平成23年度公立高校入試で、移行措置のからみで多分出題されるであろう問題の一つは、相似な図形の面積比、体積比の問題です。

例題1:図1の立体は、母線の長さ20cm、底面の半径6cmの円錐図1を、母線OBの中点Aをふくみ、底面に平行な平面で切り、小さな円錐を取り除いたものである。また、点Hはもとの円錐の底面の中心である。
(1)切り口の面積を求めよ。
(2)この立体の体積は、もとの円錐の体積の何倍か。
(3)この立体の底面に垂直で、点Hをふくむ平面で切ると、その切り口はどんな形の四角形になるか。
(4)もとの円錐の側面となるおうぎ形の中心角を求めよ。
(5)図1の立体の側面の展開図をかくと、図2のようになる。この展開図の面積を求めよ。

図2













(解答)
いつものように、まず「可視化」。
問題文を読み直さないでもいいように、必要な数値を図にかき込んでおきましょう。
図1の2
(1)切り口の面積を求めよ。
点Aが母線OBの中点だから、中点連結定理より、取り除いた小さい円錐の底面の半径は3cmです。
よって、3×3×π=9π

(相似形の面積比が2乗になることを使った別解)
点Aが母線OBの中点だから、取り除いた小さい円錐と、母線の長さが20cmで底面の半径が6cmの円錐との相似比は1:2
相似比が1:2だから、切り口の面積:半径6cmの底面の面積=1:4
半径6cmの底面の面積は6×6×π
よって切り口の面積をxとすると、x:36π=1:4
4x=36π
x=9π




(2)この立体の体積は、もとの円錐の体積の何倍か。
三平方の定理を用いて円錐の高さを求めてから体積を求めることもできますが、ここでは相似形の体積比をもちいて解いてみましょう。

相似比が1:2だから、切り取った小さい円錐ともとの円錐の体積比はそれぞれを3乗して1:8
もとの円錐の体積の比が8で、切り取った円錐の体積の比が1だから、円錐台の体積の比は8−1=7

よって、7÷8=7/8倍。


(3)この立体の底面に垂直で、点Hをふくむ平面で切ると、その切り口はどんな形の四角形になるか。
図1の3
左図でわかるように、上底の長さが6cm、下底の長さが12cmの等脚台形です。

















(4)もとの円錐の側面となるおうぎ形の中心角を求めよ。
側面のおうぎ形の中心角は、360度×底面の半径/母線となります(→こちらを参照)

よって、360°×6/20=108°


(5)図1の立体の側面の展開図をかくと、図2のようになる。この展開図の面積を求めよ。
図2
点Aが中点なので、半径20cmで中心角108°のおうぎ形から半径10cmで中心角108°のおうぎ形を切り取った形です。

よって、20×20×π×108/360-10×10×π×108/360
=20×20×π×3/10-10×10×π×3/10
=120π-30π
=90π


(相似形の面積比が2乗になることを使った別解)
半径20cmで中心角108°のおうぎ形と、半径10cmで中心角108°のおうぎ形の相似比は1:2

よって、2つのおうぎ形の面積はそれぞれの2乗の1:4

したがって図の斜線部の面積の比は4-1=3

また、半径10cmで中心角108°のおうぎ形の面積は10×10×π×108/360=30π

以上より、斜線部の面積をxとすると、
30π:x=1:3
x=90π



例題2:図のような円錐の容器に深さ5cmまで水が入っている。水面2をさらに5cm高くするのに140立方cmの水を要した。最初にあった水の体積を求めよ。















(解答)
この問題は、相似な図形の面積比・体積比の考え方を使わないと解けない問題だと思われます。

最初に入っていた水は円錐形であり、高さは5cmです。

140立方cmの水を入れたあとの水全体の形も円錐で、高さは10cmです。

高さ(長さ)の比は5:10=1:2です。

よって、体積の比はそれぞれを3乗した1:8です。

ということは、最初に入っていた水の量の割合が1で、水を入れたあとの水全体の量の割合は8、だからあとで入れた水の量は8−1=7ということになります。

ゆえに、最初にあった水の体積をxとすると、
140:x=7:1
7x=140
x=20

答えは20立方cmです。




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