平成24年度以降、中学理科の教科書では、電力量、熱量、仕事、エネルギーの単位として、J(ジュール)が使われます。
中学2年では、電流の単元で、電力量と熱量の単位としてJ(ジュール)をもちいます。
中学3年では、運動とエネルギーの単元で、仕事とエネルギーの単位としてJ(ジュール)をもちいます。
電力量
電気器具の能力を表わす量が電力であるといわれますが、電気器具が1秒間に消費する電気の量が電力だという定義のほうがわかりやすい。
直列つなぎの乾電池を思いうかべてください。乾電池
が多いほど、電圧は大きく、流れる電流も大きいので、豆電球は明るく光ります。
私たちは、「電気の量」を「豆電球の明るさ」で意識します。
この「電気の量」が電力ですから、電力は電圧と電流で表わされます。
つまり、電力(W)=電圧(V)×電流(A)です。
そして、消費された電力の総量が電力量であり、電力量を表わす単位がJ(ジュール)です。
1秒間という瞬間の電気の量が電力であり、電気をある時間使ったときに消費された電気の総量が電力量です。


だから、電力は、(電圧×電流)×秒、つまり、電力×秒で表わされます。
電力量(J)=電力(W)×秒(s)
また、J(ジュール)は、エネルギーの量を示す単位であり、電力量は、消費された電力の総量を表わすと同時に、消費された電力によって発生した電気エネルギーの量も表わしています。
熱量
電流の持つエネルギーは、他のエネルギーに変わることがあります。
電気エネルギーから他のエネルギーに変わるものとして、熱、光、音、運動などのエネルギーをあげることができます。
そのうちの熱エネルギーの量を、熱量といいます。
熱量の単位も、エネルギーなのでJ(ジュール)です。
エネルギー保存の法則(あるエネルギーが別のエネルギーに変わってもエネルギーの総量は変化しないという物理学の法則)により、電気エネルギーが熱エネルギーに変わってもエネルギーの量は同じです。
だから、電気エネルギーがすべて熱エネルギーにかわったとすると、
熱エネルギー(熱量)
=電気エネルギー
=電力量
=電力×秒
となります。
つまり、電流によって発生する熱エネルギーの量、つまり熱量も、
熱量=電力量=電力×秒の式で求めることができます。
熱量(J)=電力(W)×秒(s)
また、実験で、質量1gの水の温度を1度上昇させるのに必要な熱エネルギーの量、熱量は、4.2Jであることがわかっています。
このことから、
熱量(J)=4.2×水の質量(g)×上昇温度(°C)
の式が成り立ちます。
仕事
物体に力を加えて、加えた力の向きに物体を動かしたとき、理科では、力は物体に仕事をしたといいます。
仕事の量もエネルギーの量で表わします。
仕事(J)=力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)
物を、ある高さまで持ち上げるときには、物体にはたらく重力と同じ大きさの力で持ち上げないといけないので、
仕事(J)=重力の大きさ(N)×持ち上げた高さ(m)
となります。
物体を横にひっぱって動かすときは、物体にはたらいている摩擦力と同じ大きさの力でひっぱらないといけないので、
仕事(J)=摩擦力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)
となります。
電力量(J)と熱量(J)と仕事(J)とは、エネルギーを表わす量としては同じ量ですから、1Jの電力量は1Jの仕事をするということになります。
仕事率
1秒間にする仕事の大きさが仕事率です。
仕事率(W)=仕事(J)÷秒(s)
ところで、電力量(J)=電力(W)×秒(s)でした。
この式を変形して、電力(W)=電力量(J)÷秒(s)
このことから、電力と仕事率とは同じ、つまり、電力は電気による仕事率を表わしていたということがわかります。
位置エネルギー
基準面からある高さにある物体が持っている、仕事をできる能力が位置エネルギーです。
位置エネルギーの大きさも、エネルギーなのでJ(ジュール)で表わします。
ある質量を持ち、ある高さにある物体は、同じ質量を持つ物体を同じ高さにまで持ち上げることができる、つまり、仕事をすることができるはずです。
位置エネルギーの大きさは、するとしたらできるであろう仕事の量と等しくなります。
だから、
位置エネルギー(J)=その物体にはたらく重力(N)×基準面からの高さ(m)
となります。
まとめ
J(ジュール)は、中学理科では4つのものを表わします。
電力量(J)=電力(W)×秒(s)
熱量(J)=電力(W)×秒(s)
仕事(J)=力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)
位置エネルギー(J)=その物体にはたらく重力(N)×基準面からの高さ(m)
電力量は電気のエネルギー量、熱量は熱のエネルギー量、仕事は仕事のエネルギー量、位置エネルギーは高い位置にある物体が持つエネルギー量を表わしています。
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中学2年では、電流の単元で、電力量と熱量の単位としてJ(ジュール)をもちいます。
中学3年では、運動とエネルギーの単元で、仕事とエネルギーの単位としてJ(ジュール)をもちいます。
電力量
電気器具の能力を表わす量が電力であるといわれますが、電気器具が1秒間に消費する電気の量が電力だという定義のほうがわかりやすい。


