働きアリ

勉強をしている子どもたちが、悩み、知りたい、理解したいと思いながら、今までは調べる方法がなかった事柄を、必要かつ十分な説明でわかりやすく記述したサイトです

三平方の定理

math 大阪府23年後期B 大問2 空間図形

平成23年度、大阪府公立高校入試後期Bの問題は、いつもの年より難しかった印象があります。
得点も低く、上位校の受験生でも、80点満点中40点を超えれば上出来だったようです。

その中でも特に解きにくかったのが大問の二、空間図形の問題でした。
この問題を見て、うんざりした受験生も多かったのではないでしょうか。


大問2:図1〜図3の立体は、点Pを中心とする半径3cmの円Pと点Qを中心とする半径3cmの円Qを底面とし、高さが9cmの円柱である。直線PQは底面に垂直である。
円周率をπとして、次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむかたちになる場合は、その形のままでよい。

図1(1)図1、図2において、Rは線分PQ上にあって、P,Qと異なる点である。点Rを中心とする円Rは半径が3cmであり、円Rをふくむ平面は円柱の底面と平行である。四角形ABCDは、AB=DC=8cm、BC=AD=4cmの長方形である。B,Cは、円Pの周上にあって、A,Dは円Rの周上にある。Sは、長方形ABCDの対称の中心であり、線分PQ上にある。Eは、Dを通り直線PQに平行な直線と円Pとの交点である。BとEとを結ぶ。このとき、直線DEは円Pをふくむ平面と垂直であり、線分BEは円Pの直径である。

[1]図1において、

(ア)円Pと円Qを底面とする円柱の表面積を求めなさい。

(イ)線分DEの長さを求めなさい。求め方をも書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。





[2]図2において、Fは、辺BCの中点である。SとFとを結ぶ。Gは、Pから線分SFにひいた垂線と線分図2SFとの交点である。線分PGの長さを求めなさい。



















(2)図3において、Tは線分PQ上にあって、P,Qと異なる点である。点Tを中心とする円Tは半径が
図33cmであり、円Tをふくむ平面は円柱の底面と平行である。立体HIJ-KLMは三角柱である。△HIJは、∠JHI=90°、HJ=HI=2cmの直角二等辺形である。△HIJ≡△KLMである。四角形HKLI,JMLI,JMKHはすべて長方形であって、長方形HKLI≡四角形JMKHである。HK=8cmである。K,Mは円Pの直径上にあって、KP=MPである。H,Jは、円Tの周上にある。このとき、平面HKLIは円柱の底面に垂直である。Nは、円Tをふくむ平面と辺ILとの交点である。NとH、NとJとをそれぞれ結ぶ。このとき、△JHNは、∠JHN=90°の直角三角形である。三角すいI-JHNの体積を求めなさい。













(解き方と解答)
[1]図1において、

(ア)円Pと円Qを底面とする円柱の表面積を求めなさい。

図1の2
基本的な問題なので、きちんと正解して点をとっておかないといけません。

表面積=底面積+側面積と考えて、一つずつ落ち着いて解いていきます。

まず、底面積から求めます。
半径3cmの円が上と下に2つあるので、
(3×3×π)×2=18π
です。

次に側面積を求めます。
展開図をかいたとき、縦が9cm、横が底面の円周と等しい3×2×π=6πの長方形となりますから、
9×6π=54π
です。

よって、18π+54π=72π平方cmとなります。


(1)図1、図2において、・・・四角形ABCDは、AB=DC=8cm、BC=AD=4cmの長方形である。・・・Sは、長方形ABCDの対称の中心であり、・・・。
[1]図1において、
(イ)線分DEの長さを求めなさい。求め方をも書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。

図1の3

図がわかりにくいので、早合点しないで、きちんと根拠を考えながら解いていく必要があります。

まず、△DBCは∠DCB=90°の直角三角形だから、三平方の定理よりDB^2=4^2+8^2
DB^2=16+64
DB^2=80
DB>0より、
DB=4√5

次に、△DEBは∠DEB=90°の直角三角形だから、三平方の定理より
DE^2+6^2=(4√5)^2
DE^2+36=80
DE^2=44
DE>0より、
DE=2√11


[2]図2において、Fは、辺BCの中点である。SとFとを結ぶ。Gは、Pから線分SFにひいた垂線と線分図2の2SFとの交点である。線分PGの長さを求めなさい。

空間図形の問題を考える際のコツは、『求めないといけない辺がふくまれている平面見つけて、平面で考える』です。

この問題では、△SPFがその平面です。

まず、[1]で求めたDE=2√11と「Sは、長方形ABCDの対称の中心」より、SP=√11です。

同様に、AB=DC=8cmより、SF=4cmです。

以上より、△SPFは∠SPF=90°の直角三角形だから、三平方の定理より、
(√11)^2+PF^2=4^2
11+PF^2=16
PF^2=5
PF>0より、
PF=√5

そのあと、公立高校入試でしばしば出題される、『同じものの面積(または体積)を2通りの方法で表わして方程式をたてる』で解いていきます。

△SPFの面積を求める式を2通り考えます。

SFを底辺、PGを高さと見ると、△SPFの面積を求める式は、
4×PG×1/2

∠SPF=90°だから、PFを底辺、SPを高さと考えると、△SPFの面積を求める式は、
√5×√11×1/2

この2つの式は、ともに△SPFの面積を求める式で等しいから、
4×PG×1/2=√15×√11×1/2
4PG=√55
よって、PG=√55/4cm


最後に、さらにややこしい問題が待っています(私は次の問題を解くのに1週間かかりました)。

(2)・・・立体HIJ-KLMは三角柱である。△HIJは、∠JHI=90°、HJ=HI=2cmの直角二等辺 形であ図3の2る。・・・HK=8cm である。・・・KP=MPである。・・・△JHNは、∠JHN=90°の直角三角形である。三角すいI-JHNの 体積を求めなさい。

まず、△HPKは∠HKP=90°の直角三角形だから、三平方の定理より、
HP^2=1^2+8^2
HP^2=1+64
HP^2=65
HP>0より、
HP=√65

次に、点Hから底面の円Pに垂線をひき、円Pの円周との交点を点Oとします。

△HOPが∠HOPの直角三角形で、OP=3cm(半径)だから、
HO^2+3^2=(√65)2
HO^2+9=65
HO^2=56
HO>0より、
HO=2√14

次に、△HOKが、∠HOK=90°の直角三角形だから、
OK^2+(2√14)^=8^2
OK^2+56=64
OK^2=8
OK>0より、
OK=2√2

最後に、∠IHN=∠OHK=90°-∠NHK、∠HIN=HOK=90°より△HIN∽△HOKだから、
2√14:2=2√2:IN
この式を解いて、IN=2√7/7

