円の問題を解くときによく使う技(わざ)は、(1)全体-白、(2)分配法則、(3)移動の3つです。

全体-白
斜線の部分、かげをつけた部分の面積を求めるときは、「全体から白い部分をひく」の技を使います。

例題1:次の図でかげをつけた部分の面積を求めなさい。
例題1








(解答)

全体の直角二等辺三角形から、白い部分のおうぎ形の面積をひけばよい。

全体は、1つの角が45°の直角二等辺三角形だから、底辺も高さも8cmだと考えます。
三角形の面積は、8×8÷2=32

白い部分は、半径が8cmで、中心角が45°のおうぎ形です。
まず、円全体のどれだけにあたるかを求めると、
45÷360=45/360=1/8
円の1/8にあたるおうぎ形だとわかったから、おうぎ形の面積は、
8×8×3.14×1/8=8×3.14=25.12

以上より、全体-白を求めると、
32-25.12=6.88


分配法則
分配法則とは、
A×(B+C)=A×B+A×C
と、その逆の、
A×B+A×C=A×(B+C)
が成り立つという計算法則です。

算数では、「式をできるだけ簡単にしてから計算する」ことが大原則です。
何も考えないでがむしゃらに計算する人は、計算法則、特に分配法則を上手に使って工夫して解く人に比べると、時間が5倍以上かかり、計算まちがいも5倍以上増えます。
「どうしたら簡単に計算できるか」を常に考えて問題を解くべきです。

例題2:次の図でかげをつけた部分の面積を求めなさい。
例題2









(解答)
かげをつけた部分の面積を求める問題なので全体-白で解きますが、分配法則A×B+A×C=A×(B+C)を利用して、一番簡単な式にしてから最後に計算をします。

全体は半径10cmの半円、白い部分は半径4cmと半径6cmの半円です。
全体-白より、
10×10×3.14÷2-4×4×3.14÷2-6×6×3.14÷2

3.14÷2の部分が共通なので、分配法則を使って、
(10×10-4×4-6×6)×3.14÷2
=(100-16-36)×3.14÷2
=48×3.14÷2
=24×3.14
=75.36


移動
小学生が面積を求めることができるのは、三角形四角形、そしておうぎ形だけです。
それ以外の形であれば、移動して、三角形、四角形、おうぎ形にしないと解けません。

例題3:次の図でかげをつけた部分の面積を求めなさい。
例題3の1












(解答)
このままでは、三角形でもおうぎ形でもないので解けません。
移動して、三角形おうぎ形にします。
例題3の2
左図のように移動したら三角形とおうぎ形の図形になることに気がつけば、解くことができます。

移動の仕方を見つけるポイントは、三角形おうぎ形にする、です。




次に、全体-白の技を使って、おうぎ形から三角形をひいたら解けると気づいたら、角度の45°から三角形の高さが4cmであることも見つけることができます。
例題3の3
以上の考察を経て、
半径8cmで中心角45°のおうぎ形の面積から、底辺8cmで高さが4cmの三角形の面積をひけばよいことがわかるので、

8×8×3.14×1/8-8×4÷2
=8×3.14-16
=25.12-16
=9.12




まとめ

(1)かげをつけた部分の面積=全体-白

(2)3.14がいくつか出てきたら分配法則を活用する

(3)移動して、三角形おうぎ形にしないと解けない問題がある




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