中学3年生の、できる子からよく尋ねられる質問があります。

「黄道上で太陽は西から東へ動く」と書いてあるが、なぜ「西から東」と言えるのかがわからないという質問です。

黄道と太陽の動き例えば、秋、黄道上のおとめ座の方向に見える太陽は、冬にはいて座の方向に見えるように移動します。

このことを、太陽は「西から東へ」移動するというのですが、なぜ西から東なのか、そこがわからないという質問です。

ひょっとすると、社会科の地図では上が北、右手が東なので、同じように考えて、太陽が黄道上を右から左へ動くのなら、東から西へ動くのではないかと考えてしまっているのかもしれません。

私は次のように説明しています。

(1)社会と理科では、東西南北の意味がちがう

社会科の地図では、上が北、下が南、右手が東、左手が西です(本当はそう単純ではないのですがここではふれません)。

ところが、理科では、東西南北は固定されたものではありません。

地球と方位左の図のA(日没後にあたります)だと、東は右下の方向、南は頭の真上、西は左上の方向です。

Cの地点(夜明け頃にあたります)だと、東の方向は真上、南は頭の真上で右、西は下の方向です。

つまり、理科では、地球のどこを基準にするか(人がどこにいると考えるか)によって、東西南北の方向はすべて違うのです。

以上のことを納得できるように理解するとすると、『太陽昇ってくる方向と決めたのだ』と考えざるをえません。

そして、地球が自転するから、地球から見ると太陽が昇ってくるように見えるわけです。
したがって、『太陽昇ってくる方向』だということは、地球が自転して今からまわっていく方向、自転のめざす方向がだということになります。

そして、東の反対方向が西、また、太陽は東から昇って南で一番高くなって西に沈むので、頭の真上の方向がだということになります。

黄道と太陽の動きもう一度黄道の図を見てみましょう。

地球の自転の向きは時計の反対まわりです。
黄道上の星座でいうと、おとめ座のほうからいて座の方向へ向かって地球は自転しています。
だから、いて座のほうが地球の自転の向かう方向だから東、おとめ座のほうがその反対だから西です。

つまり、黄道上を、太陽は西から東に動くといえるわけです。




東西南北に関して、さらに統一的な理論

黄道上の東と西に関しては、このように、地球を基準にしてその自転から一応の説明ができるのですが、以上の理屈では説明できない事象があります。

その一つは、太陽の自転の向きです。

太陽も、地球と同じように、時計の反対まわりに自転しています。太陽の自転の向きも「西から東」です。
したがって、黒点も「西から東へ動く」という言い方をします。

しかし、太陽自身の東西南北を、「太陽の昇ってくる方向が東」の理屈では説明できません。

そこで、天文学では、天体の東西南北について次のように決めているようです。
方位と右手
天体の自転の向きに右手を丸めます(右手の指先が自転の進む方向になるように右手を丸めます)。

そのとき、親指は自転軸にあたります。

右手を丸めたとき、自転軸の親指のさす向きを、その反対方向が南、右手の指先の向かう方向、その逆方向が西。

この定義だと東西南北が簡単にわかりますね。







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