以上より、三角すいI-JHNの体積は、
底面積×高さ×1/3
=2×2×1/2×2√7/7×1/3
=4√7/21


こんなに手間がかかるはずはないので、もっとずっと簡単な解き方があるか、私の解き方のどこかが間違っているかのどちらかだと思うのですが、どなたか教えていただければありがたいです。


10時間後の追記:自分の書いたものを見て、思いつきました。

まず、△OKPは∠OKP=90°の直角三角形だから、三平方の定理より
図の3の3OK^2+1^2=3^2
OK^2+1=9
Ok^2=8
OK>0より、
OK=2√2

次に、∠HOK=90°の直角三角形HOKで、三平方の定理より、
HO^2+(2√2)^2=8^2
HO^2+8=64
HO^2=56
HO>0より、
HO=2√14

次に、∠IHN=∠OHK=90°-∠NHK、∠HIN=HOK=90°より△HIN∽△HOKだから、
2√14:2=2√2:IN
この式を解いて、IN=2√7/7

以上より、三角すいI-JHNの体積は、
底面積×高さ×1/3
=2×2×1/2×2√7/7×1/3
=4√7/21

だいぶ「まし」になりましたが、もっといい解き方がありそうな気もします。



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math 大阪府23年後期B 大問4 平面図形

平成23年度後期B問題・平面図形の問題は、暗記カードをモデルにした問題でした(例年と同様、暗記カードであることは問題を解くのに関係ありません単語帳)。



大問4図1において、四角形ABCDはAB=6cm、AD=11cmの長方形である。Iは、辺ABの中点である。Pは、長方形ABCDの内部の点であっ図1て、Iを通り辺ABに垂直な直線上にあり、PI=2cmである。このとき、AD//IPである。線分PJと四角形EFGHとは、それぞれ線分PIと長方形ABCDとを点Pを中心として同じ向きに同じ角度だけ回転させたものである。このとき、PI=PJ、長方形ABCD≡長方形EFGHである。Gは、直線EHについてAと反対側ににあって、直線ADについてCと反対側にある。K,L,M,Nは、それぞれ辺ABと辺EF、辺ABと辺EF、辺BCと辺EF、辺ADと辺FGとの交点である。このとき、Pは直線LN上にある。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。


(1)PとCとを結んでできる線分PCの長さを求めなさい。


(解き方と解答)
まず、問題を読んで必要なことを図にかき込んでおきます。
図1の2
かき込んだ図をながめて、どうやって解くかの方針を立てます。

図形の問題ですから、解くのに使う道具は『相似』か『三平方の定理』です。

図をながめると、Pから辺BCに垂線をひくことで、三平方の定理が使えることに気づきます。





三平方の定理より、PC^2=3^2+9^2
図1の3PC^2=9+81
PC^2=90
PC>0より、
PC=√90
PC=3√10


PC











(2)次の「証明」は、まず、△PIL≡△PJLであることを証明してから、IL=JLであることを示し、その後、IL=JLであることを用いて△KEL≡△MBLであることを証明したものである。次の「証明」における( )から適しているものを一つ選び、記号を書きなさい。また、「証明」における(b)の部分に△KEL≡△MBLであることの証明を書き加え、「証明」を完成させなさい。

「証明」
△PILと△PJLにおいて
PL=PL(共通)・・・(あ)
PI=PJ(仮定)・・・(い)
∠PIL=∠PJL=90°(仮定)・・・(う)
(あ)(い)(う)より、( ア 直角三角形の斜辺と他の1辺  イ 直角三角形の斜辺と一つの鋭角  ウ 2辺とその間の角 )
がそれぞれ等しいから △PIL≡△PJL
よって IL=JL
(     b     )



(解答)
図1の4
「証明」
△PILと△PJLにおいて
PL=PL(共通)・・・(あ)
PI=PJ(仮定)・・・(い)
∠PIL=∠PJL=90°(仮定)・・・(う)
(あ)(い)(う)より、( ア 直角三角形の斜辺と他の1辺  イ 直角三角形の斜辺と一つの鋭角  ウ 2辺とその間の角 )(正解はア)
がそれぞれ等しいから △PIL≡△PJL
よって IL=JL
( b △KELと△MBLにおいて、
対頂角は等しいから、∠KLE=∠MLB・・・(1)
長方形の角だから、∠KEL=∠MBL・・・(2)
また、BI=3cm、EJ=3cm
IL=JLだから、
EL=EJ-JL、BL=BI-ILより、EL=BL・・・(3)
(1)(2)(3)より、1辺とその両端の角がそれぞれ等しいから
△KEL≡△MBL


(3)EL=2cmであるときの線分ANの長さを求めなさい。求め方も書くこと。

(解き方と解答)
また、図に必要な数値をかき込みます。
図1の5
特に、求めるANにxとかき込むのが大事です。
xをかき込むことで、△LPI∽△LNAを利用できることがわかります。

(求め方)
El=2cmであり、△KEL≡△MBLだから、BL=2cm
よって、IL=1cm
IP//ANだから、IP:AN=LI:LA
2:x=1:1+3
2:x=1:4
x=8cm




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mathematics 空間図形 よく出る三平方の定理の問題(大阪府公立・22年前期理数科)

大阪府公立高校入試、22年度前期理数科、最後の大問、空間図形の問題です。
大阪府公立高校入試でしばしば出てくる、三平方の定理を使った典型的な問題がまた顔を出しています。


3:図1、図2において、立体ABC−DEFは八つの平面で囲まれてできた立体である。平面ABCと平面DEFは平行である。△ABCと△DEFはともに1辺の長さが2cmの正三角形である。△AEF、△FBA、△BFD、△DBC、△CED、△ECAはすべて合同な二等辺三角形であり、AF=FB=BD=DC=CE=EA=4cmである。このとき、A、F、D、Cは同じ平面上にあり、四角形AFDCは長方形である。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。
22年3番(1)図1において、Gは辺ACの中点であり、Hは辺FDの中点である。GとHとを結ぶ。IはBから線分GHにひいた垂線と線分GHとの交点である。
[1]BとGとを結んでできる線分BGの長さと、BとHとを結んでできる線分BHの長さをそれぞれ求めなさい。
[2]線分BIの長さを求めなさい。求め方も書くこと。

















(解く前の準備)
22年3(1)問題文中に出てきた数値は、問題を解くときに使いそうな場所にできるだけ多く(ただし、じゃまにならない場所に)書き込んでおくのがコツの1つです。


