直角三角形に内接する円の半径を求める問題があります。

問題集では取り上げられていてもたった1問ですが、入試ではよく出る重要問題の一つです。


例題:図の三角形ABCは∠A=90°の直角三角形で、AB=15cm、1BC=17cm、CA=8cmである。△ABCに内接する円Oの半径を求めよ。







この問題を解く前に絶対にしておかないといけないことがあります。
それは、接線の問題では接線の性質である「接線は接点を通る半径に垂直である」を使わないと問題を解くことはできませんから、問題の図に半径を書き込んでおくことです。
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接線の問題では、解き始める前に必ず接点を通る半径を記入しておきます。
それをしないで問題を解くことはできません。

さらに、中学生は「求めるものをxとして、方程式を立てて問題を解く」が基本ですから、半径をxと記入しておきます。

そのあと、解く方法は2通りあります。

接線の性質を使って解く方法

接線の性質
1、接線は接点を通る半径と垂直に交わる
2、接線の長さは等しい
この2つを使って解くことができます。

図に、次のように記入していきます。
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接点をP、Q、Rとすると、半径OP=OQ=OR=x

また、四角形APORは正方形だからAP=AR=x

BP=15-xとなり、BP=BQだから、BQ=15-x
CR=8-xとなり、CR=CQだから、CQ=8-x

最後に、BQ+CQ=BCだから、そのことを方程式にして
15-x+8-x=17
-2x=-6
x=3

半径は3cmです。


面積を2通りの方法で表わせることを利用して解く方法

三角形ABCの面積を求める方法が2通りあることに気づいて、それを活用する方法です。

まず、直角三角形ABCの直角をはさむ2辺の長さがAB=15cm、AC=8cmですから、△ABCの面積は15×8×1/2=60平方cmです。

次に、(気づきにくいのですが)△ABCは、3つの三角形△ABO、4△OBC、△AOCの3つでできていますから、△ABCの面積=△ABOの面積+△OBCの面積+△AOCの面積と表わすこともできます。

半径をxcmとすると、
△ABOの面積+△OBCの面積+△AOCの面積
=15×半径×1/2+17×半径×1/2+8×半径×1/2
=(15/2)x+(17/2)x+4x
=20x

この20xで表わされた△ABCの面積が60平方cmだから、方程式にして
20x=60
x=3

半径は3cmです。


2つの解き方のどちらも重要ですが、特にあとの方法、面積を2通りの式で表わせることを利用して等式をつくって解く方法は、この問題以外でもよく使います。



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