授業中、N君が質問をしてきました。
「水の電気分解の問題で、なぜこうなるのか理解できないんですが。」

彼のことですから、
・水酸化ナトリウムをくわえる理由は何か?→純粋な水は電流を通しにくいから、電流を通すため。
・どちらの極に何が出てくるか?→+極に酸素、-極に水素。
・酸素と水素の体積比はどうなるか?→水素:酸素=2:1。
などという陳腐な質問ではありません。

なぜ+極に酸素、-極に水素が出てくるのか、その原理を知りたいという質問です。

以下は問題文です。

問題:図は水酸化ナトリウムを加えた水の電気分解のようすを表わした模式図である。

水の電気分解
-極側で水分子が電極から(1)を受けとるときに(2)が発生し、残ったものが水酸化物イオンとして逆の電極に移動する。+極側では水酸化物イオンが(1)を電極にわたし、(3)が発生する。(1)~(3)にあてはまる語を書け。

答えは(1)電子、(2)水素、(3)酸素です。

答えはわかっているのですが、図を見ても水の電気分解の仕組みがわからないという質問です。


水酸化ナトリウムはどうなっているのか

加えた水酸化ナトリウムは、+の電気をおびたナトリウムイオンと-の電気をおびた水酸化物イオンに分かれています。

このナトリウムイオンと水酸化物イオンは電流を流れやすくするはたらきをするだけで、電子のやりとりからははずします(そうではないという説明もありますが、ここでは一応はずしておきます)。


水の分子の電離と電気分解の仕組み

水の分子は、ごく少量、水素分子と水酸化物イオンに電離しています。
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この水素イオンと水酸化物イオンで水の電気分解がおこなわれると考えます。
水の電気分解2






















-極で起こっていること

-極では、-極の近くにある水分子のうち、水素イオンと水酸化物イオンに分かれて+の電気をおびた水素イオンが、電子をうけとって水素原子になります。

そして2つの水素原子が結びついて1つの水素分子になり、気体となって出てきます。

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+極で起こっていること

+極では、マイナスの電気をおびた水酸化物イオンが+極に電子をわたします。

水酸化物イオンは水素1個と酸素1個が結びついてできたイオンです。

1個の水酸化物イオンが電子を+極にわたすと、1個の酸素と1個の水素が存在します。
4個の水酸化物イオンだと、4個の酸素と4個の水素が存在することになります。

4個の酸素のうちの1個の酸素が、2個の水素と結びついて水の分子になります。
もう1個の酸素も2個の水素と結びついて水の分子になります。

あとに、2個の酸素が残りました(4個の水素は水の分子をつくるのに使われて、残りはありません)。
この2個の酸素原子が結びついて、1個の酸素分子になって出てきます。

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図は、以上の仕組みを表わしているわけです。
水の電気分解


















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