分数に整数をかけて、答えが整数になるとき

例えば、分数1/3にどんな整数をかけたら、答えが整数になるでしょうか?
分数×整数の1分数×整数の2
答えが整数になるのは、分母とかけた整数を約分して、分母が1になるときです。

分母が3であれば、3、6、9、・・・などの3の倍数をかけたら、答えは整数になります。


確認:分数に、分母倍数をかけたら答えは整数になる。


分数に分数をかけて、答えが整数になるとき

例えば、分数6/7にどんな分数をかけたら、答えが整数になるでしょうか?
分数×分数の1分数×分数の2答えが整数になるのは、もとの分数とかけた分数を約分して、どちらの分母も1になるときです。

例えば、もとのかけられる分数が6/7であれば、分母の7が約分で1になるように、かける分数の分子は7の倍数でないといけません。
さらに、かける分数の分母も約分で1にならないといけないので、もとの分数の分子がかける分数の分母の倍数であること、言い換えると、かける分数の分母は、もとの分数の分子の約数でないといけません。

つまり、もとの分数が6/7であれば、分子分母7の倍数であるとき、そして分母分子6の約数であるとき、答えが整数になります。

確認:分数に、分子もとの分数の分母倍数で、分母がもとの分数の分子の約数の分数をかけたら答えは整数になる。

分数×分数のまとめ





2つの分数に分数をかけて、答えが整数になるとき

例えば、2つの分数6/5、4/7にそれぞれ同じ分数をかけて答えが整数になるようにしたいとき、どんな分数をかけたらよいでしょうか?

分子もとの分数の分母倍数で、分母がもとの分数の分子の約数の分数をかけたら答えは整数になる」より、かける分数は、分子がもとの分数の分母である5と7の倍数(2つの数の共通の倍数だから公倍数)で、分母がもとの分数の分子である6と4の約数(2つの数の共通の約数だから公約数)でないといけません。

5と7の公倍数は35、70、・・・で、6と4の公約数は1と2ですから、答えは35/2、70/2、105/2・・・ということになります(分母が1であれば分数ではなくて整数ですから、分母が1の場合は除外したほうがよいでしょう)。

確認:2つの分数にかけて答えが整数になる分数は、分子がもとの2つの分数の分母公倍数で、分母がもとの2つの分数の分子公約数である。

覚え方:答えが整数になる分数は、分子公倍数分母公約数


例題1:5/3、15/7、20/9に、できるだけ小さいある分数をかけて整数にしたい。かける分数を求めなさい。

(解き方)

分子公倍数分母公約数」を使います。

分子は、かけられる分数の分母である3、7、9の公倍数ですから、63、126、・・・です。

分母は、かけられる分数の分子である5、15、20の公約数ですから1か5です。

ところが、この問題では、「できるだけ小さい分数」という条件が加わっています。
分数は、分子が小さいほど、そして、分母が大きいほど、小さい分数です。
だから、分子の公倍数は最小公倍数、分母の公約数は最大公約数でないといけません。

以上より、答えは63/5です。

確認:できるだけ小さい分数」は、分子最小公倍数分母最大公約数のときである。


例題2:88/15をかけても、25/144でわっても整数になる分数の中で、最も小さい分数を求めなさい。

(解き方)

かけられる数とかける数が入れ替わっても解き方は同じです。

そして、「25/144でわる」は「144/25をかける」ことになりますから、「わる」を「逆数をかける」と考えると、やはり解き方は今までと同様です。

88/15と、逆数144/25の、「分子公倍数分母公約数」を見つけます。
問題に「最も小さい分数」とあるので、「分子最小公倍数分母最大公約数」です。

分子は、15と25の最小公倍数だから75です。

分母は、88と144の最大公約数だから8です。

よって、答えは75/8です。




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