小学生が苦手な「速さ」の問題を楽に解くために、みなさんに提案したい1つの試案です。

速さの問題を、買い物の問題と同じだと考えたら、簡単に解くことができます。


買い物の問題

1個40円のリンゴを2個買ったら代金はいくらか?
誰が考えたって、40×2=80円です。・・・(1)

1個40円のリンゴを何個か買ったら代金が120円だった、何個買ったか?
すぐに120÷40=3個だとわかります。・・・(2)

リンゴを4個買ったら代金は160円だった、リンゴ1個の値段はいくらか?
160÷4=40円、この問題ができない人はいないでしょう。・・・(3)

速さの問題も、まったく同じように解くことができます。


速さの問題

1、距離を求める問題

「時速40kmで進む自動車は2時間で何km進みますか。」という問題を考えてみましょう。

リンゴにも、いろいろな値段のものがあります。
1個40円リンゴとは、そのリンゴ1個40円だという性質をもっているという意味です。

同じように、時速40kmで進む自動車とは、その自動車1時間に40km走るという性質を持っているということです。

だから、1個40円のリンゴを2個買うと代金が40×2=80円になるのと同様に、
リンゴの場合1










時速40kmの自動車が2時間走ると進んだ距離は40×2=80kmとなります。
自動車の場合1








2、時間を求める問題

「時速40kmで進む自動車が、A地から120km離れたB地まで行きます。A地からB地まで何時間かかりますか。」という問題を考えます。

1個40円のリンゴを120円分買ったときにリンゴの個数を求める問題と同じです。
リンゴの場合2
120÷40=3個






自動車の場合2
120÷40=3時間








3、速さを求める問題

最後は、ある自動車が持っている性質=「速さ」を求める問題です。
「160kmの道のりを4時間で走る自動車の速さは時速何kmですか。」

リンゴの場合3
160÷4=40円






自動車の場合3

160÷4=40km








このように、速さ=時速40kmをその車がもっている性質と考えると、やさしい買い物の問題と同じように考えて解くことができるわけです。

時速40km1個40円と同じ
距離代金にあたる
時間個数にあたる


1段階だけ難しい問題を、提案した考え方で解いてみましょう。

例題1:時速96kmで走る列車は15分間に何km走りますか。

(解答)
時速96kmの列車は、列車1個分、つまり1時間で96km進みます。
時速96kmの列車が15分間の分だけあったらいくらになるかと考えます。

「時間」ではなく列車の場合て15「分」なので、15分が、時速96kmの列車の何個分か、つまり何時間分かを調べないといけません。

1時間=60分のうちの15分だから、15分は60分の15/60=1/4、1/4時間です。

よって、96×(1/4)=24kmです。




例題2:時速725kmで飛ぶジェット機は、2320kmを何時間何分かかって飛びますか。


(解答)
2320kmの中に、時速725kmのジェット機が何個分(=何時間分)あるか?と考えます。

飛行機の場合2320÷725=3.2時間です。

3時間と、残りが0.2時間です。
0.2時間は、1時間=60分の0.2倍ですから、60分×0.2=12分。

答えは3時間12分です。


例題3:45分間で21.6km走るオートバイは時速何kmですか。

(解答)
45分で21.6kmだと、1時間(=オートバイ1個分)は何kmになるのかを求めます。

オートバイの場合45分は、1時間(60分)の45/60=3/4です。

3/4倍が21.6だから、
21.6÷(3/4)=21.6×(4/3)=28.8km

時速28.8kmです。





私の意見

ほとんどの人は、「速さ」の問題が何か特別の分野であるような先入観があって、
距離=速さ×時間
速さ=距離÷時間
時間=距離÷速さ

の公式をいきなり覚えたり、さらにはこの3つの公式が覚えにくいということで、キ・ハ・ジとかハ・ジ・キとかで暗記したりしています。

3つの式が不要とまでは言えませんが、距離=速さ×時間、速さ=距離÷時間、時間=距離÷速さの公式をまず覚えないといけない、それだけが速さの問題を解く唯一の方法であるという思い込みは、実は根拠のない固定観念ではないでしょうか。

「速さ」の問題も全然特別なものではなくて、実は買い物の問題などのやさしい問題と同じ発想で解けます。





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