(解き方)
[1]BとGとを結んでできる線分BGの長さと、BとHとを結んでできる線分BHの長さをそれぞれ求めなさい。

22年3(1)1
△BACは正三角形なので各辺の比は1:2:√3。
よって、BG=√3。




22年3(1)2三角形BFDは二等辺三角形であり、△BFHは直角三角形だから、三平方の定理を使って、BH=√(16−1)=√15。








[2]線分BIの長さを求めなさい。求め方も書くこと。

(解き方)
[1]に続く[2]ですから、必ず[1]を使います。

22年3(1)3さらに、空間図形の問題も、解くときは平面で考えることが鉄則、△BGHを使って解いていきます。

そのことに気づけば、大阪府公立入試でよく出る、3辺の長さがわかっている三角形の高さを求める問題だと気づくことができます。

この場合、BIの長さをたずねていますが、BIを求めようとすると中学生にはやや難し過ぎます。

GIのほうをx、IHを(4−x)としてGIを求め、その後BIを求めます。

直角三角形BGIと直角三角形BIHで、三平方の定理を使ってBI2乗の長さを2通りの式で表わし、それを方程式にして解いていきます。








22年3(1)4






















さらに、直角三角形BGIで三平方の定理を使って、
22年3(1)5

















BI=√11/2です。



(2)図2において、Jは辺AE上にあってA、Eと異なる点であり、K、L、22年3(2)M、N、Oはそれぞれ辺AF、BF、BD、CD,CE上にあってAJ=AK=BL=BM=CN=COとなる点である。このとき、6点J、K、L、M、N、Oは同じ平面上にある。また、6点J、K、L、M、N、Oを結んでできる六角形JKLMNOはすべての内角の大きさが等しく、JK=LM=NO、KL=MN=OJである。AJ=xcmとし、0<x<4とするとき、六角形JKLMNOの面積をxを用いて表しなさい。

(解き方)
図をながめて、△AJK∽△AEF、△AFB∽△KFLに気づいてください。

相似を使って、JK、KLの長さを求めることができるはずです。

さらに、問題文中の「六角形JKLMNOはすべての内角の大きさが等しく」から、それぞれの内角が120度であることも使えることがわかります。





22年3(2)の2そうすると、求めたい六角形JKLMNOは左図のような、大きい正三角形から小さい正三角形を切り落とした形になるはずです。

何とか解けるめどがたったので、正確に、JK、KLの長さから求めていきましょう。

相似を使って、JK:EF=AJ:AE
JK:2=x:4
よって、JK=x/2

また、KL:AB=KF:AF
KL:2=4−x:4
よって、KL=(4ーx)/2

以上より、大きい正三角形の1辺は、x/2+2×(4−x)/2=−x/2+4

22年3(2)の3また、大きい正三角形の高さと小さい正三角形の高さは、1:2:√3を使って求めることができます。












22年3(2)の4






求める六角形の面積は、−√3/8x2乗+√3/2x+√3です。


こんな問題を解かないといけない理数科の受験生は大変ですね(私の解き方が下手なだけで、もっと簡単な方法があるのかもしれませんが、私はこの方法しか思いつきませんでした)。



mathematics 平面図形への書き込み(大阪府公立・22年前期理数科)

大阪府公立高校入試、22年度前期理数科の問題を取り上げます。
大問1で7問か8問の小問、大問2が平面図形、大問3が空間図形というのが最近の傾向です。
この稿で取り上げるのは平面図形です。

今日のテーマは「解く前の書き込みで、解けるかどうかが決まる」です。



2:
図1、図2において、四角形ABCDはAB=26cm、AD=20cmの長方形であり、四角形EFGHは1辺の長さが13cmの正方形である。E、Fはそれぞれ辺AD、AB上にあって、G、Hは長方形ABCDの内部にある。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。
(1)図1において、IはGから辺ABににひいた垂線と辺ABとの交点でありJはGか22年2ら辺BCにひいた垂線と辺BCとの交点である。
[1]△EAF≡△FIGであることを証明しなさい。
[2]AF=4cmであるときの線分GJの長さを求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。















22年2の2

[1]△EAF≡△FIGであることを証明しなさい。

(解法)
解く前に必要な事項をどれだけ上手に書き込むかで解けるかどうかが決まります。

大阪府公立高校の入試問題の特徴として、
(1)問題文で与えられた数値を図の必要なところに複数書き込んでおく
(2)直角三角形があるとき、直角以外の角に丸や×の印をつけておくと解き方が見えてくる
の、2つを知っておくと得点力が違ってきます。


(証明)
△EAFと△FIGにおいて、
四角形EFGHが正方形だからEF=FG・・・(1)
長方形の角だから∠EAF=90度
仮定より∠FIG=90度
よって、∠EAF=∠FIG・・・(2)
次に、∠IFG=180度−∠AFE−∠EFG
=180度−∠AFE−90度
=90度−∠AFE
また、∠AEF=180度−∠EAF−∠AFE
=180度−90度−∠AFE
=90度−∠AFE
よって∠IFG=∠AEF・・・(3)
(1)(2)(3)より、直角三角形で斜辺と1つの鋭角が等しいから
△EAF≡△FIG

直角三角形で、丸をつけた角と×をつけた角の和が90度になることをしばしば使います。
証明が書きやすいようにあらかじめ印をつけておくと簡単に気づくことができます。


[2]AF=4cmであるときの線分GJの長さを求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。
22年2の2
(解法)
あらかじめ知っておいたほうがよい予備知識として、大阪府公立高校入試数学の大問では、(1)[1][2]、(2)[1][2]という問題構成のとき、(1)と(2)の問題の間にはほとんど連続性や関連性はありません。
逆に(1)[1][2]の[1]と[2]はつながった問題です。
よく授業中冗談で言うのですが、[1]と[2]は連続もののテレビドラマですから、[1]を見ておかないと[2]を理解できません。

この問題もまさにそうで、[1]の合同の証明を使って、[2]を解いていきます。
具体的には、AF=4cmと問題文に書いてあるのでAFに4を書き込んだ後、[1]で合同を証明したことからIGにも4と書き込んでおきます。
それさえ準備しておいたら、三平方の定理を使ってFIの長さを求められることに気づきますから、解き方が見えてきます。

(求め方)
△EAF≡△FIGより、IG=AF=4
△FIGで∠FIG=90度、IG=4、FG=13より、三平方の定理を使って
22年2(1)











AF=4、FI=3√17より、
IB=26−4−3√17
=22−3√17

∠GIB=∠GBJ=∠GIB=90度だから長方形IBJGは長方形である
よって、IB=GJ

したがって、GJ=22−3√17


(2)図2は、AF=12cmであるときの状態を示している。
22年2(2)図2において、Kは辺EF上にあってE、Fと異なる点である。Lは辺GH上にあってG、Hと異なる点である。KとLとを結ぶ。Mは、Lから辺BCにひいた垂線と辺BCとの交点である。KL//BCであって、四角形FGLKの面積が65平方cmであるとき、線分LMの長さを求めなさい。


