平成24年度高校入試に関して、大阪府では公立高校、私立高校の定員問題がわけのわからないことになっています(2011.11.15記)。


定員問題の推移

1、今年おこなわれた平成23年度高校入試で、多くの公立高校定員割れを起こしました。
国の就学支援金に加えて、大阪府授業料支援補助金によって、年収610万円未満の世帯では私立高校の授業料も実質無料となり、多くの受験生が私立高校に進学したからです。

2、大阪府教育委員会は、今年8月の私立高校との協議で、私立高校が定員を超えて入学させていることが公立高校の定員割れを起こしていると指摘し、私立高校に定員を守るように要望を出しました。

3、橋下徹前府知事が率いる大阪維新の会が、維新の会が過半数を制する府議会に、「3年連続で定員割れした府立高校を廃校にする」旨の条項を含む教育基本条例案を提出しました。

4、多くの府立高校は、定員割れになると廃校のおそれがあるので、定員割れが起きないように募集定員の数を減らすことにしました。

5、府の教育委員会が10月に公立高校と私立高校が新たに決めた定員数を調べてみると、高校を受験する生徒数より定員は2000人不足しており、多くの生徒が高校に進学できないおそれのあることが判明しました。

6、大阪府教育委員会は、従来の姿勢を転換し、私立高校に定員を増やして多くの生徒を収容するように要請しました。そして、11月10日に予定していた定員数の公表を16日に延期しました。

7、大阪府教育委員会(公立)と大阪私立中学校高等学校連合会(私立)は15日に、公立高校1540人私立高校2400人、当初の予定より募集定員を増やすことで合意しました。
しかし、16日の発表には間に合わないので、私立高校は増員前の定員数を「最低限の定員」として発表するのだそうです。

まさに、「迷走」です。


中学校の進路指導を予想すると・・・

今、各中学校では中3生が受験する私立高校を決定する三者懇談会が始まっています。

ところが、肝心の公立高校、私立高校の募集定員数が、まだ確定もしていないし、公表もされていないことは上記の通りです。

するとどうなるか。

私が中学校の進路指導の教師なら、できるだけ私立高校専願で受験するように誘導します。

中学校は、不合格で行き場を失う子が出ることを一番おそれます(当然のことです)。

公立高校の募集定員数は絶対です。1人でもオーバーして合格になることはありえません。
ところが、私立高校の定員数は、あってないようなものです。今年春の入試で、定員の2倍近く入学させている高校さえ何校かあります。
併願受験という制度がある限り私立高校が定員を厳守することは最初から不可能ですし、大阪府の私学への補助金が生徒数によって決定されるようですから、私学はできるだけ多くの生徒数を確保しようとします。

進路指導の担当者が、不合格者をできるだけ出さないようにしようと思えば、定員数さえ迷走している公立高校への受験生を数多く残すくらいなら、さっさと受験生を私立高校へ送り込んで片づけるしか方法がないのです。

大阪府は、ますます公立高校の受験生を減らす結果になる政策を、せっせとやってきたことになります。


公立高校の定員発表(2011.11.18追記)

大阪府教育委員会は11月17日、公立高校の2014年度入試募集定員を公表しました。
前年度より1120人の募集減となっています。

前年度より中学卒業生は2500人増えるのに、1000人以上の募集減をしたことに対し、中西教育長は『苦渋の決断』であったと述べました(苦渋するのは受験生とその保護者や!と、つっこみを入れたいところです)。


***** 5教科以外の全目次はこちら、ワンクリックで探している記事を開くことができます *****