高校入試で、数学のおもしろさを体現する良問なのでよく出題される問題群があります。
この稿で取り上げるのは、「三角形に内接する円」の問題です。

三平方の定理の重要事項がいくつも出てくる特に重要な問題です。


例題:図の△ABCと内接円Oについて、次の問いに答えよ。
1(1)頂点Aから辺BCに垂線AHをひく。AHの長さを求めよ。
(2)△ABCの面積を求めよ。
(3)円Oの半径を求めよ。
(4)円Oと辺BCとの接点をIとする。BIの長さを求めよ。
(5)直線AOと辺BCとの交点をJとする。IJの長さを求めよ。






(考え方と解き方)
(1)頂点Aから辺BCに垂線AHをひく。AHの長さを求めよ。
(1)
三平方の定理を使う問題の中では最も重要なものの一つです。
解き方を熟知していないといけません。

AHを求める問題ですが、AHをxとおいてしまうと遠回りになります。
BHをx、CHを14-xとすることを知っておくべきです。

△ABHと△AHCのそれぞれで三平方の定理をもちい、AHを2通りの式で表わして、それを等式にして方程式を解きます。


まず、△ABHで三平方の定理より、
(1)2







次に△AHCで三平方の定理より、
(1)3










AHの2乗を2通りの式で表わせたので、等式にして方程式を解きます。
(1)4





BHの長さが5cmとわかったので、△ABHで、もう一度三平方の定理をもちいて、AB=13cm、AH=5cmより、AH=12cmです。


(2)△ABCの面積を求めよ。
(1)で、△ABCの高さAHを求めることができたので簡単です。
14×12×1/2=84平方cmです。


(3)円Oの半径を求めよ。
まず、図に半径をかき込みます。
半径のかき込みかたがポイントです。
重要定理『接線は接点を通る半径と垂直である』が使えるようにかき込まないといけません。
(2)
次に、△ABCの面積を2通りの式で表わすことができることに気づいてください。

1つ目は、(2)で求めた、14×12÷2=84です。

2つ目は、△ABC=△ABO+△OBC+△AOCと考えて、式をつくります。
13×r×1/2+14×r×1/2+15×r×1/2です。

この2つの式は、同じ△ABCの面積を表わす式ですから等式・方程式にして、
13×r×1/2+14×r×1/2+15×r×1/2=84
両辺に2をかけて、13r+14r+15r=168
42r=168
r=4cmです。

面積を2通りの式で表わして方程式をつくる」、これも重要です。


(4)円Oと辺BCとの接点をIとする。BIの長さを求めよ。
(4)
接線についての定理『接線の長さは等しい』を使って解きます。

求めるBI=xとすると、左の図のように表わすことができます。

辺ACの部分を方程式にして、13-x+14-x=15
-2x=-12
x=6cmです。




(5)直線AOと辺BCとの交点をJとする。IJの長さを求めよ。
5
角の二等分線についての定理を利用します。
AB:AC=BJ:JCより、
BJ:JC=13:15

よって、BJ=14×13/28=6.5cm

(4)より、BI=6cmだったから、IJ=6.5-6=0.5cmです。






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