走っている電車の長さ(列車の長さ)を考慮にいれないといけないのが通過算です。
通過算の基本問題:長さが220mで速さが秒速22mの電車があります。
(1)1本の電柱を通り過ぎるのに何秒かかりますか。
(2)長さが550mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに何秒かかりますか。
(3)長さが550mのトンネルを通過するとき、完全に電車がトンネルに隠れているのは何秒間ですか。
(4)長さが同じで速さが秒速33mの電車とすれちがうとき何秒かかりますか。
また、うしろからきた秒速33mの電車に追い抜かれるとき何秒かかりますか。
(考え方・解き方)
(1)1本の電柱を通り過ぎるのに何秒かかりますか。
電柱や人の前を通過するときは、電車の長さの分だけ進みます。
時間(秒)=電車の長さ÷電車の速さ(秒速)ですから、
220÷22=10秒です。
(2)長さが550mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに何秒かかりますか。
鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでには、(鉄橋の長さ+電車の長さ)の分だけ進みます。
時間(秒)=(鉄橋の長さ+電車の長さ)÷電車の速さ(秒速)ですから、
(550+220)÷22=35秒です。
(3)長さが550mのトンネルを通過するとき、完全に電車がトンネルに隠れているのは何秒間ですか。
トンネルに入り終わってから電車の先頭が出てくるまでですから、進む距離は(トンネルの長さ-電車の長さ)です。
時間(秒)=(トンネルの長さ-電車の長さ)÷電車の速さ(秒速)ですから、
(550-220)÷22=15秒です。
(4)長さが同じで速さが秒速33mの電車とすれちがうとき何秒かかりますか。また、うしろからきた秒速33mの電車に追い抜かれるとき何秒かかりますか。
電車に乗ったとき、別の電車とすれちがうときはとても速く感じ、追い抜くときは遅く感じた経験があると思います。
すれちがうときの速さは(A電車の速さ+B電車の速さ)、追い抜くときの速さは(A電車の速さ-B電車の速さ)となります(旅人算と同じです)。
また、進む距離は、2つの電車の長さをあわせた長さです。
すれちがうとき
すれちがうときの時間(秒)=(A電車の長さ+B電車の長さ)÷(A電車の速さ+B電車の速さ)ですから、
(220+220)÷(33+22)=8秒です。
追い抜くとき
追い抜くときの時間(秒)=(A電車の長さ+B電車の長さ)÷(A電車の速さ-B電車の速さ)ですから、
(220+220)÷(33-22)=40秒です。
では、いろいろな通過算の問題を見ていきましょう。
例題1:100人の生徒が4人ずつ1列にならんで、各列75cmおきで毎分50mの速さで進みます。この行列が長さ712mの橋をわたるのに、先頭がわたり始めてから、最後の列がわたり終わるまでに何分何秒かかりますか。
(解き方)
列の数は100÷4=25列です。
列と列の間の数は25-1=24です(植木算)
だから、先頭の列から最後の列までの長さは、75cm=0.75mだから、0.75×24=18m
橋の長さ712mに、先頭の列から最後の列までの長さの18mをくわえた712+18=730mを、分速50mでわたることになります。
(712+18)÷50=14.6分
1分=60秒なので、0.6分=60×0.6=36秒
以上より、14分36秒が答えです。
通過算と植木算の融合問題ですね。
例題2:一定の速さで電車が走っています。この電車が長さ520mのトンネルに入り始めてから電車全体がトンネルを出るまでにかかった時間は33秒で、電車全体がトンネルの中に入っていた時間は19秒でした。この電車の速さは毎秒何mですか。また、この電車の長さは何mですか。
(解き方)
電車が(トンネルの長さ+電車の長さ)進むときに33秒かかり、(トンネルの長さ-電車の長さ)進むときに19秒かかったわけです。
2つの式をしっかりとながめると、この2つをたして、(トンネルの長さ+電車の長さ)+(トンネルの長さ-電車の長さ)進むのに、33秒+19秒=52秒かかったことがわかります。
つまり、トンネルの長さの2倍を52秒で進んだことになります。
520×2÷(33+19)=1040m÷52秒=20m/秒
電車の速さは毎秒20mです。
(トンネルの長さ+電車の長さ)進むのに、毎秒20mで33秒かかったので、電車の長さは20×33-520=660-520=140mです。
33秒と19秒をたしたとき、電車の長さが消えてしまってトンネルの長さの2倍を進んだことになることに気づくかどうかが、解けるか解けないかの分かれ目です。
例題3:電車が一定の速さで走っています。いま、長さ450mの鉄橋をわたり始めてからわたり終わるのに36秒かかりました。また、長さ1300mのトンネルをくぐるとき、電車がすっかりかくれている時間が64秒でした。この電車の長さは何mですか。また、この電車の速さは毎秒何mですか。
(解き方)
鉄橋とトンネルをくっつけてしまうと、電車は、36秒+64秒で、(鉄橋+トンネル)の長さだけ進んだことになります。
電車の速さは、(450+1300)÷(36+64)=1750m÷100秒=17.5m/秒、毎秒17.5mです。
電車の長さは、(鉄橋の長さ+電車の長さ)を進むのに36秒かかったので、毎秒17.5m×36秒=630mから鉄橋の長さの450mをひいた、180mです。
鉄橋とトンネルをくっつけて考えられるかどうかが解ける解けないかの分かれ目です。
例題2、例題3のように、通過算自体はむずかしくないのですが、通過算の応用問題になると、あることに気づくかどうかで解けるか解けないかが決まってしまう問題が多いような気がします。
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通過算の基本問題:長さが220mで速さが秒速22mの電車があります。
(1)1本の電柱を通り過ぎるのに何秒かかりますか。
(2)長さが550mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに何秒かかりますか。
(3)長さが550mのトンネルを通過するとき、完全に電車がトンネルに隠れているのは何秒間ですか。
(4)長さが同じで速さが秒速33mの電車とすれちがうとき何秒かかりますか。
また、うしろからきた秒速33mの電車に追い抜かれるとき何秒かかりますか。
(考え方・解き方)
(1)1本の電柱を通り過ぎるのに何秒かかりますか。

