平成23年度、大阪府公立高校入試後期Bの問題は、いつもの年より難しかった印象があります。
得点も低く、上位校の受験生でも、80点満点中40点を超えれば上出来だったようです。

その中でも特に解きにくかったのが大問の二、空間図形の問題でした。
この問題を見て、うんざりした受験生も多かったのではないでしょうか。


大問2:図1〜図3の立体は、点Pを中心とする半径3cmの円Pと点Qを中心とする半径3cmの円Qを底面とし、高さが9cmの円柱である。直線PQは底面に垂直である。
円周率をπとして、次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむかたちになる場合は、その形のままでよい。

図1(1)図1、図2において、Rは線分PQ上にあって、P,Qと異なる点である。点Rを中心とする円Rは半径が3cmであり、円Rをふくむ平面は円柱の底面と平行である。四角形ABCDは、AB=DC=8cm、BC=AD=4cmの長方形である。B,Cは、円Pの周上にあって、A,Dは円Rの周上にある。Sは、長方形ABCDの対称の中心であり、線分PQ上にある。Eは、Dを通り直線PQに平行な直線と円Pとの交点である。BとEとを結ぶ。このとき、直線DEは円Pをふくむ平面と垂直であり、線分BEは円Pの直径である。

[1]図1において、

(ア)円Pと円Qを底面とする円柱の表面積を求めなさい。

(イ)線分DEの長さを求めなさい。求め方をも書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。





[2]図2において、Fは、辺BCの中点である。SとFとを結ぶ。Gは、Pから線分SFにひいた垂線と線分図2SFとの交点である。線分PGの長さを求めなさい。



















(2)図3において、Tは線分PQ上にあって、P,Qと異なる点である。点Tを中心とする円Tは半径が
図33cmであり、円Tをふくむ平面は円柱の底面と平行である。立体HIJ-KLMは三角柱である。△HIJは、∠JHI=90°、HJ=HI=2cmの直角二等辺形である。△HIJ≡△KLMである。四角形HKLI,JMLI,JMKHはすべて長方形であって、長方形HKLI≡四角形JMKHである。HK=8cmである。K,Mは円Pの直径上にあって、KP=MPである。H,Jは、円Tの周上にある。このとき、平面HKLIは円柱の底面に垂直である。Nは、円Tをふくむ平面と辺ILとの交点である。NとH、NとJとをそれぞれ結ぶ。このとき、△JHNは、∠JHN=90°の直角三角形である。三角すいI-JHNの体積を求めなさい。













(解き方と解答)
[1]図1において、

(ア)円Pと円Qを底面とする円柱の表面積を求めなさい。

図1の2
基本的な問題なので、きちんと正解して点をとっておかないといけません。

表面積=底面積+側面積と考えて、一つずつ落ち着いて解いていきます。

まず、底面積から求めます。
半径3cmの円が上と下に2つあるので、
(3×3×π)×2=18π
です。

次に側面積を求めます。
展開図をかいたとき、縦が9cm、横が底面の円周と等しい3×2×π=6πの長方形となりますから、
9×6π=54π
です。

よって、18π+54π=72π平方cmとなります。


(1)図1、図2において、・・・四角形ABCDは、AB=DC=8cm、BC=AD=4cmの長方形である。・・・Sは、長方形ABCDの対称の中心であり、・・・。
[1]図1において、
(イ)線分DEの長さを求めなさい。求め方をも書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。

図1の3

図がわかりにくいので、早合点しないで、きちんと根拠を考えながら解いていく必要があります。

まず、△DBCは∠DCB=90°の直角三角形だから、三平方の定理よりDB^2=4^2+8^2
DB^2=16+64
DB^2=80
DB>0より、
DB=4√5

次に、△DEBは∠DEB=90°の直角三角形だから、三平方の定理より
DE^2+6^2=(4√5)^2
DE^2+36=80
DE^2=44
DE>0より、
DE=2√11


