誤解されるといけないのでつけ加えておきます。
筆算は、してもしなくてもよい、できたら暗算で済ませるほうがよいというのが昨日、一昨日の趣旨です。
それに対して、立式と途中式は絶対に書くべきです。

数学が苦手な人ほどいきなり答えを書こうとする

入塾してくる子に、最初、算数・数学の問題を解かせるとします。採点をしなくても、書いた答案用紙を一目ちらっと見ただけで、その子のだいたいの点数をあてることができます。
方程式などで、解が出るまでの途中の式を、縦にイコールを揃えて下の行に書き進める正規のやり方で丁寧に書いている子は、よくできる子です。
逆に、全く途中式を書いていなかったり、書いても、方程式の書き方を無視して、ちょこちょこっと途中の答えだけをメモったりしている子は、例外なく数学ができない子です。

方程式などの計算問題で、教える者が指導しなければならないことは、途中式の書き方だけだといっても過言ではありません(計算問題で、他に何を教えることがあるでしょうか)。

式を立てて解かせないと子どもは考えようとしない

「ゆとり教育」で、苦労して問題を解くことを経験させてもらっていない今の子は、先に式を立て、その後、筆算なり計算をするという癖をつけさせないと、適当に計算する→出てきた答えを書く、この2つのプロセスが問題を解くことだと思っています。
その結果、問題中に3つ数値が書いてあるのに1つは平気で無視して数値2つだけを使ってわけのわからない計算をしたり、歩く速さが時速5000劼世箸いζ庸鏤劼發覆づえを書いても何の疑問も感じなかったり、30個を5人で分けると書いてあれば30÷5、5人で30個を分けると数値の前後を逆に出題すると5÷30とやってしまったりといった子が珍しくなくなってきました(こういった子は今や例外ではありません)。

私は、小学生に算数を教えるとき、文章題や図形の単元だと(面積や割合や速さなどの難しい単元では特に)、最初に式を作らないと解いてはいけないという指導を徹底しています。「式が書いてないと答えが合っていても丸にしない。」と言い続けると、子どもたちは素直に従うようになります。最初の習慣づけが肝腎です。

式を書くとき、初めて子どもは「考え」ようとします。考える→式を立てる→答えを求めるという、われわれが自明としているプロセスを、やっとたどり始めるのです。