私たちは、「電気の量」を「豆電球の明るさ」で意識します。
この「電気の量」が電力ですから、電力は電圧と電流で表わされます。
つまり、電力(W)=電圧(V)×電流(A)です。
そして、消費された電力の総量が電力量であり、電力量を表わす単位がJ(ジュール)です。
1秒間という瞬間の電気の量が電力であり、電気をある時間使ったときに消費された電気の総量が電力量です。


だから、電力は、(電圧×電流)×秒、つまり、電力×秒で表わされます。
電力量(J)=電力(W)×秒(s)
また、J(ジュール)は、エネルギーの量を示す単位であり、電力量は、消費された電力の総量を表わすと同時に、消費された電力によって発生した電気エネルギーの量も表わしています。
熱量
電流の持つエネルギーは、他のエネルギーに変わることがあります。
電気エネルギーから他のエネルギーに変わるものとして、熱、光、音、運動などのエネルギーをあげることができます。
そのうちの熱エネルギーの量を、熱量といいます。
熱量の単位も、エネルギーなのでJ(ジュール)です。
エネルギー保存の法則(あるエネルギーが別のエネルギーに変わってもエネルギーの総量は変化しないという物理学の法則)により、電気エネルギーが熱エネルギーに変わってもエネルギーの量は同じです。
だから、電気エネルギーがすべて熱エネルギーにかわったとすると、
熱エネルギー(熱量)
=電気エネルギー
=電力量
=電力×秒
となります。
つまり、電流によって発生する熱エネルギーの量、つまり熱量も、
熱量=電力量=電力×秒の式で求めることができます。
熱量(J)=電力(W)×秒(s)
また、実験で、質量1gの水の温度を1度上昇させるのに必要な熱エネルギーの量、熱量は、4.2Jであることがわかっています。
このことから、
熱量(J)=4.2×水の質量(g)×上昇温度(°C)
の式が成り立ちます。
仕事
物体に力を加えて、加えた力の向きに物体を動かしたとき、理科では、力は物体に仕事をしたといいます。
仕事の量もエネルギーの量で表わします。
仕事(J)=力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)
物を、ある高さまで持ち上げるときには、物体にはたらく重力と同じ大きさの力で持ち上げないといけないので、
仕事(J)=重力の大きさ(N)×持ち上げた高さ(m)
となります。
物体を横にひっぱって動かすときは、物体にはたらいている摩擦力と同じ大きさの力でひっぱらないといけないので、
仕事(J)=摩擦力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)
となります。
電力量(J)と熱量(J)と仕事(J)とは、エネルギーを表わす量としては同じ量ですから、1Jの電力量は1Jの仕事をするということになります。
仕事率
1秒間にする仕事の大きさが仕事率です。
仕事率(W)=仕事(J)÷秒(s)
ところで、電力量(J)=電力(W)×秒(s)でした。
この式を変形して、電力(W)=電力量(J)÷秒(s)
このことから、電力と仕事率とは同じ、つまり、電力は電気による仕事率を表わしていたということがわかります。
位置エネルギー
基準面からある高さにある物体が持っている、仕事をできる能力が位置エネルギーです。
位置エネルギーの大きさも、エネルギーなのでJ(ジュール)で表わします。

位置エネルギーの大きさは、するとしたらできるであろう仕事の量と等しくなります。
だから、
位置エネルギー(J)=その物体にはたらく重力(N)×基準面からの高さ(m)
となります。
まとめ
J(ジュール)は、中学理科では4つのものを表わします。
電力量(J)=電力(W)×秒(s)
熱量(J)=電力(W)×秒(s)
仕事(J)=力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)
位置エネルギー(J)=その物体にはたらく重力(N)×基準面からの高さ(m)
電力量は電気のエネルギー量、熱量は熱のエネルギー量、仕事は仕事のエネルギー量、位置エネルギーは高い位置にある物体が持つエネルギー量を表わしています。
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