グラフ上に1点があり別の場所に線分があるとき、点Pを通る直線y=ax+bの傾きaや、切片bの範囲を求めさせる問題があります。


例題1:図のように、点P(0,2)、A(2,5)、B(3,1)がある。点Pを通る直線y例題1=ax+2が線分ABと交わる(共有点をもつ)とき、aの値の範囲を求めなさい。










(解き方・考え方)

1、準備関数の問題を解くときの鉄則

関数のグラフの応用問題は、座標を記入し、座標で考えると必ず解くことができます。
さらに、目に見える形にする、も必須です。

例題1の2座標を記入」し、「目に見える形」にすると、左の図のようになります。

そして、「座標で考える」と、直線y=ax+2が線分ABと交わる(共有点をもつ)とき、点Aを通るときに一番右上がりの度合いが大きく、点Bを通るときが一番右下がりの度合いが大きいことがわかります。

つまり、aの値の範囲を求めるには、線分ABの両端である点Aと点Bを通るときだけを考えたらよいことがわかります。





2、かきこんだ座標とグラフを見て解く

そして、aの範囲を求めたらよいのですが、aは直線の傾きです。
例題1の3
点Pを通る直線y=ax+2が点Aを通るとき、点Pから点Aへ行くには右へ2進んで上に3上がるので、このときの傾きは3/2であり、これが傾きaが一番大きいときです。

点Pを通る直線y=ax+2が点Bを通るとき、点Pから点Bへ行くには右へ3進んで下に1下がるので、このときの傾きは-1/3であり、これが傾きaが一番小さいときです。

以上より、aの範囲は、-1/3≦a≦3/2です。




例題2:点A(1,3)、B(3,3)がある。直線y=2x+bが線分ABと交わる(共有点をもつ)とき、bの値の範囲を求めなさい。


(解き方・考え方)

1、準備関数の問題を解くときの鉄則

例題3座標を記入し、座標で考える
さらに、目に見える形にする

例題1は、切片が決まっているときに傾きaの範囲を求める問題でした。
この問題は、傾きが決まっているときに切片bの範囲を求める問題です。

bの値の範囲を求めるのに、線分ABの両端である点Aと点Bを通るときだけを考えたらよいことは共通です。


2、かきこんだ座標とグラフを見て解く

まず、直線y=2x+bが点A(1,3)を通るとき、「通る=代入」と考えて、式y=2x+bにx=1、y=3を代入するとbの値を求められます。

3=2×1+b
3=2+b
b=1

次に、直線y=2x+bが点B(3,3)を通るとき、同様に、
3=2×3+b
3=6+b
b=-3


以上より、-3≦b≦1


次の問題は、難問です。

例題3:4点A(3,6)、B(5,2)、C(-2,-2)、D(-4,-2)があり、線分AB上の点と線分CD上の点を通る直線をy=ax+bで表わすとき、次の問例題2いに答えなさい。
(1)aの値の範囲を求めよ。
(2)bの値の範囲を求めよ。
(3)a+bの値の範囲を求めよ。




小問を1つずつ考えていきましょう。





(1)aの値の範囲を求めよ。

(解き方・考え方)

1、準備関数の問題を解くときの鉄則

例題2の2座標を記入し、座標で考える
さらに、目に見える形にする


2、かきこんだ座標とグラフを見て解く

図を見たらわかるように、直線が点Bと点Dを通るとき、傾きaは最も小さくなります。

このとき、右に、点Dのx座標-4から点Bのx座標5まで9進み、上に、点Dのy座標-2から点Bのy座標2まで4進むので、傾きは4/9です。

次に、直線が点Aと点Cを通るとき、傾きaは最大です。
このとき、右へ5進んで上に8進むので、傾きは8/5になります。

以上より、aの範囲は4/9≦a≦8/5です。


(2)bの値の範囲を求めよ。

1、準備関数の問題を解くときの鉄則

例題2の3座標を記入し、座標で考える
さらに、目に見える形にする


2、かきこんだ座標とグラフを見て解く

図を見たらわかるように、直線が点Bと点Cを通るとき、切片bは最も小さくなります。

このときのbの求め方ですが、2点を通る直線の式を求める方法が速いでしょう。
y=ax+bにB(5,2)と(-2,-2)を代入し、連立方程式をつくり、連立方程式を解いてaとbを求めます。
2=5a+b
-2=-2a+b
この連立方程式を解いて、a=4/7、b=-6/7

次に、直線が点Aと点Dを通るとき、切片bは最も大きくなります。
y=ax+bにA(3,6)とD(-4,-2)を代入し、連立方程式をつくり、解きます。
6=3a+b
-2=-4a+b
この連立方程式を解いて、a=8/7、b=18/7

以上より、bの範囲は-6/7≦b≦18/7


(3)a+bの値の範囲を求めよ。

aの範囲が4/9≦a≦8/5であり、bの範囲が-6/7≦b≦18/7だから、4/9+(-6/7)≦a+b≦8/5+18/7で求められそうですが、誤りです。

なぜなら、例えば傾きが4/9のとき、切片は-6/7ではありません。

2つの線分ABとCDの両方を通る1本の直線のa+bを考えないといけないので、aの最小値とbの最小値、aの最大値とbの最大値を単純にたすことはできないのです。

では、どうしたらよいのか?

y=ax+bの式で、x=1を代入したらy=a+bになることに気づかないと、おそらく解けません。
x=1のときのyの値を求めたら、a+bの値を求めることができるのです。

例題2の4線分ABと線分CDの両方を通る直線のうち、x=1のときのy座標が一番小さいものは、2点BCを通る直線です。

このとき、BとCを通る直線の式はy=4/7x-6/7でした。

この式にx=1を代入すると、y=-2/7になります。

つまり、x=1のときのy=a+b=-2/7であり、これがa+bの最小値です。


次に、線分ABと線分CDの両方を通る直線のうち、x=1のときのy座標が一番大きいものは、2点ADを通る直線です。

このとき、AとDを通る直線の式はy=8/7x+18/7でした。

この式にx=1を代入すると、y=26/7になります。

つまり、x=1のときのy=a+b=26/7であり、これがa+bの最大値です。


以上より、-2/7≦a+b≦26/7




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