酸とアルカリ、中和について、現行の教科書では中1の『物質』で水溶液の性質としての酸性・アルカリ性・中性を学び、中2の『化学変化』で酸・アルカリ・中和・イオンについて学習します。

この稿では、中1の学習事項である酸性・アルカリ性・中性についてまとめます。


酸性の水溶液


塩酸硫酸硝酸炭酸水食酢(酢酸)レモンの汁(クエン酸)などが酸性の水溶液です。
名称が~酸であるもの、すっぱい水溶液が酸性の水溶液です。

酸性の水溶液には次のような性質があります。

(1)青色リトマス紙を赤色に変えます。
(2)緑色のBTB溶液を黄色に変えます。
(3)マグネシウムを入れると水素が発生します。


アルカリ性の水溶液

水酸化ナトリウム水溶液水酸化バリウム水溶液水酸化カルシウム水溶液石灰水)、水酸化カリウムアンモニア水せっけん水などがアルカリ性の水溶液です。
名称が水酸化~であるものはアルカリ性の水溶液です。

アルカリ性の水溶液には次のような性質があります。

(1)赤色リトマス紙を青色に変えます。
(2)緑色のBTB溶液を青色に変えます。
(3)無色のフェノールフタレイン溶液を赤色に変えます。

中性の水溶液

純粋な塩化ナトリウム水溶液食塩水)、砂糖水などが中性の水溶液です。
酸性でもアルカリ性でもない水溶液が中性の水溶液です。

中性の水溶液には次のような性質があります。

(1)赤色のリトマス紙も青色のリトマス紙も色は変わりません。
(2)BTB溶液は緑色です。
(3)フェノールフタレインは無色のままです。


中和

酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜることを中和といいます。
(混ぜることが「中和」、混ぜて酸性でもアルカリ性でもなくなった状態が「中性」です。)

酸性の水溶液である塩酸と、アルカリ性の水溶液である水酸化ナトリウムを中和すると、塩化ナトリウムができます。

硫酸水酸化バリウムを中和すると、硫酸バリウムができます。

中和をすると、水ともう1つの物質ができます。
その、もう1つの物質のことを、理科では「(えん)」といいます。
塩化ナトリウムや水酸化バリウムが塩です。

塩が水に溶けにくい物質であるとき(水酸化バリウムなど)は沈殿になって底にたまります。
沈殿した塩は、ろ過すると取り出せます。

水に溶けた塩(塩化ナトリウムなど)は、水を蒸発させると取り出すことができます(再結晶)。


水溶液に溶けているもの

水溶液は、固体、液体、気体のうち、何の水溶液であるかを知っておく必要があります。

塩酸…気体塩化水素の水溶液
硫酸…固体の三酸化硫黄の水溶液
硝酸…固体の五酸化二窒素の水溶液
炭酸水…気体二酸化炭素の水溶液
食酢(酢酸)…融点が17°である酢酸の水溶液

水酸化ナトリウム水溶液…固体の水酸化ナトリウムの水溶液
水酸化バリウム水溶液…固体の水酸化バリウムの水溶液
水酸化カルシウム水溶液(石灰水)…固体の水酸化カルシウムの水溶液
水酸化カリウム…固体の水酸化カリウムの水溶液
アンモニア水…気体アンモニアの水溶液


例題:無色の水溶液A~Eがある。A~Eは、うすい塩酸、うすいアンモニア水、うすい水酸化ナトリウム水溶液、石灰水、食塩水のいずれかである。A~Eについて、次の実験をおこなった。あとの問いに答えなさい。
(実験1)水溶液A~Eをそれぞれガラス棒でリトマス紙につけ、色の例題変化を調べた。表はその結果をまとめたものである。
(実験2)水溶液A~Eをそれぞれ乾いたスライドガラスに1滴ずつとり、加熱器具で乾かした。AとEは何も残らなかったが、B、C、Dには白い固体が残った。
(1)水溶液A、D、Eはそれぞれ何か。
(2)実験1、2からだけでは、水溶液BとCを区別することができない。BとCを区別するには、さらにどのような実験をしたらよいか。実験の方法と区別のしかたを説明しなさい。



(解き方)
(1)水溶液A、D、Eはそれぞれ何か。

実験1から、Dだけリトマス紙が変化していないので中性です。また、Eだけ青色リトマス紙が赤色に変わっているので酸性です。

うすい塩酸、うすいアンモニア水、うすい水酸化ナトリウム水溶液、石灰水、食塩水のうち、中性であるのは食塩水だけなので、Dは食塩水です。酸性であるものは塩酸だけなのでEは塩酸です。

実験2の、加熱器具で乾かしたとき、気体が溶けている水溶液は水とともに気体も蒸発してしまうので何も残りません。
AとEは何も残りませんでした。
Eは実験1より塩酸でしたが、塩酸は気体である塩化水素の水溶液なので何も残りません。

もう1つ、気体の水溶液であるのはアンモニア水です。
よって、Aはアンモニア水です。

以上より、Aはアンモニア水、Dは食塩水、Eは塩酸です。


(2)実験1、2からだけでは、水溶液BとCを区別することができない。BとCを区別するには、さらにどのような実験をしたらよいか。実験の方法と区別のしかたを説明しなさい。

残ったBとCは、どちらかがうすい水酸化ナトリウム水溶液で、どちらかが石灰水です。
理科では、石灰水は二酸化炭素の検出に使います。石灰水に二酸化炭素を通すと白くにごります(固体の炭酸カルシウムができるからです)。
水酸化ナトリウム水溶液に二酸化炭素を通しても変化はおこりません。

よって、「実験の方法・・・B、C、それぞれの水溶液に二酸化炭素を通す」、「区別・・・白くにごったほうが石灰水、変化しないほうが水酸化ナトリウム」が正解です。



***** 理科の全目次はこちら、ワンクリックで探している記事を開くことができます *****