方程式の解き方を一目で理解できるように、重要事項を最も簡単にまとめました。

1、等式・辺・解
最初に、方程式に関係のある用語を覚える

等式等号(=)で結ばれた式を等式といい、方程式も等式の一つである

左辺右辺両辺…等式の左側を左辺、右側を右辺、両方を合わせて両辺という

方程式を解いて求めた答え(方程式の文字にあてはめると等式が成り立つ)を、方程式のといい、解を求めることを「方程式を解く」という


2、方程式の解き方(その1)…代入して解を求める解き方
例題1:次のア〜ウの方程式のうち、解が5であるものを選べ。
(ア) x-2=-3  (イ) 5-2x=15  (ウ) x+3=3x-7


方程式の各辺にあるxに5を代入して、左辺と右辺が等しくなるかどうかを調べる
(ア)左辺が5-2=3となり、右辺の-3とは違うから、解が5であるとはいえない
(イ)左辺が5-2×5=5-10=-5となり、右辺の15とは違うから、解が5であるとはいえない
(ウ)左辺は5+3=8となり、右辺は3×5-7=15-7=8となり、左辺と右辺が等しいので解が5だといえる
答えは(ウ)


3、方程式の解き方(その2)…等式の性質を使って解を求める解き方
例題2:次の方程式を、等式の性質を使って解け。
(1)x-7=-11
(2)x+12=15
(3)x/5=-2
(4)-2x=-10


等式の性質…等式の性質とは次の4つをいう
等式の性質1:等式の両辺に同じ数をたしても等式は成り立つ A=Bならば、A+C=B+C
等式の性質2:等式の両辺から同じ数をひいても等式は成り立つ A=Bならば、A-C=B-C
等式の性質3:等式の両辺に同じ数をかけても等式は成り立つ A=BならばA×C=B×C
等式の性質4:等式の両辺を同じ数でわっても等式は成り立つ A=BならばA÷C=B÷C(ただしC≠0)

「等式の性質を使って解く」とは、最後がx=□の形になるように、等式の両辺に、同じ数をたしたり、ひいたり、かけたり、わったりすることをいう

(1)x-7=-11…両辺に7をたす
x-7+7=-11+7
x=-4

(2)x+12=15…両辺から12をひく
x+12-12=15-12
x=3

(3)x/5=-2…両辺に5をかける
x/5×5=-2×5
x=-10

(4)-2x=-10…両辺を-2でわる
-2x÷(-2)=-10÷(-2)
x=5

方程式の答えはで、解とはxにあてはまる値のことだから、答えは必ずx=〜と書かないといけない(答えとして数字だけ書いたら×になる)


4、方程式の解き方(その3)…移項して解を求める解き方
例題3:次の方程式を解け
(1)4x-15=-3
(2)3x=x+8
(3)-8x+5=-5x+20


移項…方程式の項を、左辺にあるものを右辺に、右辺にあるものを左辺に移すことを移項という
方程式の答えはで、解とはxにあてはまる値のことだから、答えは必ずx=〜となる
だから、xをふくむ項左辺に、数字だけの項右辺に移項する

移項するときの規則+の項は移項すると−に−の項は移項すると+に変わる
また、等式の性質である、「両辺に同じ数をかけても等式は成り立つ」と、「両辺を同じ数でわっても等式は成り立つ」も使う

(1)4x-15=-3…「xをふくむ項左辺に、数字だけの項右辺に」を目標に、左辺の-15を右辺に移項する
4x=-3+15…移項すると、左辺の-15は右辺では+15になる
4x=12…方程式の答えはx=〜の形だから、最後に両辺を4でわる
x=3

(2)3x=x+8…「xをふくむ項左辺に、数字だけの項右辺に」を目標に、右辺のxを右辺に移項する
3x-x=8…移項すると、右辺のxは左辺では-xになる
2x=8…方程式の答えはx=〜の形だから、最後に両辺を2でわる
x=4

(3)-8x+5=-5x+20…「xをふくむ項左辺に、数字だけの項右辺に」を目標に、左辺の5を右辺に、右辺の5xを左辺に移項する
-8x+5x=20-5…移項すると、左辺の+5は右辺では-5に、右辺の-5xは左辺では+5xになる
-3x=15…方程式の答えはx=〜の形だから、最後に両辺を-3でわる
x=-5

一次方程式…移項するとax=bの形(aとbは数字)になる方程式を一次方程式という


5、やや複雑な方程式の解き方
例題4:次の方程式を解け
(1)4(1-2x)=-5(2x+4)
(2)2/3x-1/6x=-1
(3)x-1/3=3x+7/4
(4)1.2x-1.7=x-4.1
(5)200(4x+1)=900(2x-7)

(6)42:12=14:x


()がある方程式は、まず、分配法則を使ってかっこをはずしたあと、移項して解く
(1)4(1-2x)=-5(2x+4)…まず、分配法則を使ってかっこをはずす
4-8x=-10x-20
-8x+10x=-20-4
2x=-24
x=-12


分数をふくむ方程式は、まず、分母の公倍数を両辺にかけて整数の式にしてから、移項して解く(分数のままでも解くことはできるが、計算が複雑になるので整数にしてから解く)
(2)2/3x-1/6x=-1分母の公倍数6を両辺にかけて整数の式にする
2/3x×6-1/6x×6=-1×6…両辺のすべての項に6をかける
4x-x=-6
3x=-6
x=-2


分数をふくむ方程式は、まず、分母の公倍数を両辺にかけて整数の式にしてから、移項して解く
(3)x-1/3=3x+7/4分母の公倍数12を両辺にかけて整数の式にする
分数の方程式











小数をふくむ方程式は、まず、両辺を10倍100倍して整数の式にしてから、移項して解く(小数のままでも解くことはできるが、計算が複雑になるので整数にしてから解く)
(4)1.2x-1.7=x-4.1…10倍すると整数になるから、両辺のすべての項を10倍する
12x-17=10x-41
12x-10x=-41+17
2x=-24
x=-12


両辺に0があって、10や100でわると小さい数字になることが明らかなときなどは、先に両辺を同じ数でわってから、移項して解く
(5)200(4x+1)=900(2x-7)…200と900に着目して、両辺を100でわって小さい数字にしてから解く
200(4x+1)/100=900(2x-7)/100
2(4x+1)=9(2x-7)
8x+2=18x-63
8x-18x=-63-2
-10x=-65
x=6.5(または、x=13/2)


比例式は、外側の項の積=内側の項の積(a:b=c:dのとき、ad=bc)を利用して解く
(6)42:12=14:x…外側の項の積=内側の項の積(a:b=c:dのとき、ad=bc)を利用する
42x=12×14
42x=168
x=4

比の値…比a:bで、a÷b=a/bを比の値という
比の値が等しいものを等式で表したとき、比例式という
比例式では、外側の項の積と内側の項の積は等しいa:b=c:dのとき、ad=bc



(方程式の、さらに詳しい説明はこちらの目次からたどってご覧ください。)