アメリカの児童書出版社Scholastic社のサイト内に、先生向けの教育情報を共有するサイト『Teachers』があります。
サイト内のNEWS & FEATURESからニュース記事を取り上げて、英語の学習をしながら時事問題を学んでいこうという試みです。

今日取り上げる記事は、2011年9月11日『Looking Back(回顧)』です。
9/11同時多発テロ事件から10年、アメリカ国内の動きを紹介した記事です。


英字新聞の記事の構成

新聞記事は、3つの部分で構成されます。
1.headline(見出し)
2.lead(書き出し文)
3.body(本文)

題名の『Looking Back(回顧)』がheadline(見出し)です。

lead(書き出し文)のあと、body(本文)としてAMERICA IN MOURNING(喪に服すアメリカ)と、A DAY OF SERVICE(奉仕の日)の2つが続きます。


-Lead-

Ten years ago today, terrorists attacked the United States. (10年前の今日、テロリストが合衆国を攻撃した)

「アメリカの国土に対する最悪の攻撃だった。約3000人が亡くなった。」

私達はこの攻撃が9月11日に起こったので、9/11と呼ぶ。

「テロリストは武器で脅かして4機の飛行機を支配下におき、2機を世界貿易センターのツインタワーに衝突させ、ニューヨークで最も高い建物であったビルを崩壊させた。」

「他の1機をバージニア州アーリントンのアメリカ軍の本部、ペンタゴンに衝突させた。」

「4機目はペンシルバニア州のシャンクスビルに墜落した。」



-重要文-

We call this day 9/11 because the attacks happened on September 11.


call+A+B AをBと呼ぶ

because 〜だから

happen 起こる

on September 11 9月11日に



-body 1-

AMERICA IN MOURNING(喪に服すアメリカ)

「10年前4機の飛行機が墜落した時刻に、国中で人々は黙祷をささげ、多くの町でテロの犠牲者とテロの後の2つの戦争(アフガニスタン侵攻とイラク戦争)の死者を悼む鐘が鳴らされた。」

「何千人もの関係者が世界貿易サンタービルがあった地に集まり、多くの人が死者の名が書かれた銘板のそばに花をたむけた。」

「追悼式典でブルームバーグ・ニューヨーク市長は、『我々の隣人・友人・夫・妻・兄弟・姉妹・子・親であった2983人の無辜の人々が亡くなりました。私たち一人ひとりがニューヨークで、ワシントンで、ペンシルバニアで失った人を忘れないように、私は、犠牲者の家族の方々に、この地に集まり、犠牲者の名を呼びかけてほしいとお願いしてきました。』と述べた。」


-重要文-

We have asked their families to come here to speak the names out loud to remind each of us of a person we lost in New York, in Washington and Pennsylvania.

ask+their families+to come here・・・「犠牲者の家族にここに来てくださるように頼む」
ask+人+to〜 人に〜するように頼む

to remind・・・「思い起こさせるために」
不定詞の副詞的用法です。

remind each of us of a person・・・「私たち一人ひとりに人を思い出させる」

remind A of B AにBを思い出させる

a person we lost in〜 「私たちが〜で失った人」
we lost〜以下が、名詞a personを修飾している形容詞節です。



「バラク・オバマ大統領と、テロ事件時に大統領であったジョージ・w・ブッシュ前大統領もツウィン・タワーの跡地にできた記念碑の除幕式に参列した。」

式典で、オバマ大統領は祈りを捧げ、ブッシュ前大統領は南北戦争で5人の子どもを失った母親にあてて書かれたアブラハム・リンカーンの手紙を朗読した。


-重要文-

At the ceremony, President Obama read a prayer, and former President Bush read a letter written by Abraham Lincoln for a mother whose five sons were killed during the Civil War.


At the ceremony 「式典で」

a prayer 「祈り」

a letter written by Abraham Lincoln・・・「アブラハム・リンカーンによって書かれた手紙」
written by〜は、前のa letterを修飾する過去分詞です。

a mother whose five sons were killed・・・「5人の息子が戦死した母」

whoseは所有格の関係代名詞で、先行詞a motherをwhose five sons〜以下がうしろから修飾しています。

during the Civil War・・・「南北戦争中に」



「他にも多くの記念碑がこの日アメリカ各地で公開された。」

「ワシントンでは、副大統領の(Vice President)のジョー・バイデンがペンタゴンで弔意を示す人たちを前に話した。『希望は悲劇から生まれます。』シャンクスビルで、夕闇の中、犠牲者のために3000のろうそくに灯がともされた。」


