(この稿は小学生向けです。中学理科の浮力についてはこちらをご覧ください。)

浮力とは


ばねはかりにものをつるし、目盛りを読むとAgであったとします。
次にものを水中に入れて、ばねはかりの目盛りを読むとBgだったとします。

このとき、A>Bとなります。
浮力1
ものを水中に入れると、入れる前よりばねはかりの目盛りは小さくなる、つまり、軽くなったようにみえます

また、空気中だと手を離すと下に落ちる木が、水には浮きます。

なぜでしょうか?

地球上にあるすべてのものには、地球がものを真下(地球の中心)に向かって引く力(これを重力といいます)がはたらいています。
だから、支えないと、ものは地面に向かって落ちるのです。

水中にあるものにも重力は当然はたらいています。

水中にあるものが軽くなったように見えるのは、下向きにはたらく重力に逆らう、上向きの力がはたらいているからです。
水中にあるものにはたらいている、この上向きの力のことを浮力(ふりょく)といいます。

浮力2ものをばねはかりにつるしただけのときは、ものには重力しかはたらいていません。
このとき、ばねはかりの目盛り=重力です。

ものを水中に入れたとき、下向きに重力がはたらき、ばねはかりを下に引きますが、上向きの浮力もはたらき、ばねはかりを下に引く力は、重力浮力となります。

浮力をひく分だけ、水中にあるものは軽くなったように見えるわけです。


浮力が生まれる理由

自分の体に布団をのせていくことを想像してください。
上にのる布団の枚数が増えるほどぎゅうっと押されるはずです。

水中にあるものは、体の上に布団をのせるのと同じで、上にのった水からぎゅうっと押されます。
この、水が押す力のことを水の圧力(=水圧といいます。

深いほど上にのる水の量も増えるので、水圧も大きくなります。
つまり、水圧深さ比例します。

浮力3左の図で、水の圧力は深さに比例するので、水圧C<D<E<Fとなります。

ところが、水圧のうち、DやEは、D1=D2、E1=E2だから、左から押す力と右から押す力がお互いに打ち消しあって、力としては0になります。

結局、上から下にものを押す圧力Cと、下から上にものを押す圧力Fだけが残ります。

この、下に押す圧力Cと、上に押す圧力Fとの差によって生まれるのが浮力です。

水の圧力は深さに比例するので、C<Fとなり、水中にあるものには常に上向きの力である浮力がはたらいていることになります。


アルキメデスの原理

水中にあるものの上にのっている水の重さを考えてみましょう。

体積=底面積×高さの公式より、深さがacmのとき、ものの上の面より上にある水の体積は、上の面の面積×深さaです。

同じように、ものの下の面より上にある水の体積は、下の面の面積×深さbです。

水の体積の差は、上の面の面積と下の面の面積が等しいときは、
下の面の面積×深さb-上の面の面積×深さa
=面積×(b-a)
=面積×ものの高さ
=ものの体積

そして、水は1立方cm=1gです。
だから、ものの体積水の重さの差は一致します。

水の体積の差=ものの体積=水の重さの差=浮力

つまり、ものが全部水の中にあれば、ものの体積浮力の値は一致します。

この関係はアルキメデスが発見したのでアルキメデスの原理といわれます。
アルキメデスは、「ものを水に入れると、ものがおしのけた体積の水の重さと同じだけ軽くなる」と記述しました。

「ものがおしのけた体積」=「ものの体積」であり、水の体積1立方cm=水の重さ1gですから、単位はちがいますが、
水中の体積浮力
と覚えると、問題を解くときに使いやすくなります。


まとめ

1、ものの重さ-水に入れてはかったものの重さ=浮力

2、浮力=(水中の)ものの体積


(例)
あるものの重さをばねはかりではかったら150gで、ものを完全に水に入れてばねはかりで重さをはかったら100gであったとします。
このときはたらいている浮力は、150-100=50gです。

また、浮力=(水中の)体積だから、このものの体積は50立方cmです。

逆に、重さが150g、体積が50立方cmのものを完全に水に入れて重さをはかると、(水中の)体積と等しい浮力がはたらくので、ばねはかりの目盛りは150-50=100gになります。


次の稿で、浮力のいろいろな問題をとりあげます。


(注)中学校では、重さと質量を区別し、質量の単位としてgとkg、重さと力の単位としてN(ニュートン)をもちいます。
小学校範囲では、質量と重さ・力を区別しないし、単位のN(ニュートン)も使わないので、この稿でも質量、重さ、力の区別はあいまいなまま記述しています。



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