中学生は国語の副教材として国語文法の本を学校で購入します。
そして、定期試験のたびにその副教材から何問か出題されます。

試験前、テスト勉強をしている子どもたちから質問を受けることも多いのですが、どの副教材も説明の部分が貧弱で、「そりゃ、これではわからないのが当たり前」と思うことが多い。

塾専用教材(塾が採用する教材で市販されていないもの)も、国語文法のテキストは各社から発売されています。

そんな塾専用教材の中で、「これはいい、すごい!」と思わされるのが文理発行の『中学国文法の完成』です。


優れているところ

要点のまとめ」の部分
1、簡略なのに、必要なことのほとんどすべてが網羅されている。
2、中学生が理解できないであろう項目の解決策をはっきりと明示している。
3、記述が実戦的で、そのまま記憶すると問題をすらすら解けるようになる。

基本問題・発展問題」の部分
1、出題されたら中学生が困るであろう問題が必ず載っている。
2、掲載問題・1行ヒントと「要点のまとめ」の記述とが見事に対応している。
3、問題を解くことで、必要な知識がすっきりと頭に入る良問がそろっている。

解答集」の部分
1、「要点のまとめ」との一貫性が徹底している。
2、簡略だが、解説を読めばさらに目に見えて理解が深まる。

本当に国語文法をわかっている人が、テキストの隅々にまで見事な一貫性を保持して記述している名著だと思います。


素晴らしい記述の具体例

くやしいことに、ベテランの塾講師が「これは私だけの必殺技」だと自賛しているであろう解法のほとんどが、惜しげもなく掲載されています。

「主語・述語を見つけるときは、述語を見つけてから、「何(だれ)が」に当たる主語をとらえる。」(p6:文節の働き・文の成分)

「被修飾語を見つけるときは、まず文を文節に分ける。そして修飾語の位置を一文節ずつ、意味の通じる最も下のところまで下げる。そこにあるのが被修飾語である。」(p7)

「一つの文節には、自立語が必ず一つある。」(p16:単語の種類)

「終止形…言い切る形。「と・から・けれど」などに続く。」(p18:動詞)
「連体形…体言や「の・ので・のに」などに続く形。」(p18)

「補助動詞の例:ある・いる・おく・くる・みる・もらう」(p22:動詞)

「(形容詞の)未然形は「ない」に続かない。続くのは連用形。」(p24:形容詞)

「形式名詞は、普通平仮名で書く。」(p34:名詞)

「程度の副詞は、場所・方向・時間などを表す名詞を修飾することがある。(例)やや上。かなり昔。」(p38:副詞・連体詞)

「助動詞「だ」と形容動詞の見分け方は、「だ」を「な」に変えて体言に続けば形容動詞。続かなければ助動詞。(例)彼は静かだ。→○静かな人(形容動詞)・彼が日直だ。→×日直な人(助動詞)」(p59:助動詞)

「から…体言のあとなら格助詞。活用する語のあとなら接続助詞。」(p71:まぎらわしい語の識別)

「「お米」や「ご飯」などは、話し手が自分の言葉を上品にするために使うもので、これを特に美化語ということがある。」(p75:敬語)


塾講師が勉強になるテキスト

漏れ聞いたところによると、ある有能な女性編集者の手によって生まれた本なのだそうです。

せっかくの良書ですが、塾で中学生に副教材を1冊ずつ配ることはおそらくあまりないでしょうから、そんなには売れないかもしれません。

しかし、素晴らしい本をありがとうとお礼を言いたくなるくらい、良いテキストです。
塾に1冊は常備しておきたい本の一つです。

国文法の完成













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