文字が2個で一次の方程式を二元一次方程式といいます。
大阪府公立高校の入試ではよく出題されます。平成23年度の前期試験と文理学科試験でも出題されました。

前期3番(2):サトシさんは、図1の容器に入っているすべての水を1図2に示した2種類のコップAとコップBに移し入れることを考えた。
「底面の半径が4cm、高さが9cmの円柱」K個の体積と、「底面の半径が3cm、高さが6cmの円柱」L個の体積との和が、「底面半径が8cm、高さが18cmの円柱」と等しいときの自然数K、Lの値の組をすべて求めなさい。
















(解き方)
問題文「「底面の半径が4cm、高さが9cmの円柱」K個の体積と、「底面の半径が3cm、高さが6cmの円柱」L個の体積との和が、「底面半径が8cm、高さが18cmの円柱」と等しい」の部分を方程式にします。

円柱の体積を求める公式は「底面積×高さ」ですから、4×4×π×9×K+3×3×π×6×L=8×8×π×18
両辺が18でわれることに気づき、先に18でわって式を簡単にします。
8πK+3πL=64π
両辺がπでもわれることに着目します。
両辺をπでわります。
8K+3L=64

これで文字がKとLの2個の二元一次方程式ができました。

このときの式、8K+3L=64を成り立たせる「自然数K、Lの値の組をすべて求めなさい」が問題です。

文字が2個あるとき、式も2個あれば連立方程式として解を求めることができます。
式が1個であれば、他に条件が加わることで初めて解くことができます。
つまり、文字が2個で式が1つの二元一次方程式を解くためには、つけ加わる条件を見つけることが必須です。

この問題だと、KとLは容器の個数です。
個数だから、自然数でないといけません。

結局、この問題は、「方程式8K+3L=64を成り立たせる自然数KとLの組を求めなさい」という問題だということができます。

このような問題は、8K+3L=64のままでも解くことは可能ですが、正確に解くために、「等式の変形」の考え方を使って1つの文字を表わす式に変形するのがよい方法です。

8K+3L=64
移項して、8K=-3L+64
両辺を8でわって、K=-3/8L+8
2


この式で、Kを自然数にするには、右辺の項にある分数の分母8を消さないといけませんから、Lは8の倍数であることがわかります。

L=8のとき、K=-3+8=5です。
L=16のとき、K=-6+8=2です。
L=24のときは、K=-9+8=-1となってしまって、Kが自然数ではなくなるので、24以上の8の倍数は問題の条件に反します。

以上より、「自然数K、Lの値の組」は、K=5,L=8と、K=2,L=16です。


同じ23年度、文理学科の問題の1番の(5)も、二元一次方程式と規則性の問題でした。

文理学科1(5):関数y=−3/4x+k(kは定数)のグラフ上にある点のうち、x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数をSとする。ただし、kは正の整数とする。
(1)k=10であるときのSの値を求めなさい。
(2)kが3の倍数であるときのSの値をkを用いて表わしなさい。



(解き方)
(1)k=10であるときのSの値を求めなさい。
「関数y=−3/4x+10のグラフ上にある点のうち、x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数S」を求める問題です。

条件は、「x座標とy座標とがどちらも正の整数である」ことです。

yが正の整数であるためには、右辺の分数の分母である4が消えないといけませんから、xは4の倍数でないといけません。

x=4のとき、y=-3+10=7です。
x=8のとき、y=-6+10=4です。
x=12のとき、y=-9+10=1です。

xの値が4増えるごとにyの値が3ずつ減っていることで、やり方の正しいことを確認できますし、次のx=16だとyの値が負の数になるので上の3つ以外に解がないことも確かめられます。

以上より、点の個数Sは3個です。


(2)kが3の倍数であるときのSの値をkを用いて表わしなさい。
最初に問題を見たときは、どう解いたらよいのかすぐにはわかりませんでした。他の問題を解き終わってもどってきて、やっと解き方の見当がつきました。
「kが3の倍数である」ことからk=3nなどとする問題ではなくて、k=3、6、9、・・・となるときのSの個数について、規則性を見つける問題ではないかと考えました。


k=3のとき、y=-3/4x+3。このときk=4だとy=0となるので、「x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数S」は0

k=6のとき、y=-3/4x+6。このときk=4だとy=3、k=8だとy=0となるので、「x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数S」は1

k=9のとき、y=-3/4x+9。このときk=4だとy=6、K=8だとy=3、k=12だとy=0となるので、「x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数S」は2

kが3増えるごとにSが1増えるので、S=1/3k+( )の式になると見当をつけられます。
そして、k=3のときのSが0になるので、( )に入る数は−1です。

以上より、S=1/3k−1です。





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