どうして求めたらよいのか悩んでしまう、ややこしい立体の体積は、柱と錐に分割すると一番簡単に求めることができます。


例題:図のような三角柱ABC-DEFがあり、DF=DA=6cm、
例題1DE=8cm、∠FDE=90°である。点Pが辺BC上にあるとき、この三角柱を3点P、D、Eを通る平面で切ったところ、切り口は台形PQDEとなった。立体AQD-BPEの体積が三角柱ABC-DEFの体積の1/6になるとき、線分AQの長さを求めよ。





(解き方)
この問題の立体AQD-BPEは、三角柱でもなければ三角錐でもありません。
中学生が体積を求めることができるのは、〜柱の仲間(体積の公式は底面積×高さ)と〜錐の仲間(体積の公式は底面積×高さ×1/3)と球だけですから、このままだと求められません。

ではどうするか?

こんなときは、自分の限界を逆手にとって、求められるのは〜柱と〜錐しかないのだから、そして、できない問題が出題されるはずはないのだから、に分割したら解けるのではないかと考えます。

例題1の2(方法1)
一つの方法は、左の図のように、面ADPで切って分割する方法です。
三角錐P-QDAと、四角錐P-ADEBに分割できたので、公式:底面積×高さ×1/3をもちいて、それぞれの立体の体積を求め、それをたすと立体AQD-BPEの体積が求められます。

この方法はスマートで、たいていの模範解答もこの解き方をしていますが、(1)運がよくないと切断面をすぐには見つけられない、(2)正しく錐に分割できているかどうか見た目で判断しにくい、という欠点があります。


(方法2)
知っていれば簡単に解ける方法として、切頭三角柱の体積の公式を使う方法もあります。
切頭(せっとう)三角柱とは、三角柱を斜めにスパッと切った立体のことです。

切頭三角柱は、底面積×3つの高さの平均、この問題の立体AQD-BPEだと、△AQDが底面積でPQ、BA、EDが高さですから、△AQD×(PQ+BA+ED)÷3で求められます。

しかし、この切頭三角柱の公式は、中学生対象のほとんどの本にはまったくのっていません(私も、おととい中3生から質問されて初めて知りました)。


(方法3)
最後に、三つ目の方法として、最も見つけやすく、さらに、正しいかどうかを見た目で簡単に判断できる方法として、柱と錐に分割する方法があります。
例題1の3
左の図のように、点Pを通り、面AQDと平行な平面で立体AQD-BPEを分割します。
切った面と辺ABとの交点をR、辺DEとの交点をSとすると、立体AQD-BPEを、三角柱AQD-RPSと、四角錐P-RSEBに分割することができます。

三角柱は簡単に見つかりますし、見ただけで柱と錐にうまく分割できたことを確認できるので、私はこの方法が一番よいのではないかと思っています。

この方法で問題を解いてみましょう。


(解答)
線分AQの長さを求めよ」とあるので、AQをxとします。
例題1の4CQ=6-xとなります。

辺PQの長さを求めておきます。△CQP∽△CABですから、6-x:6=辺PQ:8
6×PQ=8(6-x)
6×PQ=48-8x
PQ=8-4x/3

よって、RBの長さは、8-(8-4x/3)=4x/3です。

これで準備完了です。

立体AQD-BPE
=三角柱AQD-RPS+四角錐P-RSEB
例題1の5













立体AQD-BPEの体積が三角柱ABC-DEFの体積の1/6になる」とあるから、この文を方程式にして、
例題1の6

















以上より、AQの長さは(9−3√7)cmです。




例題2:図のように、底面の1辺の長さが√3cm、高さが6cmの正三角柱ABC-DEFがある。辺AD、BE、CF上にそれぞれAP=1cm、例題2BQ=2cm、CR=3cmとなるように点P、Q、Rをとる。
(1)△PQRの面積を求めよ。
(2)この正三角柱を3点P、Q、Rを通る平面で切ったとき、大きい方の立体の体積を求めよ。












(解答)
(1)△PQRの面積を求めよ。

まず、「目に見える」ように、必要な数値や線を図にかき込みます。
例題2の2例題2の3















点Pを通り辺ABに平行な直線と辺BEとの交点をS、点Qを通り辺BCに平行な直線と辺CFとの交点をTとします。

三平方の定理より、PS=√3、SQ=1より、PQ=2
同様に、QT=√3、TR=1より、QR=2

例題2の4点Pを通り辺ACに平行な直線と辺CFとの交点をUとします。

PU=√3、UR=2だから、三平方の定理よりPR=√7












例題2の5
さらに解きやすいように、△QPRをかきます。

高さをxとすると、三平方の定理より、
例題2の6
















よって、△PQRの面積は√7×3/2×1/2=3√7/4です。



(2)この正三角柱を3点P、Q、Rを通る平面で切ったとき、大きい方の立体の体積を求めよ。
例題2の8
点Rを通り面DEFに平行な面で切って、下の三角柱と上の四角錐に分けます。

まず、下の三角柱の体積から求めます。
底面は1辺が√3の正三角形です。

例題2の7
三平方の定理より、正三角形の高さは3/2になります。

下の三角柱の体積は、
=底面DEF×高さ3cm
=√3×3/2×1/2×3
=9√3/4



次に、四角錐の体積を求めます。
底面(下の図の斜線部)は上底1、下底2、高さ√3の台形です。

例題2の9また、四角錐の高さは、正三角形ABCの高さと等しい3/2です。

以上より、四角錐の体積は、
(1+2)×√3×1/2×3/2×1/3=9√3/12









以上より、求める体積は、
9√3/4+9√3/12=3√3











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