慣れたら簡単ですが、最初はなかなか解けない相似(平行線と比)の問題に次の問題があります。

例題1:AD//EF//BCのとき、xの値を求めよ。
例題1













(解き方)
x(=EF)を一気に求めることはできません。
図の中にある台形は相似でも何でもないので、台形の横の線を一回で求めることはできません。

「相似だから、比で解ける」わけです。
だから、解くときの対象を相似な図形にしぼらないといけません。

最初は、どこに相似ができているのかを見つけるのが難しい。

相似の代表というか、相似の典型的な形は次の2つです。
1
ところで、ものには名前がないとなかなか覚えられません。

長年、左の2つの形によい名前をつけたいと思い続けてきましたが、思いつきません。


あきらめ2て、あまりぴったりとは思えませんが、「おむすび」型、「ちょうちょ」型と呼んでいます。

ほとんどの相似の問題で、相似な図形は左のどちらかの形で出てきますから、問題をながめて、おむすびかちょうちょのどちらかを見つけたら解けるわけです。



例題2の2
たいがいは、ちょうちょを見つけるのが先です。

赤線の部分がちょうちょ形の相似であることに気づきます。
そして、AD=6cm、BC=10cmですから、相似な2つの三角形、△AGDと△CGBの相似比は6:10=3:5です。

問題を解くときは、「目に見える形」にするとずっと簡単になりますから、見つけた3:5をAG、CGに書き込んでおきます。




ちょうちょを見つけて準備が終わったら、次はおむすび形の相似で解いていきます。
例題1の3△AEG∽△ABCです。
相似比はAG:AC=3:8です。

EFを一気に求めることはできないので、EG=aとします。

a:10=3:8
8a=30
a=15/4



例題1の4
次に、GF=bとします。

△CFGと△CDAがおむすび形の相似ですから、b:6=5:8
8b=30
b=15/4

EF=a+bだから、EF=15/4+15/4=30/4=15/2cm


このように、ちょうちょ形の相似を見つけて相似比を見つける、次におむすび形の相似を使って比の式を立てる、この2段階で簡単に解けるようになります。


例題2:図の平行四辺形ABCDで、AB=16、BC=21である。辺AD例題2上にAP=12となる点Pをとり、PCと対角線BDとの交点をQ、Qを通りADに平行にひいた直線とABとの交点をRとする。このとき、AR、RQの長さをそれぞれ求めよ。

(解き方)
まず、問題文に書いてあることを図に記入します。

例題2の2書いてあることだけでなく、書いてあることからわかることも書き込んでおきます(図の赤字のところです)。
「目に見える」ようにしておくことが大切なのです。
求めるARをxと記入しておくことも大事です。

おむすび形の相似である△BDA、△BQRでxを求められそうだとわかりますか?
しかし、その前にBR:RAの比を求めないといけませんね。

その手がかりになるのは、ちょうちょ型の△PQD、△CQBです。

例題2の3PD=9、CB=21より、DQ:BQ=9:21=3:7

3:7を図に記入します。

これで準備完了。

BR:RA=BQ:QDより、16-x:x=7:3
3(16-x)=7x
48-3x=7x
-10x=-48
x=4.8

AR=4.8です。

次にRQ=yとすると、おむすび形の△BQR∽△BDAより、y:21=7:7+3
y:21=7:10
10y=147
y=14.7

RQ=14.7です。


ちょうちょを見つけて比を記入→おむすびを見つけて比の式を立てる、で簡単に解けることをわかっていただけたでしょうか。

「ちょうちょ」を見つけて、「おむすび」で解く、これが相似の難問を簡単な問題に変える必殺技です。



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