(解法)
AF=12を書き込むだけでなく、直角三角形で5:12:13ができているのでAE=5も書き入れておきます。
EF=FG=EH=13も使う可能性があるので記入、その図をながめて、どうやって解こうかと考察します。

FG=13の書き込みから、Gを通りBCに平行な線を書き込めばそこにも5:12:13ができること、Fを通り、BCに平行な線を書き、HGとの交点をNとして、その線で四角形FGLKの面積をわけて考えたら解けるのではないかということ等を思いつきます。

最後に、求めるLM=xとおいて、やっと解き始めることができます。

(解答)
△FGNは∠FGN=90度、∠FNG=∠EFN=∠AEFより△AFEと相似。

よって、FN:EF=FG:AFだから
FN:13=13:12
FN=169/12

四角形FGLK=△FGN+四角形KFNL
=(169/12)×5×(1/2)+(169/12)×(x−5−9)

この面積が65であるから方程式にして、
(169/12)×5×(1/2)+(169/12)×(x−14)=65

22年2(2)の2すぐに筆算をしないで、計算が楽になるように工夫しながら解いていかないと、時間ばかりかかり、計算ミスも増えてしまいます。















LM=419/26です。


(最後に)
平面図形の最後の問題は、毎年一番難儀な問題です。
あることに気づき、解くための補助線を書き込まないと、まず解けません。
解き方を思いつかなかったら後回しにして、さっさと次の空間図形の問題にとりかかるべきです。

もう1つ、理数科の問題では出題される計算問題は毎年たった1問です。そのかわりに、後の関数や図形の問題で計算力を試されます。
計算力とは、暗算力や筆算力ではありません。
すぐに筆算をするのが最も愚策、工夫して式を簡単にし、速く正確に解いていかないと得点が伸びません。

mathematics 平面図形は相似と三平方にしぼる(大阪府公立・21年前期理数科)

21年度大阪府公立高校の前期入試理数科、3番の平面図形の問題です。

この稿のテーマは、「図形の問題は相似か三平方の定理にしぼって解く」です。


3、図1、図2において、四角形ABCDはAB=6cm、BC=2cmの長方形である。Eは、辺ABの中点である。Fは、辺DC上にあってDと異なる点であり、DF<AEである。四角形PQFR≡四角形AEFDである。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。


(1)図1において、Qは直線DC上にあってFについてCと反対側にあり、Pは直線DCについてAと反対側にある。Sは、Pから直線BCにひいた垂線と直線BCとの交点である。線分EFの長さをxcmとし、そのときの線分CSの長さをycmとする。
3(1)

[1]次の文中(ア)、(イ)に入れるのに適している数をそれぞれ書きなさい。

xの変域は(ア)<x<(イ)である。

[2]yをxの式で表しなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。









(解いてみる)
問題文を読んで、解く前に書き込みをしておいたのが下の図です。問題文に書いてあることだけでなく、書いてあることからわかることも書き込みをしておきます。
3(1)の1

[1]
DF<AEという条件にあてはまるようにxを考えます。

xが一番小さくなるのは、点Fが点Eのほぼ右にきたときです。それより下だとDF<AEの条件に反します。
このとき、xは2に近づきます。

xが一番大きくなるのは、点Fが点Dに重なる直前です。
このときのxは線分DEの長さから求められます。
△AEDが直角三角形なので、三平方の定理よりDE=√13。

以上より、2<x<√13。

(ア)は2、(イ)が√13です。

[2]
3(1)の2
もともとのxとyはずいぶん離れた場所にあって両者の関連性を見い出さないので、すぐに
式をつくることはできません。x、yと等しい場所を他に見つける必要があります。

問題文に「四角形PQFR≡四角形AEFD」とあるので、QF=xを書き込んでおきます。

図形の問題を解くのに使える道具は『相似』と『三平方』です。
使える道具が限られているので、
私なら、「相似か三平方を使うにはどうしたらよいか」の観点から考えます。
さらに、相似にしろ三平方の定理にしろ、使える図形は三角形しかありません。

この問題でも、おそらくQF=xを使うであろう、だからQFを含む三角形で考えてみよう、このような発想で解いていきます。

そう考えて、Fを通りRPに平行な線分を書き込み、長さの2を書き入れます。
そうすると、Pを通り下のCSに平行な直線をかいてもう一つ三角形を作図し、yと記入したら解けるのではないかと思いつくことができます。

2つの三角形は、∠FQPが共通で、ともに90度の角をもつので、2組の角がそれぞれ等しい相似です。

ここまできたらもう解けたも同然、相似な図形の対応する辺の比は等しいので、QF:QP=2:y
x:3=2:y
xy=6
y=6/x


(別の解き方)
3(1)の3
府教育委員会の模範解答は違う解き方をしています。

私と同じ書き込みに加えて、さらにFとPを結ぶ線を書き込んで、△QFPの面積を2通りの方法で表して等式(方程式)を立てています。
底辺をQFと見ると、面積はx×y×1/2、底辺をQPと見ると面積は3×2×1/2、
xy=6
y=x/6
と解いています。

解答を見ると、「ああ、そうか」と思えますし、よく出る「面積を2通りに表して方程式を立てる」という解法ではありますが、私が受験生だったとして、FPを結ぶ線を思いつくかどうか、自信がありません。


(解いた後の感想)
[1]
DF<AEという条件から、xの変域を導く問題です。三平方の定理を使いますが、数学というより国語やクイズに近い感じがします。

[2]私は運良く相似な三角形の組をすぐに見つけ出せたので難しい印象を持ちませんでしたが、同じ私が別の機会に解くことがあるとして、同じ解法を思いつけるかどうか、自信がありません。
やさしいのか、難しいのか、よくわからない問題です。


(2)図2は、図1中の四角形PQFRをFを中心とし回転させた状態を示している。
3(2)図 2において、Qは直線EFについてCと反対側にある。EとQとを結んでできる△FQEの内角∠QEFの大きさをaとし、0<a<90とする。CとRを結ん でできる△FCRの内角∠RFCの大きさをaを用いて表しなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。










(解いてみる)
しばらく考えてみましたが、解き方を思いつきませんでした。私が受験生なら、いったんあきらめてさっさと次の問題に向かいます(後で、あらためて戻ってくると、別の観点から問題を眺めることができてあっさり解けることがあります)。

3(2)の2
四角形PQFR≡四角形AEFDなので、FQ=FEを使いそうだということはわかります。
△FQEが二等辺三角形なので、∠FEQも∠FQEもaです。

四角形PQFR≡四角形AEFDなので、∠DFEと∠RFQも等しい。
だから、∠QFE=∠DFE−∠QFD
∠DFR=∠RFQ−∠QFDより
∠QFE=∠DFR(図の太い赤線の角どうし)