時間(秒)=電車の長さ÷電車の速さ(秒速)ですから、
220÷22=10秒です。
(2)長さが550mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに何秒かかりますか。

時間(秒)=(鉄橋の長さ+電車の長さ)÷電車の速さ(秒速)ですから、
(550+220)÷22=35秒です。
(3)長さが550mのトンネルを通過するとき、完全に電車がトンネルに隠れているのは何秒間ですか。

時間(秒)=(トンネルの長さ-電車の長さ)÷電車の速さ(秒速)ですから、
(550-220)÷22=15秒です。
(4)長さが同じで速さが秒速33mの電車とすれちがうとき何秒かかりますか。また、うしろからきた秒速33mの電車に追い抜かれるとき何秒かかりますか。
電車に乗ったとき、別の電車とすれちがうときはとても速く感じ、追い抜くときは遅く感じた経験があると思います。
すれちがうときの速さは(A電車の速さ+B電車の速さ)、追い抜くときの速さは(A電車の速さ-B電車の速さ)となります(旅人算と同じです)。
また、進む距離は、2つの電車の長さをあわせた長さです。
すれちがうとき

(220+220)÷(33+22)=8秒です。
追い抜くとき

(220+220)÷(33-22)=40秒です。
では、いろいろな通過算の問題を見ていきましょう。
例題1:100人の生徒が4人ずつ1列にならんで、各列75cmおきで毎分50mの速さで進みます。この行列が長さ712mの橋をわたるのに、先頭がわたり始めてから、最後の列がわたり終わるまでに何分何秒かかりますか。
(解き方)
列の数は100÷4=25列です。
列と列の間の数は25-1=24です(植木算)
だから、先頭の列から最後の列までの長さは、75cm=0.75mだから、0.75×24=18m
橋の長さ712mに、先頭の列から最後の列までの長さの18mをくわえた712+18=730mを、分速50mでわたることになります。
(712+18)÷50=14.6分
1分=60秒なので、0.6分=60×0.6=36秒
以上より、14分36秒が答えです。
通過算と植木算の融合問題ですね。
例題2:一定の速さで電車が走っています。この電車が長さ520mのトンネルに入り始めてから電車全体がトンネルを出るまでにかかった時間は33秒で、電車全体がトンネルの中に入っていた時間は19秒でした。この電車の速さは毎秒何mですか。また、この電車の長さは何mですか。
(解き方)
電車が(トンネルの長さ+電車の長さ)進むときに33秒かかり、(トンネルの長さ-電車の長さ)進むときに19秒かかったわけです。
2つの式をしっかりとながめると、この2つをたして、(トンネルの長さ+電車の長さ)+(トンネルの長さ-電車の長さ)進むのに、33秒+19秒=52秒かかったことがわかります。
つまり、トンネルの長さの2倍を52秒で進んだことになります。
520×2÷(33+19)=1040m÷52秒=20m/秒
電車の速さは毎秒20mです。
(トンネルの長さ+電車の長さ)進むのに、毎秒20mで33秒かかったので、電車の長さは20×33-520=660-520=140mです。
33秒と19秒をたしたとき、電車の長さが消えてしまってトンネルの長さの2倍を進んだことになることに気づくかどうかが、解けるか解けないかの分かれ目です。
例題3:電車が一定の速さで走っています。いま、長さ450mの鉄橋をわたり始めてからわたり終わるのに36秒かかりました。また、長さ1300mのトンネルをくぐるとき、電車がすっかりかくれている時間が64秒でした。この電車の長さは何mですか。また、この電車の速さは毎秒何mですか。
(解き方)

電車の速さは、(450+1300)÷(36+64)=1750m÷100秒=17.5m/秒、毎秒17.5mです。
電車の長さは、(鉄橋の長さ+電車の長さ)を進むのに36秒かかったので、毎秒17.5m×36秒=630mから鉄橋の長さの450mをひいた、180mです。
鉄橋とトンネルをくっつけて考えられるかどうかが解ける解けないかの分かれ目です。
例題2、例題3のように、通過算自体はむずかしくないのですが、通過算の応用問題になると、あることに気づくかどうかで解けるか解けないかが決まってしまう問題が多いような気がします。
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