2011年3月11日14時46分、東北地方の三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」が発生し、宮城県栗原市築館では震度7を記録しました。
震源と震度
地震にともなう津波で、三陸沿岸から関東地方沿岸の岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県にかけて壊滅的な被害が発生しました。

また、福島第一原子力発電所と福島第二原子力発電所の原子炉が地震によって自動停止し、福島第一原子力発電所2号機では電源喪失によるメルトダウン(炉心溶融)が起こり、原子力緊急事態宣言避難命令が発令されました。

死者は15,782人、行方不明者は4,086人(2011年9月判明分)。
約28万戸の建物が全半壊し、各地で火災も発生、ライフライン(電気・水道・ガスなどの生活に必須のものを供給する設備)が寸断されました。



地震が起こる原因

地球の表面は、プレート(plate)と呼ばれる、厚さ100kmほどの10数枚の岩盤におおわれています。
プレートには、大陸の下にある大陸プレートと海洋の下にある海洋プレートとがあり、海洋プレートは硬くて重いので、大陸プレートの下に沈みこんでいきます。
海洋プレートによって少プレートと地震しずつ下に曲げられる大陸プレートは、やがて耐えられなくなって境界で上に弾んでもとの形にもどろうとします。
これが地震です。





プレート日本列島は、西日本がユーラシアプレート(大陸プレート)、東日本が北米プレート(大陸プレート)の上にあり(2つのプレートの境界は静岡県と富山県を結ぶ線上)、日本の東側の海の下には太平洋プレート(海洋プレート)、南側の海の下にはフィリピン海プレート(海洋プレート)があります。
4つのプレートの境界に位置するのが日本であり、だから、地震が多いのです。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震は、北米プレート太平洋プレートによって起きた地震です。






震源と震央、震源からの距離

実際に地震が発生した地下の場所が震源です。
そのま上の地表を震央といいます。
震源と震央
ふつう、震源に近いほどゆれは大きく、震源から遠ざかるにつれてゆれは小さくなります。





マグニチュードと震度

地震そのものの規模を表す尺度がマグニチュードであり、その地震によって起きた各地のゆれの程度を表す指標が震度です。

マグニチュード
起こった地震そのもののエネルギーの大きさを表す単位がマグニチュードです。
震源から100km離れた場所にある地震計の最大振幅を計算式にあてはめて求めます。
マグニチュードが1違うとエネルギーは約32倍、2違うとエネルギーは1000倍になります(32×32=1024)。

震度は場所によって異なりますが、1つの地震のマグニチュードは1つしかありません。
また、震度は整数で表されますが、マグニチュードは小数第1位までの小数で表示します。

マグニチュードと地震の規模
8〜巨大地震
7〜大地震
5〜7中地震
3〜5小地震
1〜3微小地震
〜1 極微小地震

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震マグニチュード9.0でした。

震度
地震が起こったときに、それぞれの場所での「ゆれ」の大小(振動の様子)を表す階級が震度です。
日本国内600地点の震度観測点に置かれた計測震度計によって自動的に算出されます(1996年以前は、人体の感じ方や周囲の状況から推定していました)。
気象庁による震度階級として、「震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級をもちいます。

マグニチュードと違って、震度は場所によって異なります。
また、震度は整数で表します。

(震度とゆれの程度についてはこの稿の最後に詳しく載せています。)


津波とリアス式海岸

海底で地震が起こって海底に上下方向の地殻変動が生じたとき、海水がかき乱されて波として伝わるのが津波です。

津波は波と波との間隔が長いので沖合では波とわかりにくいのですが、海岸に近づいて海が浅くなると急に高さを増して津波となります。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震では、多くの場所で5m以上、場所によっては40mをこえる津波がおしよせ、多くの人の命を奪いました(3階建て建物の高さがだいたい7〜8mです)。

リアス式海岸
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震で津波の被害が大きかった理由の一つに、被災地の三陸海岸がリアス式海岸であることがあげられます。

リアス式海岸は、土地が沈降し、そのため海面が上昇した海岸(沈水海岸)で、山の間に海が入り込み、出たり入ったりの複雑な海岸線をもち、海は海岸から急に深くなっています。

リアス式海岸におしよせた津波は、進むにつれて狭くなる海岸によって高さを増し、大きな被害をもたらしました。

大陸プレートと海洋プレートの境界で大陸プレートが沈むことがリアス式海岸ができる原因の一つです。
三陸海岸が歴史上何度も地震と津波の被害にあっているのはそのためです。


地震に対する備え

緊急地震速報
地震が起こると、まず速度の速いP波(縦波)が到達して初期微動が始まり、その後に遅いS波(横波)が到達して大きいゆれである主要動が起こります。
この性質を利用して、主要動の始まる前に初期微動の観測データからテレビ・ラジオなどで地震に対する警戒を呼びかけるシステムが緊急地震速報です(2007年から開始)。
人々の避難行動をうながし、列車やエレベーターを制御することができます。

津波警報
気象庁が出す、津波の発生・規模・範囲・時刻を知らせる警報です。
津波警報が出たら、できるだけ高い場所にすばやく避難する必要があります。

ハザード・マップ
津波や洪水、火山の噴火などの自然災害に備えて、被害が予想される区域、住民の避難場所などを示した地図をハザード・マップといいます。
地方自治体が作成し、住民に避難勧告を出すときの指針となります。

避難場所
市町村が、地域防災計画の中で地区ごとに指定します。
緊急避難の際の「一時避難場所」と、被災者が一定期間避難生活をする「避難所」に分かれます。

非常持出し袋
総務省消防庁は、以下のものを非常持ち出し袋に常備するようにすすめています。
印かん、現金、救急箱、貯金通帳、懐中電灯、ライター、缶切り、ロウソク、ナイフ、衣類、手袋、ほ乳びん、インスタントラーメン、毛布、ラジオ、食品、ヘルメット、防災ずきん、電池、水。


(資料)
震度階級とゆれの程度

震度0 人は揺れを感じないが、地震計には記録される。          
震度1 屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。          
震度2 屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。
電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。     
震度3 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。眠っている人の大半が、目を覚ます。
棚にある食器類が音を立てることがある。電線が少し揺れる。
震度4 ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。
電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。
座りの悪い置物が、倒れることがある。
電線が大きく揺れる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。
震度5弱 大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。
電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。
まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。道路に被害が生じることがある。
震度5強 大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。
棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。テレビが台から落ちることがある。固定していない家具が倒れることがある。
窓ガラスが割れて落ちることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。据付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。自動車の運転が困難となり、停止する車もある。
震度6弱 立っていることが困難になる。
固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。
壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。
震度6強 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。
固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。
壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物が多くなる。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。
震度7 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。
固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶものもある。
壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。補強されているブロック塀も破損するものがある。





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