-body 2-

A DAY OF SERVICE(奉仕の日)

「事件以後10年、9月11日はアメリカでは社会奉仕の日になっている。」

多くの人が、9/11以後どれだけアメリカ人がお互いに守りいやされたかを忘れないように、大小の企画をとおして地域社会に貢献している。


-重要文-

Many people give back to their communities through projects large and small to remember how Americans supported and cared for one another after the 9/11 attacks.

give back to・・・「戻す」

through projects・・・「企画(事業)をとおして」

to remember・・・「思い起こすために」
不定詞の副詞的用法です。


how Americans supported and cared・・・「どれだけアメリカ人が守られいやされたか」
how以下は間接疑問文です。

one another・・・「お互いに(=each other)」



「ニュー・ジャージー州では学生が公園を掃除し、通りを清掃した。フロリダ州ではボランティアが海外に派遣された米軍部隊に慰問小包を送った。ミネソタ州やカリフォルニア州ではボランティアが家の修復に助けを必要とする隣人を手助けした。メリーランド州では300人以上のボランティアが軍人家族の子どもたちの運動場を作るために集まった。」

オバマ大統領は最近の演説で次のように述べた。『ほんのわずかな奉仕活動でも、最も小さい親切でも、テロの犠牲者に敬意を表わす方法であり、9/11に続く団結心を取り戻す方法である。』


-重要文-

President Obama said in a recent speech, "Even the smallest act of service, the simplest act of kindness, is a way to honor those we lost—a way to reclaim that spirit of unity that followed 9/11."


Even・・・「〜でさえ」

a way to honor・・・「敬意を表わす方法」
a way to reclaim・・・「取り戻す方法」
不定詞の形容詞的用法で、うしろから名詞のa wayを修飾しています。

those we lost・・・「私たちが失った人々」
we lostはthose(=people)をうしろから修飾する形容詞節です。



-記事を読んでの感想-

アメリカという国にはアメリカの正義が、アメリカの政策に敵対する人には別の正義があります。
人類はまだ、2つの正義の優劣を平和的に解決する方法を見つけられないでいます。
戦争は、あいいれない2つの正義の軍事的な衝突です。

戦争では、正義をかかげるどちらの側も敵を激しく憎悪し、憎い敵の殲滅をはかるので、戦争のやり方、遂行方法にルールがないと、戦闘行為は無際限に残酷なものになっていきます。

戦争は防げませんが、戦闘行為をおこなうに際し、戦争の惨禍を少しでも減らすために、戦争当事国のどちらの側も守らなければならない規則があることを国際社会は認めています。

その規則のことを国際法といいます。

どの国も、国際法を守らないといけないことは認めています。

そして、国際法のうち戦争に関する法規は、軍隊と軍事工場などに対する攻撃は認めますが、非軍事組織に対する無差別の攻撃を禁止しています。

軍隊ではない民間人の無差別な殺傷は明白な国際法違反です(太平洋戦争中のアメリカ軍による原子爆弾投下は明らかな国際法違反ですし、日本軍の「南京虐殺」が非難されるのもそれゆえです)。

テロが非難されるのは、テロが無差別に民間人殺傷をくわだてる国際法違反行為だからです。

アメリカは国際法違反の9/11同時多発テロに対して激しく怒り、テロ根絶を国の最優先の政策としました。

2001年10月、アメリカのブッシュ政権は同時多発テロを実行した組織アルカイダの拠点であったアフガニスタンを空爆し、アルカイダを支援していたタリバン政権を倒しました。

また、2003年3月、テロ支援国家であり、大量破壊兵器を製造していることを理由にイラクを攻撃し、イラク戦争を起こしました。

今も、治安の悪化したアフガニスタン、イラクにはアメリカ軍が駐留しています。

さらに、今年、2011年5月1日に、パキスタン国内にひそんでいた9/11同時多発テロの指導者、オサマ・ビン・ラディンをアメリカ軍特殊部隊が急襲して殺害しました。


この記事は、アメリカから見た9/11とアメリカの信奉する正義をえがいています。

南北戦争時のリンカーンの信書の引用や、9月11日を奉仕の日にしようとする動きなどに、アメリカ人の常に愛国心を高揚しようとする精神と、国威を発揚しようとする行動例を読み取ることができます。

アメリカ国旗










***** 英語の全目次はこちら、ワンクリックで探している記事を開くことができます。*****