これを使うことを思いつきませんでした。

∠QFE=180度−2aなので∠DFR=180度−2a

∠DFC=180度だから、∠RFC=180−(180−2a)
よって∠RFC=2a

(解いた後の感想)
私が受験生なら、この問題は運が悪いと時間内に解けなかったかもしれません。移動した図形の、等しくなる辺や角度を利用する問題は、どこに目をつけて解いたらよいのかを見つけにくいことが多く、気づくと簡単、気がつかないと時間切れになってしまいます。

mathematics 空間図形 四角錐(大阪府公立・21年前期理数科)

大阪府公立高校入試問題、21年度の前期理数科4番、空間図形の問題です。

大阪府公立でしばしば出題される、三平方の定理を使って3辺の長さがわかっている三角形の高さを求める問題が(2)で顔を出しています。

また(3)は、相似を使って垂直であることを証明する問題です。

4、左図において、立体A−BCDEは正四角錐である。底面BCDEは1辺の長さが6cmの正方形であり、AB=12cmである。Fは、底面4(1)BCDEの対角線の交点である。このとき、直線AFは底面BCDEと垂直である。Gは、Bから辺ACにひいた垂線と辺ACとの交点である。Hは、辺AD上にあってDH=2CGとなる点である。BとHを結ぶ。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。


(1)正四角錐A−BCDEの体積を求めなさい。

(2)線分CGの長さを求めなさい。

(3)BH⊥ADであることを証明しなさい。


(解いてみる)
(1)
4(1)の2学校の定期テストの問題であれば難問ですが、入試問題としては典型的な標準問題。確実に点を稼がないといけない問題です。

BC=6、CD=6より、1:1:√2を用いてBD=6√2。だからBF=3√2。
三平方の定理を使って、

4(1)の3







四角錐の体積=底面積×高さ×1/3より
6×6×3√14×1/3=36√14


(2)求めるCGをxとして方程式を作ることを考えます。空間図形の問題を楽にとくコツは、必要な平面だけを取り出してそこで考えることです。

4(2)三平方の定理を使う問題の中で、解法を知っておかないといけない問題、「辺BGを2通りの方法で表して等式(方程式)をつくる」の問題です。

4(2)の2













(3)DH=2CGよりDH=3、よってAH=9を書き込んでおきます。
「空間図形の問題を楽にとくコツは、必要な平面だけを取り出してそこで考える」、必要な平面をかいて、それを見て、どう解くかを考えます。

4(3)
垂直の証明に「定番」はありません。状況に応じて、「相似」でいくか、「三平方の定理」でいくか、何かそれ以外の方法があるかを考えます。

平面ABDの図を眺めると、△ABFと△BDHの相似が言えたら∠AFB=∠BHD=90度を証明できますから、その方針でいこうと試してみます。

△ABFと△BDHにおいて
AB:BD=12:6√2=2:√2
BF:DH=3√2:3=√2:1
一見違う比のように見えますが2:√2を√2でわったら√2:1で、実は同じ比です。そこで、AB:BD=2:√2も√2:1に書き換えておきます。

また、AB=ADだから∠ABF=∠BDH

よって、2組の辺の比が等しくその間の角が等しいので
△ABF∽△BDH

相似な図形の対応する角は等しいので
角AFB=角BHD=90度

以上より、BH⊥AD


(解いた後の感想)
(1)は入試問題としては楽なほうに入ります。

(2)も頻出問題であり、CGを求めさせることでさらに解きやすくなっていますが、「あ、あの問題だ」と思いつかないと難問になってしまいます。

(3)は、単純な合同や相似の証明と違うので、受験生によってはとまどう人がいるかもしれません。
合同、相似以外の証明も練習しておく必要があります。
「証明に実は決まった書き方はない、理由を述べては書く癖をつけておけば満点の答案が書ける」と、度胸をすえて取り組んでおくことです。

mathematics 平面図形(大阪府公立・20年前期理数科)

今日のテーマは、相似と三平方の定理を使って解く平面図形の問題です。

入試問題を解くときの鉄則

・問題文を読んだ段階で、解くために必要なことを予測し、必要と思えることを図に書き込んでおく

・自分の持っている道具を確認し、どの道具が使えるかを考慮しながら問題を解いていく

「解けるかどうかは、解き始める前で決まります。」

問題は、20年前期試験理数科の問題です。前期試験、後期試験でこれ以上の難しい問題は出題されません。

(大阪府の公立高校入試数学の問題は、問題を解くときにほとんど必要のない冗長な部分が多く、それが受験生を困らせます。
受験生の参考になるように、図で確認しておけば済む、たいして重要でない部分は緑字で、見逃してはいけない大切な部分は青字で示してみました。)


2:図の写真のようなバケツをモデルにした問題である。
バケツ図1、図2において、四角形ABCDはAD//BCAD=25cm、BC=11cm、AB=DC=25cm台形であり、Lは直線である。は、辺ADの中点である。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。


(1)図1において、B、CはL上にある。は、辺BCの中点である。このとき、図1形ABCDは直線EFを対称の軸とする線対称な図形である。Gは、辺CD上の点である。EとGとを結ぶEG=16cmである。Hは、DからLにひいた垂線とLとの交点である。Iは、Eから辺CDにひいた垂線と辺CDの交点である。

[1]線分CHの長さを求めなさい。

[2]△EID∽△DHCであることを証明しなさい。

[3]線分DGの長さを求めなさい。求め方も書くこと。



解く前の準備:
色分けでわかるように、図を見たらわかることをくどくど書いてあるのが大阪府公立入試問題の特徴です。惑わされないように、大事なことだけをしっかりと読み取って図に記入しておきます。


2の1
(1)線分CHの長さを求めなさい。

(準備)EがADの中点、FがBCの中点なので、AD=25、BC=11と記入しないでED=25/2、FC=11/2と書き込んでおきます。

(解答)それだけで、25/2−11/2=14/2=7cmとわかります。


(2)△EID∽△DHCであることを証明しなさい。

(準備)△EIDと△DHCを見比べます。
相似の証明は、そのほとんどが相似条件「2組の角がそれぞれ等しい」を根拠とすることを念頭に、等しいといえる角を見つけます。

最初から図にかいてあることから、仮定より∠EID=∠DHC=90度はすぐにいえます。

次に、直角三角形で直角以外の2つの角の和は90度です。そのことから∠DEI=90度−∠EDI、∠CDH=90度−∠EDIがいえそうです。
この論の進め方は証明でよく使います。
私はわかりやすいように、直角三角形が出てきたら、直角以外の角に丸とバツをつけておけと言っています。
2の2