[2]図2において、Fは、辺BCの中点である。SとFとを結ぶ。Gは、Pから線分SFにひいた垂線と線分図2の2SFとの交点である。線分PGの長さを求めなさい。

空間図形の問題を考える際のコツは、『求めないといけない辺がふくまれている平面見つけて、平面で考える』です。

この問題では、△SPFがその平面です。

まず、[1]で求めたDE=2√11と「Sは、長方形ABCDの対称の中心」より、SP=√11です。

同様に、AB=DC=8cmより、SF=4cmです。

以上より、△SPFは∠SPF=90°の直角三角形だから、三平方の定理より、
(√11)^2+PF^2=4^2
11+PF^2=16
PF^2=5
PF>0より、
PF=√5

そのあと、公立高校入試でしばしば出題される、『同じものの面積(または体積)を2通りの方法で表わして方程式をたてる』で解いていきます。

△SPFの面積を求める式を2通り考えます。

SFを底辺、PGを高さと見ると、△SPFの面積を求める式は、
4×PG×1/2

∠SPF=90°だから、PFを底辺、SPを高さと考えると、△SPFの面積を求める式は、
√5×√11×1/2

この2つの式は、ともに△SPFの面積を求める式で等しいから、
4×PG×1/2=√15×√11×1/2
4PG=√55
よって、PG=√55/4cm


最後に、さらにややこしい問題が待っています(私は次の問題を解くのに1週間かかりました)。

(2)・・・立体HIJ-KLMは三角柱である。△HIJは、∠JHI=90°、HJ=HI=2cmの直角二等辺 形であ図3の2る。・・・HK=8cm である。・・・KP=MPである。・・・△JHNは、∠JHN=90°の直角三角形である。三角すいI-JHNの 体積を求めなさい。

まず、△HPKは∠HKP=90°の直角三角形だから、三平方の定理より、
HP^2=1^2+8^2
HP^2=1+64
HP^2=65
HP>0より、
HP=√65

次に、点Hから底面の円Pに垂線をひき、円Pの円周との交点を点Oとします。

△HOPが∠HOPの直角三角形で、OP=3cm(半径)だから、
HO^2+3^2=(√65)2
HO^2+9=65
HO^2=56
HO>0より、
HO=2√14

次に、△HOKが、∠HOK=90°の直角三角形だから、
OK^2+(2√14)^=8^2
OK^2+56=64
OK^2=8
OK>0より、
OK=2√2

最後に、∠IHN=∠OHK=90°-∠NHK、∠HIN=HOK=90°より△HIN∽△HOKだから、
2√14:2=2√2:IN
この式を解いて、IN=2√7/7

以上より、三角すいI-JHNの体積は、
底面積×高さ×1/3
=2×2×1/2×2√7/7×1/3
=4√7/21


こんなに手間がかかるはずはないので、もっとずっと簡単な解き方があるか、私の解き方のどこかが間違っているかのどちらかだと思うのですが、どなたか教えていただければありがたいです。


10時間後の追記:自分の書いたものを見て、思いつきました。

まず、△OKPは∠OKP=90°の直角三角形だから、三平方の定理より
図の3の3OK^2+1^2=3^2
OK^2+1=9
Ok^2=8
OK>0より、
OK=2√2

次に、∠HOK=90°の直角三角形HOKで、三平方の定理より、
HO^2+(2√2)^2=8^2
HO^2+8=64
HO^2=56
HO>0より、
HO=2√14

次に、∠IHN=∠OHK=90°-∠NHK、∠HIN=HOK=90°より△HIN∽△HOKだから、
2√14:2=2√2:IN
この式を解いて、IN=2√7/7

以上より、三角すいI-JHNの体積は、
底面積×高さ×1/3
=2×2×1/2×2√7/7×1/3
=4√7/21

だいぶ「まし」になりましたが、もっといい解き方がありそうな気もします。



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