つるかめ算は、昔からもっとも有名な特殊算です。

つるかめ算の考え方とは

「鶴(あしは2本)と亀(あしは4本)が合わせて10匹、あしの数の合計が28本のとき、それぞれ何匹か。」という問題がつるかめ算の原型です。

合わせていくらかはわかっているが、それぞれがいくらずつになるかはわからないときは、どちらか一方だけで全部だと仮定します。
もし、すべて亀だとすると、10匹であしの数は4×10=40本。
本当のあしの数との差は40−28=12本。
1匹の亀を鶴に置き換えていくと、そのたびにあしの数は4−2=2本ずつ減っていきます。
12本÷2本=6が、置き換えた鶴の数なので、鶴は6羽。
亀の数は10−6=4匹。

最初に全部と仮定したものではないほう、上の解き方だと鶴のほうの数が、取り替えていったほうですから、先に求められます。

このように、合わせていくらかはわかっているのにそれぞれがいくつずつかはわからないとき、最初にどちらか一方がすべてだと仮定して解いていく問題がつるかめ算です。

1つの式にまとめると、(4×10−28)÷(4−2)=6の式になりますから、文章題で多い、(全体のちがい)÷(1つ分のちがい)で答えが求められる問題の一つです。


では、速さのからんだ問題から。

例題1:
3kmの道のりを、はじめは毎分50mで歩き、途中から毎分200mで自転車で進んで、あわせて33分かかりました。歩いた時間は何分ですか。


(解き方)

道のりをすべて歩いたとすると、33分で進む距離は50×33=1650m。
本当の距離との差は、3000−1650=1350m。
1分歩くのをやめて自転車に乗るとすると、1分に200−50=150mちがってきます。
全部のちがい1350mを、1分のちがい150mでわって、1350÷150=9分。
これが、歩くかわりに自転車に乗った時間です。

1つの式にすると、自転車に乗った時間は(3000−50×33)÷(200−50)=9分

歩いた時間は33−9=24分。

上の解き方では、最初にすべて歩いたと仮定しましたが、最初に全部と仮定しなかったほうが先に求められることを知っていたら、歩いた時間が聞かれているので、すべて自転車に乗ったと仮定したほうが早道です。


少し意地悪くすると、次の問題になります。

例題2:
A、Bの2人でじゃんけんをしました。同じ地点から出発し、勝つと3歩前に進み、負けると2歩後ろに下がります。20回じゃんけんをしたところ、AはBより30歩前にいました。Aは何回勝ちましたか。


(解き方)

まず、Aがすべて勝ったと仮定したとき、Aが先にいる歩数は3歩×20回=60歩分ではありません。
負けたBは、1回負けるごとに2歩後ろに下がっているので、Aが1回勝つことによって先行する歩数は3+2=5歩です。だから、すべてAが勝つと仮定すると、Aが先に進んでいる歩数は、(3+2)×20=100歩です。

ところが、実際には30歩しか前にいないから、そのちがいは100−30=70歩。

同様に、1回分AではなくてBが勝ったと取り替えていくと、1回取り替えるたびにちがうのは32ではありません。Aは、勝つと3歩前に進めるのに、負けると2歩後ろに下がらないといけません。そのちがいは3−2ではなくて、32=5、5歩もちがってくるはずです。

さらに気づきにくいのは、2人の距離のちがいです。1回取り替えるたびにちがうのは、3+2の5歩にとどまりません。
Aが勝ったとき、Aが3歩前に進み、Bは2歩後ろに下がるのでAはBより5歩前に出ます。ところが、Aが負けてBが勝ったら、Bが前に3歩進み、Aは2歩後退し、合わせて5歩Aは後ろにいることになります。
5歩先行するのと、5歩後ろにいるのとの差は、5×2=10歩です。

つまり、この問題では、勝つと負けるのとでは、距離は(3+2)×2=10歩もちがってくるのです。

以上より、((3+2)×20−30)÷((3+2)×2)=7回。

最初にAがすべて勝ったと仮定したので、この7回は、仮定から取り替えていったBの勝った回数です。
Aの勝った回数は、20回−7回=13回。


次は、平均算とからめたよくある問題です。

例題3:
生徒数40人のクラスで算数のテストをしたところ、表のような結果が出ました。つるかめ算平均点が75点のとき、70点と80点の人はそれぞれ何人ですか。





(解き方)

平均算ですから、先に平均×人数=合計を求めておきます。
75×40=3000点。

判明している部分の合計点は、100×4+90×6+60×8+50×2=400+540+480+100=1520点。

また、判明している部分の人数は4+6+8+2=20人。

これで、80点と70点の人の人数の和は40−20=20人、得点の合計は3000−1520=1480点だとわかりました。

合わせた人数がわかっているのでつるかめ算です。

20人全員が80点だとすると、80×20=1600点。
本当の合計との差を、80点と70点とを取り替えた差の10点でわればよいから、
(1600−1480)÷(80−70)=12人(取り替えた70点の人数)

80点の人は、20−12=8人。


最後に、つるかめ算にとりかかる前に損益算をしておかないといけない問題です。

例題4:
あるお店で品物を200個仕入れ、仕入れ値の20%の利益をふくめて定価を決めました。大部分は定価どおりに売れましたが、一部売れ残ったので、売れ残った商品を定価の20%引きにして全部売りました。その結果、利益は17000円で、これははじめに予定した利益の85%にあたります。この品物1個の仕入れ値と、定価の20%引きで売った品物の個数を求めなさい。


(解き方)

利益は17000円で、これははじめに予定した利益の85%にあたります。」とあるので、17000÷0.85=20000円。
これが、最初に予定した利益です。

この利益が仕入れの20%だから、20000÷0.2=100000円が仕入れ値の合計。
だから、1個の仕入れ値は100000÷200=500円。

ここまでは、損益算、割合の問題です。

予定通りに売ったときの値段は、20%の利益を見込んでいたので、1個500×(1+0.2)=600円。
売れ残って定価の20%引きにしたときの売値は、600×(1−0.2)=480円。

全部を定価の600円で売ったと仮定すると、総売り上げの見込みは600×200=120000円。
ところが、実際の総売り上げは、17000円の利益だったから100000+17000=117000円。

1個、商品を定価どおりではなくて20%引きで売るごとに、600−480=120円のちがいがでてくる。

全部のちがい、120000−117000=3000円を、1個取り替えるごとのちがい、120円でわって、3000÷120=25個。

(120000−117000)÷(600−480)=25個。

定価の20%引きで売った品物の個数は25個。



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