の石」を「他人の誤った言行も自分の行いの参考になる」とした正解者は26.8%で、まちがった使い方である「他人の良い言行は自分の行いの手本になる」の意味で使っている人が18.1%を占めたそうです。


似た意味を表す言葉

「反面教師」

「人のふり見て我がふり直せ」

「The fault of another is a good teacher.(他人の失敗はよい見本)」



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