では、証明をかいていきましょう。

(解答)△EIDと△DHCにおいて、
仮定よりEI⊥CD、DH⊥Lだから、∠EID=∠DHC=90度・・・(1)
また、∠DEI=180度−90度−∠EDI=90度−∠EDI
ED⊥DHだから、∠CDH=90度−∠EDI
よって、∠DEI=∠CDH・・・(2)
(1)(2)より、2組の角がそれぞれ等しいから
△EID∽△DHC

(私はうっかりしていて気づきませんでしたが、錯角で等しいので∠EDI=∠DCHを言うともっと簡単です。)

(3)線分DGの長さを求めなさい。求め方も書くこと。


(準備)1つ前の△EID∽△DHCを証明したのは、次のこの問題で使うためです。そこから解き方をしぼります。

そのことに気づくと、2つ前でCH=7cmを求めたのも、ここで使うためだったということがわかってきます。

そうすると、相似を使ってDIを求められるので、次は直角三角形△EIDで三平方の定理を使ってEIを求め、さらに直角三角形△EGIで三平方の定理を使ってGIを求め、DI+GIで求めようという方針が立ちます。

(解答)△EID∽△DHCより、ED:DC=DI:CH
25/2:25=DI:7
これを解いてDI=7/2

△EIDは∠EID=90度の直角三角形だから三平方の定理より、
2の3












△EGIも∠EIG=90度の直角三角形だから、
2の4











DI=7/2、GI=4√7より、DG=DI+GI=7/2+4√7


(2)図2は、図1中の台形ABCDを傾けた状態を示している。
図2図2において、BはL上にある。AとCとを結んでできる線分ACとLは平行である。JはEからLにひいた垂線とLとの交点である。線分EJの長さを求めなさい。












解く前の準備:
ただやみくもに図に数値を書き込むのではなくて、どうやって解こうかと考えながら書き込みをします。
使う道具は、九分九厘、相似か三平方の定理です。2つの道具をどこでどう使うかを予想しながら書き込みます。
DA=DCで、二等辺三角形であることも頭においておくべきです。
図2最終
EがADの中点であることから相似を使いたいし、三平方の定理で数値を求めたいので直角三角形ができるように、Dから垂線をおろし、ACとの交点をP、直線Lとの交点をQ、DCの延長と直線Lとの交点をS、Cからひいた垂線と直線Lとの交点をRとします。





(解答)
いずれにしても、ACの長さを求めたらなんとかなりそうだと決めて、まずACの長さを求めます。

図2の3△DCHで三平方の定理より、
図2の4







よって、Cからひいた垂線の長さは24cmです。

もう一度三平方の定理を使ってACの長さを求めます。




図2の5








もう一度、図2にもどります。
図2最終AC=30とわかったので、△DACが二等辺三角形なので点PはACの中点となり、AP=15。

△DAPはDA=25、AP=15、3:4:5の直角三角形です。
DPは3:4:5の4にあたる辺なので20cm。
点Eが辺DAの中点だから、中点連結定理よりETはDPの1/2の10cmとわかります。

次にTJですが、TJ=CRなので、CRを求めます。
△DPC∽△CRSで相似比はDC:CSの25:11。
DP:CR=25:11
20:CR=25:11
よってCR=44/5

EJ=ET+TJ=10+44/5=94/5


homeroom 相似で解くか、三平方で解くか

K中のNさんから、学年末テストの問題でもう一つ質問がありました。数学の問題です。

最後の(4)が即答できませんでした。

7:AB=3cm、BC=4cm、CA=2cmの△ABCと∠BACの二等分線Lがある。問い3点A、B、Cは円の周上にある。点B、Cから直線Lに垂線をひき、それぞれの交点をD、Eとする。また直線LがBCおよび円と交わる点をそれぞれF、Gとする。次の各問いに答えなさい。

(1)BDとCEの長さの比を求めなさい。

(2)BFの長さを求めなさい。

(3)△ABGと△AFCは相似である。相似条件を答えなさい。

(4)AFの長さを求めなさい。



(1)から(3)までは簡単です。

(1)BDとCEの長さの比を求めなさい。

(解答)△ABDと△ACEは、∠ADB=∠AEC=90度、∠BAD=∠CAEより2組の角がそれぞれ等しいから相似。AB=3cm、AC=2cmで、相似な図形の辺の比は等しいから、BD:CEの長さの比も3:2。

(2)BFの長さを求めなさい。

(解答)△FBDと△FCEも、∠FDB=∠FEC=90度、対頂角∠BFD=∠CFEより相似。(1)のBD:CE=3:2よりBF:CF=3:2、またBC=4cmだからBF:4=3:5または、4cm×3/(3+2)よりBF=12/5cm(または2.4cm)。

(3)△ABGと△AFCは相似である。相似条件を答えなさい。

(解答)△ABGと△AFCで、弧ABの円周角だから∠AGB=∠ACF、仮定より∠BAG=∠FAC、よって2組の角がそれぞれ等しいが相似条件。


問題は(4)です。ずっと相似の問題が並んでいるので相似を使えばすぐに解けるだろうと思って求めるAFをxとおいて解きはじめたのですが、なかなか解けません。

(ここで遅くなったNさんを心配してお迎えに来られていたお父さんが様子を見に来られたので「私の宿題にしてもらっていい?」と言ってNさんには帰ってもらいました。年度がわりなので新パンフレットを他の先生たちと1時間ほどかけて製本、そのあと問題をもう一度眺めていて、やっと解き方が浮かびました。)


(4)AFの長さを求めなさい。

(解答)
相似ばかり考えていたのが解けなかった原因でした。
問いの2
△AECと△ADBが直角三角形であり、三平方の定理で解けないかと思いついたら、AEをxとして等式ができることに気づきました。

AE:AD=2:3です。だから、ADからAEをひいたEDの比は1になります。

さらに、EF:FDも2:3なので、AEをxとすると、ED=1/2x

EFはEDを2:3で分けた2のほうなので、EF=ED×2/(2+3)=ED×2/5
1/2xの2/5だからEF=(1/2x)×(2/5)=1/5x

これで準備完了です。

問いの3直角三角形AECと直角三角形EFCを使って、三平方の定理を用いて、辺ECの長さを2通りの方法で表すことができます。

まず、△AECで、三平方の定理より
問いの4





次に、△EFCで、三平方の定理より
問いの5






ECの2乗を2つの式で表せたので等式、方程式をたてて
問いの6


















AF=AE+EFなので、
問いの7
















直角三角形ABDでも、同じようなやり方で解くことができます。

また、AFをxとしてAE、EFをxを使って表せば、やはり同じように解くことができます。


中学生に負ける

NさんやF君の話によると、この問題を試験時間内に解けた子が何人かいるとのこと。
中学生に負けるなんて、『悔しいです!!』


相似を使うか三平方で解くか

この稿の本題ですが、入試問題では、相似と三平方のどちらを使ったらよいかを悩む問題、あるいは、どちらを使っても解ける問題があります。

私は塾生には、優先は相似、次が三平方と言ってきました。

三平方の定理を使うと中学生では解きにくい二重根号(ルートの中にさらにルートがあるもの)が出てきてしまう問題があるからです。
相似の比例式だと二重根号はありえませんし、式を立てるにも、相似を使ったほうがやさしいことが多いのです。

