社会科歴史の勉強をしている中2の生徒からの授業中の質問です。


大化の改新はなぜ起こったか

「先生、なぜ蘇我の蝦夷・入鹿親子は滅ぼされたんですか?」

「蘇我氏にね、土地や農民が集中して、お金持ちになってしまったんだよ。一番お金を持っている人が一番武器を買い、多くの兵隊を雇うことができるでしょう?蘇我氏もそれで競争相手の物部氏を滅ぼしたりして威張ってきたわけ。これで困ったのが大和朝廷。蘇我氏がいつのまにか朝廷より偉くなりかかった。だから滅ぼしちゃったんだよね。」


歴史の勝者は財力の所持者

「歴史上の政治的な出来事は、本当は、誰に財力があったかという観点から眺めるとわかりやすいんだけどね。豪族になびきかけていた財力を、大化の改新で朝廷が奪い返すわけ。その基礎の上で奈良時代に聖武天皇が大仏を作ったりの贅沢な事業をやっちゃうんだ。織田信長が天下をとれたのも、当時の尾張は商業と運輸の盛んな土地で財力があったから。江戸幕府を薩摩藩が倒すのも、琉球王国を通じた密貿易で稼いでいて武器を買えたからなんだ。こんなん、学校のテストじゃあ出ないことだけど、知ってると歴史の動きがわかりやすくなる。
君たちは単純に強い方が勝つと思ってるだろうけど、そうじゃないんだ。お金のある方が武器・軍隊を買えるから勝つ。政治には、誰が財力を握るかという側面が大きく影響していると思うよ。」


役人が支配を担う国

「先生、『蘇我氏は渡来系の豪族と結びつき』って教科書に書いてあるんですが、意味がわかりません。」

「当時の日本人は字も読めないし計算もできなかったから、役所の実務はほとんど渡来人が担当してたみたいだよ。で、その渡来人と最初から結びつきが強かったのが蘇我氏なんだ。渡来人グループの親玉ってところかな。他の日本人は実務の能力がないから、お役人である渡来人に徐々に富が集まり始める。その結果、親分の蘇我氏の力がどんどん強くなっていったっていう意味。
実は、江戸時代の武士も、今の世の中に当てはめると公務員、お役人なんだよね。その意味では、わが国の政治は、どの社会層がお役人になるのか、誰がお役人と強く結びつくかで決まる要素もあるみたいだね。」


白村江の戦いと天智天皇

「先生、中大兄皇子は白村江の戦いの後、天智天皇になったように教科書に書いてありますがどういうことですか?」

「ううん、中大兄皇子は大化の改新の中心人物だし白村江の戦いも実際には日本から皇子が指揮したんだろうけど、なかなか天皇にはならなかったんだよね。民主党の小沢さん、知ってるだろ?あの人を思い浮かべたらわかりやすいんだけど。」

「名前くらいしか・・・。」

「そうか、説明が難しいなあ。本当は何もかも中大兄皇子が牛耳ってたんだろうけど、中大兄皇子は天皇にはなかなかならなかったというか、なれなかったみたい。蘇我氏を滅ぼすのに惨いこともしてるし、国のトップに立つには差し障りがあったんだろうね。最後には国の危機というんで天皇になっちゃったけど。日本では、トップはお飾りで、実際の政治はその下の黒子が動かすっての、多いんだよね(ってか、ほとんどそうなんだけど)。」


歴史と現代

子どもたちの質問にこたえているうちに、歴史について述べているのか、今の日本の政治状況を語っているのか、混乱してきました。

もうすぐ解散、総選挙があるらしいのですが、どうなるんでしょうね。




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