中学生範囲で習う「雲」についてはこちらでまとめました。

この稿で扱うのは「雲」の発展事項です。
難関校の入試では出題されることがあります。


高度と気温

地球をとりまく大気圏のうち対流圏(平均すると地表からほぼ11kmの高さまで)では、高度が100m増すごとに気温は約0.6°ずつ下がります。
太陽の熱によってまず地表があたためられ、あたためられた地表が大気をあたためるので、地表に近いほど気温が高いのです。

100mで0.6°低くなりますから1000mだと6°です。
標高3000mの山の頂上は、地表より6°×3=18°ほど気温が低いということになります。

(上昇気流で雲ができるのは気圧の低下による膨張で空気の温度が下がるためで、以上で述べた高度による温度低下は関係しません。)


膨張による温度の低下

空気のかたまりは上昇すると、気圧が小さくなるので膨張します。気体は膨張するだけで(断熱膨張)、温度が下がります(こちらを参照)。

このときの温度の下がり方も一定で、空気のかたまりは100m上昇するごとに約1.0°ほど温度が下がることがわかっています。

高度による温度低下(100mごとに0.6°)と、上昇気流の膨張による温度低下(100mごとに1.0°)とを1つのグラフに表わすと図のようになります。
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まわりの空気よりあたためられた空気のかたまりは軽いので、100mで1.0°の割合で温度を下げながら上昇します。

上昇する空気のかたまりは、100mで0.6°の割合で温度が低くなるまわりの空気より温度の下がり方が大きいので、やがてまわりの空気と同じ温度になります。

この時点で、空気のかたまりの上昇は止まります。

以上は、空気のかたまりの温度が下がっても露点に達していないとき、つまり雲ができないときの温度変化を表わしたものです。


雲ができるときの、上昇する大気の温度変化

100mごとに1.0°ずつ温度を下げながら上昇していた空気のかたまりの温度が露点に達したとき、雲ができ始めます。

雲ができ始めると、上昇する空気の温度の下がり方が変わります。

100m上昇するごとに0.5°しか、温度は下がらなくなるのです。

その理由は、気化熱・融解熱が関係してくるからです。

水が水蒸気になるとき、まわりから熱をうばいます(気化熱)。
予防接種を受けるとき消毒用のアルコールで拭くと涼しく感じたり、湿度をはかる乾湿計で湿球のほうが乾球より温度が低くなるのは気化熱をうばわれているからです。

逆に、気体の水蒸気が液体のになるとき、まわりにを放出します(融解熱)。

空気のかたまりは、100m上昇するごとに1.0°温度が下がりますか、露点に達し雲ができ始めると、気体の水蒸気が液体の水になるので、融解熱が発生し始めます。
発生する熱の割合は、100m上昇して雲ができるごとに0.5°です。
1.0°温度が下がり、0.5°温度が上がるので、差し引き0.5°だけ、100mごとに温度が下がるということになります。

つまり、上昇する空気のかたまりは、雲ができ始めた後は、100m上昇するごとに0.5°の割合で温度が下がります。

これをグラフの表わすと図のようになります。
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フェーン現象

湿った空気のかたまりが高い山にぶつかると山の斜面を昇る上昇気流となります。
露点に達すると含まれていた水蒸気は雲となり、さらに空気のかたまりは上昇していきます。
このときの温度が下がる割合は、100mごとに0.5°ずつの低下です。

山を越えた空気のかたまりは、含んでいた水蒸気が雲になった後なので乾燥しています。
乾燥した空気は、山を越えた後は下降気流となり、100m下降するごとに1.0°の割合で温度が上がります。

そのため、山を越えてきた空気のかたまりが降りてくる地域は、高温の空気のかたまりに包まれて高温になります。

この現象をフェーン現象といいます。
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