この(4)の問題もそう思って相似にこだわったのですが(問題の流れも相似を意識させるつくりになっています)、三平方の定理を思いつかないのが失敗でした。


しかし、解いたあとも頭の片隅で、これはひょっとすると相似でも解けるのではないか、という疑問が残ったままでした。
高校で習う「方べきの定理」を使えるのではないかとも思って眠りにつきました。


朝起きて、パソコンを開いてみると、U先生から相似だけで解くもう一つの解き方がありますとのメールが届いていました。


U先生の解き方


問いの9
































***** 5教科以外の全目次はこちら、ワンクリックで探している記事を開くことができます *****

mathematics 三平方の定理(5)(空間図形と三平方の定理)

直方体の対角線

直方体の内部を通る、頂点と頂点を結ぶ線分が直方体の対角線です。

縦の長さがa、横の長さがb、高さがcの直方体の対角線を、三平方の定理を使って求めてみましょう。
直方体の対角線







直方体の対角線(1)まず、線分BDの長さを求めます。
△ABDは直角三角形だから、三平方の定理より
直方体の対角線(2)





次に直方体の対角線BHの長さを求めます。
△BHDは∠BDH=90度の直角三角形です。よって、
直方体の対角線(3)









つまり、縦がa、横がb、高さがcの直方体の対角線の式は、

直方体の対角線(4)
です。




重要例題1:AB=AD=4、AE=6の直方体ABCD−EFGHがある。点P、Qはそれぞれ辺BF、DHの中点である。四角形APGQで直方体を切断するとき、次の問いに答えなさい。
直方体の対角線(5)
(1)四角形APGQの周の長さと面積を求めなさい。

(2)切断された頂点Cを含むほうの立体の体積を求めなさい。








(1)四角形APGQの周の長さ
例題1(1)
△AQDは∠ADQ=90度の直角三角形であり、AD=4、DQ=3より、AQ=5

同様にAP=PG=GQ=5

よって周の長さは20






四角形APGQの面積

直方体の対角線(6)四角形APGQは、AP=PG=GQ=QAより、ひし形です。
面積は対角線×対角線÷2で求めることができます。

ひし形APGQの対角線AGは、直方体ABCD−EFGHの対角線でもあります。
よって、公式

直方体の対角線(4)
より


直方体の対角線(7)











また、もう一つの対角線PQはBDと等しくなりますから、AB:AD:BD=1:1:√2を使ってBD=4√2

以上より、四角形APGQの面積は、2√17×4√2×1/2=4√34


(2)四角形APGQで切断された立体の体積

もとの直方体の体積の半分です。

4×4×6×1/2=48



円錐と三平方の定理

円錐で知っておいたほうがよいこと

円錐体積は底面積×高さ×1/3で求められます。

表面積=底面積+側面積です。
底面積=r×r×π、こちらは簡単ですが、側面積は少々やっかいです。

側面積の求め方1:
円錐の展開図円錐の展開図で考えます。
中1のとき、おうぎ形の面積を求める公式、半径×弧×1/2を習いました。
側面積Sはおうぎ形なので、半径にあたる母線l×弧(赤い線)×1/2で求めることができます。
そして、赤い線の弧の長さは下の小さい円Osの円周と等しくなります。
以上より、側面積S=おうぎ形の半径l(円錐の母線)×おうぎ形の弧(底面の円周)×1/2
S=l×2πr×1/2
=l×r×π

側面積の求め方2:
円錐の展開図やはり円錐の展開図で考えます。

円O(点線の円)の面積は半径l×l×πです。
側面積であるおうぎ形は、その円の一部です。
円の何分のいくらかを考えます。
円周に対する弧の割合がわかれば、円の何分のいくらかがわかります。
円Oの円周は直径×π、l×2×π。
弧の長さは小さい円Osの円周と等しいのでr×2×π。

以上より、おうぎ形の面積は円Oの面積のr×2×π/l×2×π、つまりr/lにあたることがわかります。

円Oの面積はl×l×πですから、おうぎ形の面積はそのr/l、すなわちl×l×π×r/l=l×r×π

よって側面積S=l×r×π

いずれにしても、側面積は、l×r×π(母線×半径×π)と、公式化して覚えておいたほうがよいように思います。


円錐の体積と表面積

円錐の側面積左図の、底面の半径3、母線の長さ9の円錐の場合、

体積は、底面積×高さ×1/3より
高さをxとすると、三平方の定理より6√2
3×3×π×6√2×1/3
=18√2π

表面積は、側面積+底面積より
9×3×π+3×3×π
=36π




重要例題2:底面の半径が5、母線の長さが13の円錐に球が内接している。球の半径を求めなさい。

円錐と球















(解き方)円錐の高さADは12(5:12:13の直角三角形であることに気づくと瞬時に求められます)。

また、△ABDと△AOPは
∠ADB=∠APO=90度
∠BAD=∠OAP
より△ABD∽△AOP

対応する辺の比が等しいので
AB:AO=BD:OP
すなわち、13:(12−r)=5:r
5(12−r)=13r
60−5r=13r
−18r=−60
r=10/3


(俊英塾U先生の別解)
三平方(5)笛吹
△ABCの面積は10×12×1/2=60

また、△ABC=△ABO+△OBC+△AOC
半径をrとすると
13×r×1/2+10×r×1/2+13×r×1/2
=(13+10+13)×r×1/2
=36×r×1/2
=18×r

以上より等式をつくり
18r=60
r=10/3

「高1で習う数Aで、S=1/2(a+b+c)rという公式が出てきます」とのことです。



最短距離と三平方の定理

まわって進むよりまっすぐ進むほうが近道です。
2点の最短距離は2点を通る線分をひくことで求められます。
空間図形でも原理はかわりません。

最短距離左の直方体で頂点から頂点へ糸をぴんと張ったとき(このとき糸の長さは最も短くなります)、糸は直線になっています。
空間図形では直線であることがわかりにくいので、展開図をかいて平面で考えたらわかりやすくなります(空間図形の問題を解くときは平面にして取り出して考えるのが基本です)。

