この稿を読むときの注意点:算数・数学の勉強をするときは、『悩んで悩んで悩みぬかないと力はつきません』。
すぐに答えを見ないで、問題の部分で画面のスクロールを止めて、自分でどう解くかを考えたあと、
ページをアップして解き方を見るようにしてください。


面積の問題でよく出題されるのが斜線部分の面積を求める問題です。

基本例題:斜線部の面積を求めなさい。
斜線部の面積基本例題
斜線部の面積の求め方には2通りの方法があります。
(1)分解して別々に求めてたす
(2)全体から白い部分をひく
最初に問題の図をしっかりながめて、どちらの方法で解くかを決断します。


(解き方)

(1)分解して別々に求めてたす
基本例題の2
左の図のAの部分の面積は、4×6÷2=12
Bの部分の面積は3×10÷2=15
だから斜線部の面積は12+15=27





(2)全体から白い部分をひく
基本例題の3
全体の面積は6×10=60
左の図のAの部分の面積は、6×6÷2=18
Bの部分の面積は3×10÷2=15
だから、斜線部の面積は全体から白い部分をひいて、60-(18+15)=27



「たす」の代表的な問題:斜線部の面積を求めなさい。
たす問題









(解き方)
たす問題の2Aの部分の面積は2×5÷2=5
Bの部分の面積は4×6÷2=12

斜線部分の面積は5+12=17








「ひく」の代表的な問題(1):
半円Bは、半円Aを点Cを中心に60°矢印の方向に回転したものです。斜線部の面積を求めなさい。
ひく問題











(解き方)
全体を求めて、白い部分を求めて、全体から白い部分をひくことにします。

ところで、この問題には半円(と中心角60°のおうぎ形)が出てきますが、の仲間が出てきたときに大事なことは、あわててすぐに計算をしないことです。

全体は次の2つの部分、半円とおうぎ形からできています。
ひく問題の2









白い部分は次の半円です。
ひく問題の3






半円+おうぎ形-半円
を求めたらよいことになりますが、
半円+おうぎ形-半円=おうぎ形
つまり、この問題の斜線部分の面積は、半径20cmで中心角60°のおうぎ形の面積と等しいことがわかります。

よって、20×20×3.14×(60/360)=628/3です。


「ひく」の代表的な問題(2):図は、辺の長さが3cm、4cm、5cmの直角三角形を、点Aを中心に60°回転したものです。斜線部の面積を求めなさい。
ひく問題3












(解き方)
やはり、全体を求めて、白い部分を求めて、全体から白い部分をひく問題です。
さらに、の仲間のおうぎ形が出てきますので、あわててすぐに計算をしないで、じっくりと検討します。

全体は次の2つの図形からできています。

ひく問題3の2三角形と、半径5cmのおうぎ形です。











ひく白い部分は次の2つの図形です。
ひく問題3の3
三角形と、半径4cmのおうぎ形です。








ということは、同じ三角形をひくことで三角形はなくなってしまうので、結局、斜線部の面積は、半径5cmで中心角が60°のおうぎ形から、半径4cmで中心角が60°のおうぎ形をひいたら求められることがわかります。

よって、斜線部の面積は、
5×5×3.14×(60/360)-4×4×3.14×(60/360)
=(25-16)×3.14×(1/6)
=9×3.14×(1/6)
=4.71

円やおうぎ形の問題では、すぐに計算をしてはいけません。
この問題もそうですが、きちんと式を書いて、分配法則などを活用して、できるだけ計算式を簡単にしてから解くくせをつけておきましょう。




*****算数の全目次はこちら、ワンクリックで探している記事を開くことができます*****