最短距離展開図この展開図ではすべての面を記入しましたが、実際に問題を解くときは必要な面だけ(青色の線の部分)をかけば十分です。

直角三角形ができるので、三平方の定理を使うことができます。








重要例題3:底面の半径BOが3、母線の長さABが6の円錐がある。母線ACの中点をPとする。
円錐と最短距離(1)点Bから点Cまで、側面上を半周してひもをかける。ひもの長さが最短になるときのひもの長さを求めなさい。

(2)点BからPまで、側面上を半周してひもをかける。ひもの長さが最短になるときのひもの長さを求めなさい。







(解き方)展開図をかきます。
母線が6、底面の半径が3で2:1なので、側面の中心角は180度になります。
展開図上、直線で表された部分が最短の長さになります。
円錐と最短距離展開図
(1)線分AB=6、AC=6の直角三角形で1:1:√2が使えるので線分BC=6√2

(2)AB=6、AP=3の直角三角形。BPの長さをxとして三平方の定理を使う。
計算すると、BP=3√5









体積を2通りの方法で求めて等式をつくって解く問題

重要例題4:1辺が6の立方体ABCD−EFGHがある。次の問いに答えなさい。

立方体と三平方
(1)3点A、F、Cを頂点とする△AFCの面積を求めなさい。

(2)三角錐B−AFCの体積を求めなさい。

(3)点Bから面AFCにひいた垂線BHの長さを求めなさい。






(解き方)空間図形でもっともよく出る問題の1つです。

(1)△AFCは、正方形の対角線を3辺とする三角形なので正三角形です。1:2:√3を使って、まず高さ、それから面積を求めます。
簡単に正三角形の図をかいて求めます。

正三角形1:1:√2よりAC=AF=FC=6√2

正三角形の高さは、1:2:√3より3√6

面積=6√2×3√6×1/2=9√12=18√3



(2)よく出題される問題です。
三角錐
三角錐B−AFCと書いてあっても、三角形AFCを絶対の底面だと思う必要はありません。

面ABCと辺BFが垂直ですから、面ABCが底面で、BFを高さと見ることもできます。

「見方をかえて」解く問題です。

三角錐なので体積=底面積×高さ×1/3。

底面積ABC=6×6×1/2=18
高さは6

よって18×6×1/3=36

(3)1番の、△AFCを正三角形とわかること、その正三角形の面積を求めること、2番の三角錐の体積を上手に求めること、どれも重要で良い問題ですが、さらに、その結果を活用するよくできた問題です。

(2)で、すでに三角錐B−AFCの体積はわかっています。
ところが、見方をかえて、△AFCをこの三角錐の底面と見ると、今度はBHが高さになります。
つまり、三角錐B−AFCの体積を2通りの式で表せるわけで、等式をつくることができますから、方程式と考えて解くことができます。

底面積を△AFCと考え、高さのBHをhとすると、三角錐の体積は18√3×h×1/3
底面積を△ABCと考えると体積は(2)より36
等式にして
6√3h=36
h=36/6√3
h=6/√3
分母を有理化して
h=2√3




(U先生に教えられてわかったのですが、Hの記号を別々の2箇所に使ってしまっていました。後日、訂正します。)

mathematics 三平方の定理(4)(円と三平方の定理)

円の問題でも、直角三角形を見つけることで三平方の定理を使って問題を解くことができます。


弦と三平方の定理

例題:円Oに12cmの弦をひいたとき、中心Oからの距離が4cmになった。この円の半径を求めなさい。

円と弦(円の定理:弦に垂直な半径は弦を二等分する。弦の垂直二等分線は円の中心を通る。)






直角三角形を見つけて、三平方の定理を使います。

円と弦解き方











円の接線と三平方の定理

例題:半径2と半径1で、中心と中心との距離が4の2つの円O、O’がある。2つの円の共通接線がP、Qで円と接するとき、PQの長さを求めなさい。

2つの円(円の定理:接線と接点を通る半径は垂直に交わる。)






2つの円の解き方O’を通り、PQに平行な直線をひき、OPの延長との交点をRとします。
求めたいPQをxとすると、O’Rもx。

2つの円の式










三角形と内接円

重要例題1:図のように∠A=60度、∠C=90度の直角三角形ABCに内接する半径1の円Oがある。辺BC、AC、ABとの接点をそれぞれD、E、Fとするとき、次の問いに答えなさい。
内接円
(1)線分AEの長さを求めなさい。

(2)線分BFの長さを求めなさい。

(3)色をつけた部分の面積を求めなさい。





(1)
内接円(1)△AFOと△AEOにおいて
接線は接点を通る半径に垂直だから∠AFO=∠AEO=90度・・・(1)
共通にふくまれる辺だからAO=AO・・・(2)
半径の長さは等しいからOF=OE・・・(3)
(1)(2)(3)より、直角三角形で斜辺と他の1辺が等しいので
△AFO≡△AEO

したがって、∠FAO=∠EAO=30度
だから、OE:AO:AE=1:2:√3
よってAE=√3

(2)
内接円(2)△ABCで、AC:AB:BC=1:2:√3
AC=√3+1だから
AB=(√3+1)×2=2√3+2
AF=AE=√3だから
BF=AB−AF
=2√3+2−√3
=2+√3




(3)
まず、影のついた部分や斜線部の面積を求めるときは、大きな図形から不要な部分をひくのが原則です。
次に、私たちが求めることのできる面積は、三角形おうぎ形くらいしかありません。

だから、色のついた面積を求めるには、四角形AFOEから弧FEのおうぎ形をひけばよいことがわかります。
この問題では、∠AOE=60度なので、おうぎ形の中心角FOE=120度です。

内接円と面積



















重要例題2:辺の長さが3、4、5の△ABCに内接する円の半径を求めなさい。
内接円の2










解き方1:辺で等式をつくる
内接円の2(1)中心と接点D、Eを結びます。
半径のOD=OE=xとすると、DC=EC=x

AE=3−xだから、AF=3−x
BD=4−xだから、BF=4−x

辺ABで等式ができます。

4−x+3−x=5
−2x=−2
x=1

内接円のときの書き込みの仕方を知っておかないといけません。
三角形から見たら内接円ですが、円から見たら三角形の各辺は接線です。
接線の性質、「接線は接点を通る半径と垂直である」を利用するためには、上のような書き込みの仕方しかありません。


解き方2:面積で等式をつくる

三平方の定理の2(2)△ABCの面積は2通りの方法で表わすことができます。

まず、底辺4、高さ3の三角形と見ることができますから、4×3×1/2=6
△ABCの面積は6とわかりました。

次に△ABCは、△ABOと△BCOと△CAOの、3つの三角形の合計と考えることもできます。
このことを式に表わすと、
内接円の2(2)











以上から方程式をつくります。

6x=6
x=1


この解き方も、知っておかないといけません。
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